CBDは睡眠の悩み、頭の重さ、身体の痛み、ストレスによる不調、イライラや気分の落ち込みといった日常生活で感じる症状へ効果が期待されています。
また、がんや認知症といった、長生きする時代に避けては通れない病気・症状へも効果が期待され、医療分野での研究が進んでいます。
今回、CBD医療の専門家としてお話をお伺いしたのは、宇都宮セントラルクリニックの設立者であり放射線科専門である佐藤俊彦先生です。
長年免疫学を研究されている佐藤先生は、病気の予防には段階があり、生活習慣の改善といった「1次予防」では対処できない部分にアプローチするための「0次予防」という考え方を提唱されていて、その「0次予防」にCBDは効果的だといいます。
野口英世の影響で医師に興味をもった幼少期。DNAへの興味から「免疫」の世界へ。
ーーまず最初に、佐藤先生が医師を目指した理由について教えてください。
私は福島県郡山市の出身で、実は野口英世の生誕地なんですよね。
10歳の頃(小学校の4年生ぐらい)に、学校の読書感想文で野口英世の伝記を読んだんです。さらにその後、野口英世記念館にも行きました。それで医師の仕事に興味を持ちました。
高校生になると、父親に「東大にいくか、医学部に行くかどちらかにしなさい」と言われました。
東大に行って役人になるのは私には難しいと思ったので、それなら医師になる方がいいのかなと思い、医学部に進むことにした、というのが経緯ですね。
またさらにご縁があって、野口医学研究所という法人があり、今ではそこの専務理事もやらせていただいています。
ーーキャリアのスタートに放射線科を選んだ理由はなんですか?
初めは免疫系の仕事をしたいと思っており、中でも自己免疫病などに興味がありました。学生の時にも免疫研究会などを自分で主催していたくらい、「免疫」が好きでしたね。
ところが、当時放射線科に勤めていた先輩医師から「何もできない研究者になるよりも、2年間だけでいいから、きちんと気管支鏡や内視鏡、それに加え画像診断ができるようになった方がいい。その後、本当にやりたい免疫研究をしてもいいのではないか?」と言われました。
それで「2年間だけなら…」と思い放射線科に進みましたが、見事に放射線科にハマってしまいましたね(笑)
ーー学生時代から「免疫」に興味を持っていたのはなぜでしょうか?
「ワトソンの二重螺旋」というものが見つかり、人間の根源はDNAだということがわかったのです。
がんは1960年代までは「栄養による病気」だとされていたので、がんは「遺伝子の病気」だとワトソン博士の研究によってわかったことは、常識を変えた発見でした。
ワトソン博士の二重螺旋、つまりDNAが「人間の設計図」であることがわかり、『分子生物学』は面白いなと思いました。
その分子生物学に深く関わるのが『免疫』だったので、免疫に深く興味を持つようになりました。
免疫学は、人間の根本的な問題を解決する上で非常に重要なので、遺伝子学的なアプローチで免疫を研究していくことは非常に興味深かったですね。
ーーなるほど。がんが「遺伝子の病気」だと分かったことがきっかけだったのですね。
そうですね。あとは現代医学に対する”違和感”もあったと思います。
現代医学は「根本的に病気を治さないような仕組み」になっており、そのおかげで製薬業界で利益が出ている。この「対症療法」的なアプローチを「アロパシー医療」といいます。
100年前に「アロパシー医療」と「ホメオパシー医療」と呼ばれる「根本治療」のどちらを選択するのかという議論があり、その時にフレクスナーレポートによりアロパシー医療が選ばれました。
その時の歴史的選択が、今の医療の問題点、つまり根本的な治療をしない「対症療法」の問題点に繋がっているのだと実感します。
ただ、技術が発展し、再生医療や遺伝子医療などが可能になると、ホメオパシー医療(根本治療)の方に世の中が向かっていくことがわかり、そちらに興味が向きました。
遺伝子医療を研究するにつれて、ホメオパシー医療の大切さに気づくようになりました。
予防にも段階あり。「0次予防」で免疫を向上させることが重要
ーー免疫を高めるために、佐藤先生ご自身が普段からどんなことをやっていますか?
まずは運動ですね。私自身は週2日はパーソナルトレーニングを受けています。
体温を1度あげると免疫力は40%上がるので、体温をあげること、下げないことはいつも意識しています。最近の研究で筋肉は内分泌器官として注目されています。マイオカイン(※)は脳の働きを助け認知症を予防することが分かっています。
※マイオカイン…骨格筋(筋肉)から分泌されるホルモンやペプチドなどの物質の総称
あとは、免疫をあげるための物質(免疫活性物質)を取るのも大事ですね。魚や肉の軟骨に含まれているプロテオグリカンや、きのこに含まれているβグルカンなども積極的に摂取したいですね。βグルカンについては、日本人の食生活が代わり洋食化したことで、きのこを食べる量も減ってきているので意識的に取ることが大切ですね。
CBDも免疫を上げる1つの成分で、私の唱えている「0次予防」でもCBDを推奨しています。
ーー予防にも段階があるんですね。「0次予防」とはどういったものなんですか?
予防も段階を分けて考えられています。
「3次予防」は発症した病気の悪化を防ぐようなもので、リハビリなどがわかりやすい例ですね。「2次予防」というのは、健康診断や人間ドッグにいって病気の早期発見を行うようなことです。
「1次予防」は、食生活を改善したり、運動習慣を取り入れたり、禁煙や禁酒などをすることですね。いわゆる「生活習慣の改善」で、個人が生活の中で意識的に取り組むようなものを指しています。
そういった生活習慣の改善だけでは、完璧には対応しきれないところにアプローチしていくのが私が提唱している「0次予防」です。
具体的には「CBD」「水素サプリ」「幹細胞培養上清液の点滴」を推奨していて、私も普段からやってる予防法ですね。
ーーCBDに、水素サプリに、幹細胞培養上清液。これらをやることにはどんな意味があるんでしょうか?
そもそも、人間の2大ストレスには「重力」と「酸化」があって、その2つに対応することが大切です。
重力については、りんごが木から落ちるように、地球には重力がありますよね。生活しているだけでは全然気づきませんが、体にしっかりストレスがかかっているんです。腰が曲がっているご老人の方がいらっしゃいますが、重力が影響しています。
私もパーソナルトレーニングをしていると言いましたが、運動や筋トレをすることで、重力に耐えられる筋力をつけることが大切です。
そして、CBDや水素にアプローチしてもらうのが「酸化」です。酸化は「身体が錆びること」とも言い換えられます。酸化が進むと、老化して肌にシミやしわができますし、免疫力が低下し、動脈硬化やがんなどの病気を引き起こすやっかいなものです。
ーー酸化によって身体にいろんな悪影響が出るんですね。普段の生活で防ぐ方法はないんでしょうか?
もちろんありますよ。たばこやお酒、過度の運動、紫外線、ファストフードなど普段の生活習慣によって活性酸素は増加するので、なるべく避けるような生活を送るのが大切です。
ただ、生活習慣の改善だけでは対処しきれないのが、難しいところです。
そこで、CBD、水素サプリ、幹細胞培養上清液で対処していくことが重要だと考えています。
水素サプリ・幹細胞培養上清液に並ぶ、0次予防としてのCBD
ーーありがとうございます。佐藤先生はCBDにはどういった期待をしていますか?
CBDが関連するのは「免疫力」です。免疫力の向上にはエンドカンナビノイドシステム(ECS)が関わっています。
ECSはイスラエルの先生が発見したシステムで、CB1とCB2という受容体が人間には存在しており、CB1は中枢神経系に存在しており、リラックス効果やストレス緩和効果があります。
CB2はリンパ球に多く、CBDを取ることでリンパ球を活性化させ、それが免疫系を活性化することに繋がっているのです。
実際に、シカゴ大学の研究では、CBDを摂取していた人と摂取していない人だと、コロナウイルスのPCRの陽性率が12倍違ったという結果も出ています。
ーー佐藤先生が最初、CBDに関心を持ったきっかけはなんですか?
歴史を見てみると
- 戦後にGHQが国内統治に介入してきて、大麻が使われなくなったのはなぜか?
- その一方で、ヨーロッパ・アメリカはどんどん大麻解禁しているのはなぜか?
- アメリカでは鎮痛薬として「オピオイド」を奨励していましたが、鎮痛剤としてなぜ麻薬を使ったのか?
など多くの疑問がありました。
ここ数年だと、タイガーウッズが酩酊状態で車を運転して逮捕されたニュースが話題になりましたが、その原因は彼が腰痛対策で使っていた「オピオイド」でした。
オピオイド中毒は突然死に至るわけですが、このような危険度の高い薬をアメリカ連邦政府は推奨しているのです。
そして、患者が亡くなると、残された家族は地方政府(州ごとの政府)が面倒を見ることになります。
そうなると、地方政府の負担は増えるので、地方政府としては当然オピオイドの使用はやめさせたいと思いますよね。
そこで、「(オピオイドのように)疼痛効果があり、さらに中毒性・依存性・安全性の面でも優れている大麻を使おう」というアメリカ国内の動きが増えました。
実際にアメリカでは、コロナ禍のストレス緩和・感染予防効果の両方のメリットがあることから、ロックダウン中でも(各州の)ディスペンサリーで大麻の販売が許可されていました。
アメリカだと、大麻の種を農家が植えて育てて、花穂で薬を作り、余った部分は農家の取り分とし、それを使って様々な製剤にしていきます。
一次産業で栽培し、二次産業で薬を作り、三次産業でディスペンサリーやインターネットで販売。こうみると、大麻は素晴らしい「6次産業」だと言えます。
ーーアメリカでの大麻の扱いは日本と大違いですね。
そうですね。日本では頑なに大麻が禁止されています。しかし、大麻が禁止されるようになったのは歴史的には最近のことなんです。
戦後にGHQが国内統治に介入してきて、一気に大麻が禁止になりました。
元々、日本の神社ではしめ縄から始まり、火祭りでは大麻を燃やします。いわゆる「御神託が降りてくる」というのは、大麻を燃やすことでカンナビノイド成分を吸うことによって起こると考えられます。
また、戦前には衣服にも大麻が多く使われていました。
万能薬で繊維にも使える大麻は、当時石油で作った化学製品(衣服やアロパシー医薬品)を日本の市場に売り込みたいと考えていたGHQにとって邪魔な存在だったのかもしれませんね。
健康面への影響で規制されたわけではなく、政治的な理由で規制されたと考えられます。
ーーたしかに、さまざまな思惑がありそうですね。
逆にいえば、大麻には健康面で様々なメリットがあることを知り、その中でも使いやすいCBDに注目するようになりました。
ーーCBDが広がっている背景にはどんなことがあると考えていますか?
現代は「末法の世」だと考えています。末法思想というものがあり、簡単にいうと釈迦滅後の時代を、「正法」「像法」そして「末法」の3つに区分する仏教史観です。
そして現代は「末法の世」。これは様々な問題が起き、救い難い時代であることを指します。
まさに現代は「パンデミックの到来」「戦争の勃発」「大地震などの天災発生」「長期に渡る経済不況」など、100年に一度の大ストレス時代だといえます。
そうなると、当然ストレスによって免疫が損なわれたり、精神疾患になったりしますよね。そんな時に活躍するのがCBDです。
CBDは、ストレス緩和にも免疫向上にも役立つので、疲れ切った人々にとって大変嬉しいものだと思います。
今から100年前をみると、「三陸沖大津波の発生」「ハレー彗星による地球滅亡論などデマの流行や社会混乱」「第一次世界大戦の勃発」「世界恐慌による大不況」など、まさに現代の社会不安と似ています。
ーー現代と共通点が多いですね。
このように、100年に一度の時代の変わり目では「天災」やそれに伴う「人災」が起こるわけですが、その中でも人類は生きていかなければならない。
100年前の当時、大麻はその辺の道端にも生えていたので、人々は日常の中で大麻を薬草として使っていました。
そう考えると、当時の人は知らず知らずのうちに現代よりも多くの量のCBDやTHCを摂取していた可能性はありますね(笑)
大麻は葉っぱを食べても効果があります。昔は大麻を天ぷらにして食べていました。熱を加えるとカンナビノイド成分が活性化されるので、天ぷらにするのは理にかなってますね。
ーーCBDをおすすめしたいのはどんな方ですか?
一つはうつ病ですね。
うつ病には、元々「セロトニン仮説」というものがありました。これは『うつ病は脳内のセロトニンの減少により引き起こされる』という仮説です。
そこでよく投与されるのが「パキシル」という薬で、これはセロトニンを増やしてくれます。
セロトニン仮説が正しければ、パキシルを飲めばうつ病に効くはずなんですよね。しかし実際には効かない。ということは、セロトニン仮説自体が正しくない可能性があります。
最近、うつ病の疑いがある方については、「PEA」という血中にある物質を測るようになりました。このPEAと1対1で対応するのが「アナンダミド」というエンドカンナビノイド物質です。このアナンダミドがCB1受容体を刺激して、幸福感をもたらしてくれます。
リン酸アナンダミドが分解されて、PEAとアナンダミドになるので、『血中のPEA濃度が低い=アナンダミド(幸福物質)が少なくうつ病になってしまう』という新しい学説も出てきています。
そして、このアナンダミドを増やすためにCBDを取れば、抑うつ状態が改善することがわかってきました。
これまでセロトニン仮説を信じて疑わなかった方々も、(パキシルなどの)薬が効かない事実を受け、「徐々にセロトニン以外がうつの原因なのではないか」と思い始めています。
うつ病=カンナビノイド欠乏症である、という考え方が徐々に広がってきましたね。
ーー他にはCBDはどんな方におすすめでしょうか?
慢性疼痛、てんかん、アレルギー性疾患、がんですね。
ーー実際に患者にCBDを投与して、症状が緩和された症例があれば教えてください。
印象深かった症例で言うと、うつ病で休職していた人が、CBDを舌下投与することで復職できるようになりました。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)という、歩行中に足腰に激痛が走り歩けなくなってしまう症状が出てしまっていた人も、CBDを試すうちに段々よくなりました。
他には喘息・てんかんなどの症状が緩和された方もいましたね。
CBDサプリメントの監修もされている佐藤先生の想い
ーー佐藤先生はCBDサプリメントの監修もされていますよね。監修しているCBDサプリメントのこだわりについて教えてください。
サプリメントは、体感できることが重要だと思っています。体感を得るには一定量の摂取が必要なので、15%の濃度にしました。濃度が高いと、少ない量でCBDをたくさん取れるんですよね。
また、日本で流通しているCBDには「アイソレート」と「ブロードスペクトラム」がありますが、私はアントラージュ効果を期待しているのでブロードスペクトラムが良いと思っています。
しかし、本音をいうと、大麻は天然の植物なので、なるべく「大麻全体の成分を摂取するのが良い」と考えています。
ただ、抗酸化に絞った話だと、CBDだけでもある程度いけると思っています。なのでCBDアイソレートから始めてみて、体感があまりなければブロードスペクトラムに変えるのでも良いかなと思います。
ーー抗酸化物質自体はたくさんある中で、CBDが優れていると思う点はありますか?
カンナビノイド受容体(CB1受容体・CB2受容体)は、ほぼ全ての臓器に存在しています。
ということは身体中のあらゆる臓器が、CBDや他のカンナビノイド成分を欲しがっているともいえます。
全身にカンナビノイド受容体があるからこそ、CBDを摂取すると多くの疾患や不調に対して効果があるのだと思いますね。
抗酸化としての作用にくわえて、全身に作用してくれるという意味で、CBDは非常に優れた物質だと考えています。
ーーCBDには本当に大きな可能性があるということですね。サプリメントはどんな人が使うのがおすすめですか?
このサプリメントは、自分が使ってみても体感できるので、幅広い人におすすめできると思います。睡眠に関する悩みを抱えていたり、日々ストレスを感じている方は一度使ってみるといいと思います。
ーー最後に読者へメッセージをお願いします。
私は重力と酸化に対応することが、病気の予防・免疫向上に不可欠だと考えています。
そのためには、生活習慣の改善といった「1次予防」だけでは不十分で、その手前の「0次予防」でアプローチすることが重要だと考えています。
「0次予防」を実現するためのものとして、CBDは非常に優れています。
ぜひ、皆さんの生活に取り入れてみてもらえると嬉しいです。