消費者目線の商品作り。CANLIFE原口社長が語る商品へのこだわりとは?

現在じわじわとCBDへの認知が広まってきており、CBD事業に参入する企業も増えてきています。今回インタビューに協力してくださったのは、株式会社CANLIFEの原口社長。

徹底的に調査とトライアンドエラーを重ねて「圧倒的に良いものを作る」という同社。原口社長の自ら率先して動く行動力と、素晴らしい仲間と一緒に歩んできたCBD事業のプロセスについてインタビューしてきました。

■CANLIFE代表取締役社長/原口孝志
山口大学経済学部経済学科卒業後、住友生命保険相互会社に入社。同社を早期退職し、新型コロナウイルスの蔓延の真只中の2020年5月にCANLIFEを創業。世界で古より使われてきた「ヘンプ」の力、CBDの持つ「健康」への力を確信し、CBD原料販売・OEM・自社ブランド販売を推進している。

CANLIFEの原料調達の苦労と「水溶性原料」のヒミツ

ーー原口さんはこれまで保険会社にいたと聞きました。そこからCBD事業をやろうと思ったきっかけは何だったのですか?

元々は新卒で入社した保険会社で、保険の営業をしていたんです。

日本で支部長、組合や拠点長など様々なポジションや役割を経験させていただき、その後はアメリカへ転勤となりました。アトランタとシカゴに支店を作り、現地法人の社長として取り組んでいましたが、早期退職をして今に至るという形です。

元々健康には興味があって、船井幸雄さんが書いている『「大麻取締法」の真実』を読んでいて、バブル以降この失われた30年を、CBDをはじめとしたヘンプの力で復活させられるのではないかと思い、会社を設立しました。

最初は、どのようなメンバーで始められましたか?

保険会社つながりの何人かが中心となって、CBDは面白そうという話をしていたのが始まりです。金融機関や投資会社、メーカー等は、CBDのみならずヘンプがエネルギーに転換できることを知っていました。

そんな話をしていたところ、アメリカや韓国でCBDを認める動きが出てきて、東京ビックサイト等で開催される展示会に市場調査でいきました。どの程度認知度があるのか、どのような印象を持っているのか、そういったことを調べるには企業から個人まで人が集まる展示会がベストだったんです。

その展示会に来ていた人達にチラシや名刺を配りながら、「CBDは知っていますか?」と3日間ヘトヘトになりながら聞いて回りました。

東京から大阪、福岡など主要な展示会は全て行き調査したので、設立前の準備には充分だった思います。

ーーたくさん経験されたと思うんですが、大変だった出来事を教えてください。

何度目かの展示会でスイス産のCBDを扱うイギリス法人の企業と出会いました。その展示会で水溶性CBDというものに興味を持ちました。当初は水溶性CBDを扱う企業がほとんどなく、その企業が扱うものが初めてだったと記憶しています。

今では弊社も水溶性CBDを扱ってますが、当時、海外で製造される水溶性CBDは含有量が1~2.5%と低く、その割に価格が高いなどハードルが多すぎました。色々検討してた上で商品化が難しい、それなら自社でなんとかするしかない、と国内で水溶化加工に着手しました。

また一般的に流通しているCBDオイルは、CBD自体が脂溶性でオイルにしか溶けないからオイルで販売しているだけなんですが、オイルを飲む習慣がない、舌下吸収も慣れていない日本人には難しいと感じました。

設立当初より飲むものは飲みやすく、塗るものは塗りやすく、そこにどう付加価値をつけるか?など消費者目線で運営して参りましたので商品開発は苦労してると思います。

canlife原口社長の苦労話

ーーユーザーファーストの考えが徹底されてますね…

はい、大事なポイントです。それ以外にも、弊社は原料も扱っていますので、取引先がいかに商品化しやすい金額で卸すかなど、課題が山積みでした。

あと、輸入に関してですが検疫は苦労しましたね。厚生労働省麻薬取締部に書類を提出しても早いときで1カ月、遅いと2か月など審査にかかる期間もまちまちで、OKが出ればやっと検疫に出せる。でも、医薬品ではない証明をして、税関に出して検査をする必要があり、そこでとても苦労しました。

ーーCBD原料もアメリカやタイ、中国などたくさん産地がある中で、どこの原料を選ぶのかも大変ではなかったですか?

スイスを選んだのは、担当者が良かったからというのもあります。担当者は日本人で、その方が元々国連でテロ対策本部、麻薬などの薬物関連の仕事をされていて、大麻などについて詳しく、またきちんと仕事をしてくれていたことも好印象で選びました。

そもそもヨーロッパは食の基準が厳しく、その会社の原料は海外では医薬品メーカーも使っている原料だったので、安全性という意味でも信頼できました。

ーー原料の良し悪しを判断するなかで心がけてたことはありますか?

やはり「その分野の第一人者」や「専門家」の力を借りるのが一番です。もちろん私も業界の勉強は人一倍しますが、専門家には勝てません。その道の第一人者や専門家、大学研究機関と連携し事業に取り組めたことは大きかったと思います。

あとはCBDに詳しい整体師の先生、取引先など皆さんの力を借りながら進めてきました。

特に原料に関しては国内の第三者機関(日本ヘンプ協会)より認定を取ってます。

今のCANLIFEの強みができたのも、彼ら専門家や、取引先に至るまで多くの方の協力があったからこそであり、誰か一人でも欠けていたら難しかったと思います。

ーーCANLIFEさんの強み。何が強みなのかぜひお伺いしたいです。

まず1つ目は、価格ですね。原料の安全性はもちろんですが、儲けることだけを考えずに原材料に対して商品化しやすい適正な価格をつけています。正直利益はほとんどないですが会社が運営出来れば良いので、それよりも世間に認知してもらえればいい、企業が商品化しやすい価格、消費者が購入しやすい価格に落ち着けばいいと思っています。

あと他社はサンプルも「グラムいくら」で販売していますが、本来原料メーカーは数グラムのサンプルは無料です。それにならい我々は契約さえ交わしていれば、基本的にサンプルは無料で提供しています。

2つ目は水溶性CBD原料ですね。以前「CBDジャーニー」という展示会に出展した際、CBDを身近に感じてもらいたくて「CBDラッシー」を提供したら、数多くのお客さんが来てくれるようになりました。

それまでのCBDの味に対するイメージが苦い、不味いだったのでラッシーで払拭できたと思います。

また、CBDに悪いイメージを抱えている方も、ラッシーだと抵抗感も少なく、飲んでみたら「美味しい!」とイメージが良いように変えられたんじゃないかなと思ってます。

ーーぜひラッシー飲んでみたいですね!その原料の良さは何が秘訣なんですか?

企業秘密です(笑)ただ多糖類や化学合成乳化剤を一切使ってないのがポイントです。
あと、溶けやすさもこだわりましたね。以前取り寄せた原料は、水に溶かすと透明なんですけど、実際は溶けていないことが分かったんです。

世界的にみて多糖類や化学合成乳化剤を使用せず水溶化したところは、まだないと思います。味にこだわるなら、どうしてもその二つは使いたくなかったんです。

なお、CBD含有量10%~30%まで販売してますが、一番取扱いが多いのが20%です。価格も含めて商品化しやすいんだと思います。

ーー割合が変わると、味にも変化は出るんですか?

味は特に変わらないです。作る時に他の成分との相性があるので、ボンボン入れればいい、また少なくすればいいっていう話ではないんです。20%の原料で作った時と10%の原料で作った時とで比べると、20%の方が作りやすいというのはあります。

実験に実験を繰り返しながら進めているので、いろいろとアドバイスしながら進められるかなと思います。

爽やかで馴染みやすいCBDブランド「CBD癒し」の誕生秘話

ーー「CBD癒し」という自社ブランドももたれてますよね?

おっしゃるとおりです。日本で売られているCBD商品はオイルやベイプが主流ですが、やはり使い馴染みのない方も多いなと感じていたんです。

じゃあ何だったら日本のお客様に提供できるか?と考えたところ生まれたのが、飲むタイプのCBDカプセル塗るタイプのCBDアロマロールオンです。

CANLIFEはこだわりが強いメンバーばかりで「消費者が納得のいくものを作りたい」という気持ちが強い分、1年間で1種類しか作れてないんですが(笑)

ーーそうなんですね(笑)ただ、そのこだわりがあるからこそ売れているんじゃないかなと思います。ちなみに、いい商品を作るために意識していることはありますか?

既存の商品の“もの足りない部分”を洗い出すところから始まります。健康食品から化粧品まであらゆるものです。その後徹底的に「試す・試作」を繰り返し消費者の意見も聞き、分析試験となります。

弊社はCBDを添加してない類似商品から製品という製品はほとんど買い漁っていて(笑)。香りやテクスチャーを実際に体感して、「これは好き嫌い分かれるだろうな」「これは良いな」良いならどこが良いのか?などを自分たちで勉強しています。日本の製品はもちろんですが、海外の製品も使いましたし、中に入っている成分まで徹底研究しました。

そこから「この処方にしたらいいんじゃないか?」と日々トライアンドエラーして、いまの製品に至るというわけです。

ーー血のにじむような努力ですね…特におすすめの商品があれば教えていただきたいです。

2種類しかないので(笑)全部おすすめですが、アロマロールオンは使ったらすぐに実感できるので良いですよ。カプセルは、飲んですぐに体感があるわけではなく、翌朝体感する人もいれば数日間飲んでやっと体感するなど開きがあるので、まずはアロマロールオンを試してみるのがいいかもしれません。

cbd癒しロールオン

5月下旬発売のミスト(アロマメイクミスト)はシットリしたあとサラッとして、肌が柔らかくなるなど、経験したことのない体感を得られると思います。

ーーこれからも商品が増えていくのが楽しみですね。ちなみに、購入してくださるお客様は、どのくらいの層の方が多いですか?

男性も女性も購入されるんですが、基本的には働く女性の購入率が高いです。ある男性のお客様はよっぽど気に入ってくださったのか、全商品買っていかれた方もいらっしゃいました。

アロマロールオンはけっこう香りがしっかりしているので、CBDというより先ずは香りを気に入って購入する方が多いようです。

ーー男女関係なく好かれる商品、素敵です。これから、ブランドをどのようにしていきたいですか?

CBD癒しシリーズは、これからもアイテムを増やし販売していきたいと思っています。2023年は「女性が使い続けたい」「おすすめしたい」「健康の助けになる」CBDブランドとして三冠獲りましたが、まだまだ満足しておりません。これからだと思っています。

研究熱心で、人情味を感じる原口社長が描く、今後のCBD事業の展望

canlife原口社長の未来

ーーいま原料販売やブランドも行ってますが、今後のCBD事業の展望などはありますか?

そうですね。既存のメーカーさんは自社の製品がありますよね。ビールを扱っている会社であれば、そのビールにCBDを入れるなど付加価値をつけて、馴染みのあるような形にできればいいと思っています。 実は、アルコールとCBDってとても相性がいいんですよ。

健康食品にしても、なんにしても当たり前のように取り入れられるまでは時間がかかりました。CBDも同様に当たり前に取り入れられるようになってくれればと思っています。

それにはCBD事業者以外の参入が望まれます。広くそうなってくれれば良いと思っています。

ーーありがとうございます。最後に、読者の方になにかメッセージはありますか?

ご興味のある方はじゃんじゃん来てください!ノウハウなども全部オープンにするので、ぜひ一緒にやりましょう。

もちろん量に制限はありますが、サンプルもお渡しします(笑)

私は一緒にやっていく仲間が大事だと思っています。当たり前ですが社内だけでなく、協力してくれる企業とも良い関係を築いていき、お互いに協力し情報交換出来ればと思っています。

互いに、知識を高めていかないと変な噂ばっかりになって、業界が広がっていかないと思うんですよね。

一緒に伴走していい商品をつくっていくので、ぜひ一緒にお仕事をしましょう!