良いCBD商品開発は良い原料から。USDAオーガニック認証「MIGOTO」のこだわりと強みに迫る

メンタルヘルス、美容、健康食品業界で話題となっているCBD。リラックス効果、睡眠の質を改善、炎症を和らげるなど、さまざまな効果があるという研究結果から、今注目の成分と言ってまちがいないだろう。

CBDは大麻草の成分であるカンナビノイドの一種で、大麻のイメージから誤解されている部分も多いのが現状。しかし、合法化に伴い認知も広がり、市場の拡大も予想されるCBD業界。参入を考えている事業者も増加する中で、生き残るための商品開発が重要となる。

今回インタビューしたのは、CBD原料ブランド「MIGOTO」のオーナーである鳥井愛子さんと、MIGOTOの輸入総代理店Star50合同会社の代表である新谷友紀さん。

アメリカ現地のトレンドをいち早くキャッチし、日本の基準をクリアした安心、安全、高品質を兼ね備えたCBD原料を生み出したプロセスやこだわりを徹底的にインタビューしてきました。

■鳥井愛子/CBD原料「MIGOTO」代表
横浜生まれ横浜育ち。カリフォルニアに移住して15年。現地アメリカでCBDが日常生活の中で取り入れられるようになり、急激にCBDが盛り上がっているのを目にした経験を持つ。自身の父親が病気を患っていた過去や、自身の体の痛みを感じていた体験もあり、「本当に良いCBDを作ろう」と決意。水を使ってCBDを抽出し、USDAオーガニック認証も得ているMIGOTOを生み出した。

■新谷友紀/Star50合同会社 代表
CBD原料ブランド「MIGOTO」の日本総代理店を担う、Star50合同会社の代表。自身の体調不良をきっかけにCBDの素晴らしさに気づき、CBD事業を行うことを決意。鳥井愛子とパートナーシップを組み、「MIGOTO」の拡大を牽引するとともに、California発CBDブランド「SUGOY」の事業展開も行う。

目次

日本とアメリカをつなぐビジネス展開の経緯とは?

ーーお二方は日本とアメリカと国を跨いで事業を展開しているわけですが、どのような経緯でCBD事業を始められたのでしょうか?

鳥井愛子さん(以下、鳥井)
私はアメリカに15年くらい住んでいまして、アメリカでCBD合法化され、CBDが身近にある生活を見てきて、アメリカ人はCBDに助けられ、万能薬という認識が広まっていることを感じました。

私の父が病気になり苦しんでいる姿を何度も見てきていたのですが、「もしその時にCBDがあったら」ということを今でも思います。

そして、日本でも合法化したことで、CBDのすばらしさを日本にも伝えたいという想いで起業しました。万能薬と言ってしまうと胡散臭いと思われること、麻のイメージもあるので、どう伝えたら理解が広まるかを課題にしています。

友紀さんに輸入の総代理店になってもらって、アメリカと日本でお仕事しています。

出会いは3年ほど前なのですが、コロナ禍で会うこともできない中、コミュニケーションを大事にして、山あり谷ありたくさんの壁を乗り越えてきました。

migotoのヘンプ農場

新谷友紀さん(以下、新谷)
実は、私はもともと起業しようと思っていたわけではなく、普通にOLをしていました。

10年くらいメンタルの調子を崩していて、閉鎖病棟に入院したこともあります。「薬を飲み続けることがよくないのかも?」と、向精神薬、睡眠薬をやめようと思っても、薬を使わない生活にするのはとても大変でした。

寛解して仕事復帰した時に、東京から来た方にCBDというものがあることを教えてもらったんです。

調べてみて、「こんなすごいものがあるんだ!」と驚き、CBDをあの頃に知っていれば、自分はもっと楽に乗り越えられたんじゃないか、そして今まさに同じように苦しんでいる人の手助けがしたいと思うようになりました。

当時はまだ情報も少なく調べていたら愛子さんに辿り着き、お仕事をお手伝いさせていただくようになりました。会えない中でもお互いの考え方を理解し距離感を縮め、信頼関係を築けて今の形ができたという流れです。

ーー鳥井さんのお父様、そして新谷さんご自身の原体験には共通点を感じました。鳥井さんがアメリカで事業として進めているところを、新谷さんが日本で連携しているという形なんでしょうか?

鳥井
そうですね。あともう一人アメリカ人のビジネスパートナーがいます。

彼はコミュニケーション力も高く、顔も広く、コールドコール(原料を探すところ)から、一緒にやってきました。

アメリカは広いけどCBD業界は狭く、リストを1件1件連絡していくうちに人のつながりが見えてきました。ネットワークができてくると、そのあとは紹介で高品質の原料、希少なサプライヤーにたどり着けました

水で抽出した「MIGOTO」(見事) なCBD原料の秘密

ーーMTGOTOの原料はどんな特徴があるんでしょうか。

鳥井さん
やはりMIGOTOの最大の特徴は、CBDアイソレート原料を「水」を使って抽出するという点です。

溶媒にペンタンなどを使わないことでUSDAオーガニック認証を取得でき、日本でも意識され広まっている、オーガニック、サスティナブル、体に優しいという点でも好評をいただいている原料です。

CBDを抽出する工場の機械

ーーなるほど。水で抽出するとどんな良いことがあるんでしょうか?

鳥井さん
H2Oアイソレートは溶媒に化学物質を使わないので、余計な味がありません。ケミカルな溶媒を使用すると、ピリッとしたり苦味が残ってしまうんです。

ーー美味しさは大切ですね。

新谷さん:
弊社のものは色が全然違うし、パウダーの細やかさも違います。いつも届くたびに、本当にいい原料だなと感じています。

草っぽい自然の香りの中に独特の甘みもあって、森の中でリフレッシュできる感じです。

あと、私も聞いて驚いたのが、ヘンプ農場では牛の堆肥も使うんですが、牛自体がオーガニックだし、牛が食べる飼料もオーガニックなんですよね。

詳しく知りたいと問い合わせいただきますが、製造や安全性にもこだわっていて、愛子さんが現地で検査しているので、輸入者として受け取る側も安心して対応できます。

ーーそこまでいい原料を作るには苦労もあったのではないですか?

鳥井さん:
実は最初に日本で輸入するのに8ヶ月ほどかかっていて、初めて輸出したCBDアイソレート2キロが税関で没収になった経験があります。あのときは大変でした。

通常のCBDアイソレートは溶媒としてペンタンという化学物質が使われているのですが、ペンタンは日本の食品には使ってはいけない物質だったと知らずに申請してしまい、輸入拒否となったんです。

そこからペンタンを使わないCBDアイソレートを探すことになりました。なかなか見つからずもう無理かもと思いつつも、300件ほど探したところで、やっと今のオーガニックのサプライヤーに出会うことができました。

日本の法律を掻い潜る方法もあると言っていた人もいました。そうすればもっと早くに輸入できていたとは思うけど、時間がかかっても、周りに先を越されようとも、ひとつひとつ法律に従って進めることで、やっと輸入まで持っていきました。

私も日本で大麻は“ダメ絶対”と教えられて育ちましたから、日本人の感覚はよく知っています。だからこそ日本の法を掻い潜る様な事はしたくなかったんです。

新谷さん:
まじめにやっていて良かったと思う所ですよね。正直者は馬鹿をみるのかと当時は落ち込みましたが、神様は見捨てなかった。ごまかして輸入することも可能だったのかもしれないけど、正直に行動した結果、苦労はあったけど、こんなにいいものを取り扱えることに繋がって、本当に良かったと思います。

ーー誠実さ、真摯さが御社のキーワードなんでしょうね。

鳥井さん:
3人のビジネスパートナーなのですが、真摯に取り組むという共通意識を持って事業に励んでいます。

いろいろトラブルがあっても力を合わせて乗り越えた時の達成感や、チームワークがさらによくなった経験は宝物だなと感じています。

安心・安全・高品質へのこだわりが生み出した「MIGOTO」の強みとは?

ーー原料自体へのこだわり、選定するときにこだわったポイントがあれば教えていただけますか?

鳥井さん
CBD原料といってもカンナビノイドはたくさんあり、弊社でも10種類ほど取り扱っています。どの原料が一番おすすめか聞かれても選べないほど、全ての原料に自信があります。

USDAオーガニック認証を取っているという「品質」面はもちろんですが、日本の法律にどれだけ従えるかという「安心と安全」にもこだわっていますね。

ーーそれはすごいですね。御社の原料を選ぶお客さんは、どんなポイントで選んでるんでしょうか?

鳥井さん:
弊社の他の原料を使ってCBD商品を製造しているメーカーさんから、「原料の段階でこんなにおいしく思えたの初めてかも!」とレビューをいただくこともあります。

「舐めただけでもとてもおいしいです」という言葉をいただくと、本当に嬉しいですね。

ーーCBDってやはり植物のヘンプから抽出されるので独特の苦味がある印象なんですが、おいしさを実現できる理由はなんでしょうか?水抽出がポイントでしょうか?

鳥井さん:
特にVAPE制作などでおいしいと言っていただいているのは液体オイルのディストレートの原料の方なんですが、そちらは端的に言うと技術の賜物ですね。

詳細は企業秘密です(笑)

ーー聞きたいけど我慢します(笑)それ以外にも、御社を選んでくれるポイントはありますか?

鳥井さん:
最近は大手企業もCBD事業に参入し、化学的な見解を求められることも多くなってきました。

大手企業となると「大麻草という植物からなぜオイルやパウダーになるのか?」と、化学的な見解をすごく大切にされています。専門家ではないと答えられない内容になってくるので、専門の方に翻訳してもらいながら化学者同士のミーティングになります。

弊社は製造に化学者が関わっているので、大手企業の質問にも直接伝えることができるので、そこはCBD製品を開発する上で重要な透明性や安全性に繋がっていると思います。

migotoの科学者

新谷さん:
それ以外で言うと、CBDドリンクの生産に使用される水溶性の原料も選んでいただくことがありますね。長い間貯蔵し続けた時にどれくらい劣化するのかを検証するための、保存試験も実施するんですが、弊社の水溶性原料の貯蔵期間は業界最長レベルに長いという結果が出ています。

貯蔵期間が長く保てるということは品質が良い原料だということ。MIGOTOの原料は高品質と実感いただいているところです。

ーー「USDAオーガニック認証」「原料のおいしさ」「化学的な知見と透明性」「貯蔵期間の長さ」などが強みになっていそうですね。

「MIGOTO」の原料を使った商品開発はどう進めるのか?

ーー実際に10種類ほどの原料を取り扱っているとのことですが、これは、アイソレート、ディストレート、水溶性という分類での10種類ということですか。

鳥井さん:
はい。大まかに分けるとそんな感じですね。あとはレアカンナビノイドでCBG、CBN、CBCなども取り扱っています。さまざまなニーズに対応できるように頑張ってます。

migoto価格表
MIGOTOの原料一覧

ーーありがとうございます。輸入後の御社のサービスやサポートまでについても詳しく教えてください。

新谷さん:
製品を作りたい時のパターンはいくつかあります。

ベイプを開発したいお客さまの場合は雑貨というカテゴリになるので、工場のご案内を希望されるお客様は少ないです。ご希望があれば、それぞれのニーズに適した方法をご案内しています。

化粧品や食品をOEMで作りたいお客様の場合は、ずっと信頼を置いている会社さんを紹介するようにしていますね。

実は、CBDって「なんかあったら困るから扱わない」とまだまだ工場に受け入れてもらえないことも多いんです。でも、弊社のパートナーのOEM企画会社様は業界でも信頼のある会社さんなので、「CBDだとしても安心して受け入れる事ができる」と対応してくれています。

日米のトレンドを知る二人が思い描く、CBDの未来

no spray zone

ーーお二方が考えるCBDの可能性や、CBDを使うことで期待される未来を伺いたいです。

新谷さん:
高齢者の方に使ってもらいたいですね。

CBDは、チルするみたいな若者向けの新しい文化のイメージで発信されている方が多いと思います。

でも、カンナビノイド欠乏症や老化に伴う体のしんどさ、病院に行くまでもない不調の積み重ねが多くなる高齢者の方のQOL改善が一番効果を実感してもらえるのでは無いかと思っています。

そういった意味で、若者の文化に止まらずに広く受け入れてもらえるようになればいいなと思います。

鳥井さん:
CBDはリラックスでき、過度に張り詰めた神経を落ち着かせる効果があります。日本はストレス社会で精神的に病んでいる人が多いので、敏感になりすぎている気持ちを落ち着かせるサポートにつながるのではないかと思っています。

痛みが続くこともうつに繋がるし、そういう意味でもリラックスできるCBDなので、ウェルネスとして広めていきたいです。

ヘンプの葉っぱ

ーー御社が描いている、MIGOTOの原料やサービスの展開などCBD事業の展望はいかがでしょうか?

新谷さん:
最初は「水で抽出できるなんて嘘だろ」と嘘つき呼ばわりされたこともありました。でもそれも徐々に理解されるようになってきたので次のステージだと思ってます。

USDA認証の農法は除草剤も撒けないので、そんな野生味のある姿も含めて、本来のオーガニックを理解してもらえるようにしていきたいです。

「原料の質」「美味しさ」「貯蔵期間の長さ」「安全性」など自信を持てることはたくさんあるのでちゃんと伝えていきたいですね。

鳥井さん:
本当にそのとおりです。MIGOTOをより差別化して、ちゃんと世の中に広めていきたいですね。

「たかが原料、されど原料」。原料って製品を作る上で大事な土台なので、本当にいい商品を作るためには原料は最重要だと思ってます。

水抽出やUSDAオーガニック認証を取った原料で、安全で、安心で、高品質の原料であることを知ってもらうことがネクストステップですね。粗悪ではなく高品質なCBD商品が世の中にたくさん出回るための一役を買うことが私たちの使命だと思ってます。

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