身体と心の専門家が送る健康ライフスタイルVol6. 六本木スキンクリニック院長 鈴木稚子先生ー美容皮膚科というジャンルがない時代から肌と向き合う先生から聞く、美肌の秘訣ー

思春期時代、おでこにニキビが一つできただけで学校に行きたくなくなる、という経験をした人は多いのではないでしょうか。

他人からしてみれば「それくらい」のことでも、本人にとってはその日の気分を左右する要素になります。

これが、小さなニキビではなく、大きなシミやお肌全体を覆うようなニキビ跡など消えないものだったらどうでしょうか。

人と目を合わせるのさえ億劫になってしまうかもしれません。

そんな人たちに、ハッピーな気分を取り戻してほしい。そんな思いで23年前、美容皮膚科という言葉がない時代からお肌と向き合ってきた、六本木スキンクリニック院長・鈴木稚子先生をゲストにお招きしました。

日々の生活で取り組める美肌のコツや、CBDと美肌の関係について語っていただきました。

鈴木稚子/六本木スキンクリニック院長
ニキビ跡のへこみで悩んでいる人を治してあげたいという想いから、美容皮膚科が世の中にない頃から肌を滑らかにする治療法の開発と現在の美容皮膚科が提供している治療を行う。
2017年に六本木スキンクリニックを開業。現在日本中から来院するニキビ痕のへこみ・毛穴開きに悩む患者と日々向き合っている。
目次

治療法がない中からの開業、そして治療薬づくり。美容皮膚科を目指したきっかけとは?

ーーどのようなことがきっかけで皮膚科医を目指したのでしょうか?

私が大学を卒業した頃はまだ美容皮膚科というものが世の中にありませんでした。ニキビやアトピーなどの治療が終わっても皮膚に跡が残ったり、クレーター(ニキビ跡のへこみ)になってしまうことはおきてしまいますが、これは私だったら気になってしまうと思ったことがきっかけです。

特に中高生の子たちで、ニキビやクレーターが気になって旅行に行っても写真を撮らないとか、人目を気にしてそもそも出かけないようにしたりと、心に大きな傷を持ってしまう子たちが多かったんです。

そんな子たちを治してあげたいという想いで開業しました。

ーーニキビ跡で悩む人たちを治してあげたいという想いがきっかけで開業されたんですね。

開業したのが2000年ですが、23年前にはクレーターの治療方法は全くなかったんです。そんな中、薬剤師の方に協力していただいて、クレーターになった肌を滑らかにする治療法を開発したりしながら、医院でも現在の美容皮膚科のようなものを少しずつ取り入れていくようになりました。

シンプルなことに気を付けること、自分の肌をしっかりと知ることが大切。

ーー肌を美しくする・若々しく保つために普段の生活の中でできること・意識した方がいいこととしては何がありますか?

肌に対して、いいことをするというより、悪いことをしない方がいいんです。

肌に悪いことは、お化粧したまま寝てしまうなど、汚れをそのまま残してしまう行為と、ゴシゴシ洗ったり、固いタオルで顔を拭くなどの刺激を与える行為など、肌を刺激するようなことです。

朝は顔を洗わない方が結構いらっしゃいますが、夜スキンケアで使用したクリームなどが、朝までに酸化して皮膚に残って、肌を刺激してしまいます。

水だけでは落ちきれない汚れを肌に残したまま、その上から新たにスキンケアするといったように、色んなものを取り入れすぎている状態は良くありません

次に物理的刺激の問題ですが、自己流のマッサージで肌に強い刺激を与えすぎて逆効果になっている方が多くいらっしゃいます。いいことをしているつもりでもそれが肌トラブルの原因になっているという事がよくありますので、基本をしっかりと押さえておくといいでしょう。

肌は人によっても違いますし、自分自身の肌も年齢とともに変化していきます。その時その時の肌の状態に合わせて、お手入れの仕方を変えることが望ましいです。

例えば、洗濯物でも食器でも、汚れ方によって洗い方を変えますよね。それと同じで、肌も状態によってお手入れの方法を変えることが1番大切です。

まずは自分の肌を知ることが1番大切なのかなと思いますね。

ーー自分の肌がどういう状態なのかを把握するためにどのようなことをしたらいいでしょう。

日々自分の肌を触ってみるのがいいと思います。

乾燥が強い部分はクリームを多くつけてみたりとか、 ベタベタしてるところにはそんなにクリームを使わないとか。常に自分の肌を触っていると肌の状態がわかりやすくなります。

ただ、実際のところ自分の肌の状態を把握するのは難しいので、皮膚科に行って相談するのも一つの手だと思います。

”ニキビがあるから自分は敏感肌”と思いこんでいたけど実際は全然違ったという方もいるので、毎日触ってみてもいまいちわからないという時は専門家に聞いてみるのがおすすめです。

お風呂や温泉で代謝アップ。体のケアはお肌にもいいことがたくさん

ーー普段の生活の中でお肌のために先生が意識していることや、やっていることはありますか?

体温をキープすることを意識しています。

女性は体温が下がりやすいです。特に冬場は体温が1度下がると免疫力が下がったり、代謝も悪くなったりといいことがありません。

具体的には、毎日湯船に浸かったりしています。

ーーお風呂の温度は何度くらいですか?

41度に設定しています。また、お風呂に入る回数も時間があるときは1回だけでなく2回入っていますよ。

実は私、温泉療法医(※日本温泉気候物理医学会が認める、専門医試験に合格した上で専門医取得条件を満たして認定を受けた医師のこと)でもあるんです。

温泉は本当に日本人にとても合っていて、体全体の血流がよくなることで肌にもいい影響があります。

また、お風呂繋がりなんですが、シャンプーやリンス、そして洗顔のときはしっかり洗い流しています。

ーーかなり基本的なことを意識していらっしゃるんですね。

そうなんです。肌のお手入れは特別なことをたまにやるのではなく、毎日の小さなことが積み重なって後から効いてくるんです。お肌のマイナスは比較的元に戻りにくく、マイナスにさせないように予防する方が効果があるんです。

なので、シミになってからそれをどうにかしようとするのではなく、シミの予防に力を注いでいただいたほうがいいですね。

健康面も一緒です。糖尿病とか高血圧になってから、塩分、糖分を控えてもなかなか元に戻らないですよね。病気になる前に悪いものを控えると健康をキープできます。

ーーその他に先生は健康維持のために普段どのようなことを行っていますか?

姿勢に意識を向けています。

私自身捻挫や腰痛など色々なことを経験してるうちに、体幹や身体の左右のバランスをしっかり整えることが大切だと思うようになりました。

姿勢を意識するようにしてから肩こりや腰痛をあまり感じなくなりましたよ。

ーー先生は体のバランスを整えるために具体的に何かしていらっしゃいますか?

肩こりの人はいつも肩に力が入って、上に上がっている人が多いです。 肩をすとんと落とし、力が抜けている状態にすることを意識するだけでも肩こりになりずらくなると思いますよ。

上がっている肩を、逆に下に向かって、重たいものを持たされてるぐらいに下に落とすと、脇のあたりに力が入ります。荷物を持った時でも、脇のほうに力を入れる意識で持つのがおすすめです。

ストレスは万病のもと。CBDはもっと”普通”に使ってもいい

ーー肌とCBDにはどのような関係・共通点がありますか?

やはりストレスでしょうか。

ストレスは心、肌、健康面に大きな影響を及ぼします。ストレスは万病の元といっていいくらい、色々な問題に繋がってしまいます。

CBDにはストレスの緩和、リラクゼーション作用といった効果が期待できます。現代のストレス社会では、特に症状を自覚していない方でも普通に使ってもいいんじゃないかと思います。

ーー現在クリニックではどのようなケースでCBDを使っていますか?

不眠の方に処方することが多いです。

例えば、不眠の症状を抑えるために飲んでいる睡眠薬の量を減らしたいという方に処方しています。睡眠不足だとホルモンバランスが崩れ、肌が荒れたり、ニキビができやすくなります。また、眠りが浅くなったり、不眠症の方が老化もしやすいというデータも出ているので、 睡眠はとても大切だと思いますね。

ーーCBDを処方して、処方前後でその方に変化があったと感じることはありますか?

眠れるようになるという声をよく聞きます。眠れるようになった結果、肌の調子がよくなる人たちは多いです。

ーー先生は普段CBDを使っていますか?

海外に行くときは飛行機の中で使ったり、ストレスを感じたときにCBDオイルを摂取しています。

私は医療用のCBDオイルを使用していますが、皆さんが使用されるのであればブロードスペクトラムをおすすめします。

CBD商品を購入するときは、オーガニックで品質が保証されている商品を選んでください。

きれいになるとハッピーになる。自分のためにきれいになろう

ーー最後に一言お願いします。

今みなさんが気軽にビタミンCを飲んでいるように、気軽にCBDが摂取できるようになるといいなと思います

今は本当にストレスの多い時代で、色々と抱えている方がたくさんいらっしゃるように感じます。

そんな中で、肌がきれいになるということは、気持ちを前向きにすることだと考えています。

美味しいものを食べたり、お酒を飲んだり、カラオケに行ったり、ショッピングをするのと一緒です。

ほんの少しのことでも、みなさんの気持ちが前向きになるようなお手伝いができたらいいなと思っています。

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