CBDベイプなどを肺で吸い込んで摂取する時に、むせたり、咳き込んだりすることがあります。
静かな場所で急に咳き込んだりすると目立ちますし、病気に感染しているのではないかと疑われることもあるため、なるべくむせないように吸うという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、CBDベイプを吸うときにむせる理由や、むせないようにする方法、CBDベイプの危険性などを説明していきます。
CBDの危険性や、安全に使う方法については、こちらの記事もご覧ください。
→ CBDやCBDオイルに危険性はあるの?
CBDを吸うとなぜ咳き込むの?咳き込む3つの理由
CBDベイプを吸うと、咳き込んだり、のどが痛くなったりすることがあります。
CBD自体が自分には合わないのではないかと不安になりますよね。なぜベイプを吸うと咳やのどの痛みが起こるのか原因を探ってみましょう。
1.CBD以外の成分が影響している
CBDを吸ってむせるのは、CBD自体が問題だと思う人もいるかもしれませんが、原因の多くはCBDではありません。
問題となる成分は、ヘンプ植物のCBD以外のカンナビノイドやテルペン、その他CBDリキッドに含まれている防腐剤や溶剤などが咳の原因になることがほとんどです。
たとえば、ヘンプ植物の成分であるテルペンは、のどを刺激して咳を起こす可能性のある物質として知られています。フルスペクトラムやブロードスペクトラムの製法で作られた製品は、テルペンを含んでいるため、吸うときに咳き込む可能性が高いです。
また、CBDリキッドに防腐剤として含まれているプロピレングリコールや、植物性グリセリンは、アレルギーを起すこともある物質でもあります。
全ての人がこれらの物質に対してアレルギーを起こすわけではありませんが、アレルギー体質の人など一部の人が、これらの物質を吸ってしまうと、気道にアレルギーを起こし、咳き込んだりのどが痛くなったりすることがあります。
2.のどの乾燥や脱水が影響している
CBDを吸うときに咳き込んでしまう原因は、のどの乾燥や脱水によって引き起こされている可能性もあります。
CBDの吸入は、ベイプによって作られる空気中の水分や蒸気を吸い込んで行います。
湿気を感じるので、のどは乾燥せず、逆に水分によって潤うのではないかと思う人も多いのではないでしょうか。
理論上はそうなのですが、CBDリキッドの希釈剤として含まれているプロピレングリコールに、のどの水分を吸い取る性質があるため、のどは脱水状態になり乾燥してしまうのです。
のどが乾燥することにより、結果的に咳やのどの痛みを起こしやすくなります。
3.ベイプで発生する煙の量が多すぎる
CBDリキッドなどをベイプで吸うときに、ベイプから発生する煙の量が多いために、むせてしまうこともあります。
ベイプから発生する煙の量は、タバコなどとは比べ物にならないほど多いと言われています。
そのため、煙を吸いきれずに咳き込んでしまうのです。
実は、タバコを何箱も吸っているヘビースモーカーさえも、CBDベイプを初めて吸うとむせてしまうこともよく起こります。
CBDベイプの煙の量がどれほど多いのかが想像できるのではないでしょうか。
CBDを吸うことに慣れてしまえば、それほどむせなくはなりますが、慣れるまではほとんどの人が咳き込んでしまう可能性が高いです。
4.健康上の問題が原因のこともある
呼吸器系の疾患を患っている人は、CBDの蒸気を吸うときに咳き込んでしまうことがあります。
たとえば喘息を患っている人は、肺から吸う煙がアレルギーを起こして、咳を誘発させる可能性があります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)を患っている人は、気道や肺などの呼吸器に障害がすでに起こっているため、煙を吸うと咳が出やすいです。
もし、健康上の問題が原因で咳が起こっている場合は、病気の悪化につながる可能性があるので、すぐにCBDを吸うのを止めてください。
CBDを吸うときにむせるのを防ぐ4つの方法
CBDを吸うときにむせるのを防ぐにはどのようにすればよいのでしょうか。4つの方法を紹介します。
1.CBD純度の高いCBDリキッドを選ぼう
先ほど、咳やのどの痛みは、ヘンプ植物の成分であるCBD以外のカンナビノイドやテルペンが原因になっていることがあると説明しました。CBD以外のカンナビノイドやテルペンが入っている製品ほど咳が起こりやすくなるということです。
フルスペクトラムやブロードスペクトラムの製法で作られた製品には、カンナビノイドやテルペンが含まれています。そのため、ベイプを吸うときに咳き込む可能性が高くなります。
一方で、CBDの純度が99.9%で作られているアイソレートという製品には、CBD以外のカンナビノイドもテルペンも含まれていないので、咳やのどの痛みが起こる可能性が少ないです。
テルペンなどが原因で咳が起こっている場合は、CBD純度の高いアイソレートの製品を選ぶとよいでしょう。
2.プロピレングリコール(PG)や植物性グリセリン(VG)不使用のCBDリキッドを選ぼう
多くのCBDリキッドの希釈剤として使われるプロピレングリコール(PG)や植物性グリセリン(VG)は、アレルギーを起こしたり、のどを乾燥させたりして、咳やのどの痛みを起こす原因となる場合があります。
CBD製品の中には、「プロピレングリコール不使用」のCBDリキッドもあります。
PGやVGが不使用のCBDベイプを選べば、むせるのを防げる可能性はあります。
3.煙を吸いすぎないようにする
CBDベイプから発生する煙の量の多さが、咳の原因になることもあることは先ほど説明しました。このことから、吸い方を少し工夫することで、咳き込まないようにすることもできます。
たとえば煙を思いっきり吸わず、ゆっくり吸ったり、短く吸ったりしてみてください。そうすることで、身体の中に入ってくる煙の量を調節し、咳を防ぐことができます。
他にもさまざまな吸入方法を試してみてください。どのように吸えば咳き込まなくて済むかが感覚的に分かってくるでしょう。
4.ベイプの吸入に慣れるまで待ってみる
むせないような製品を選んだり、吸い方を工夫したりしてもむせてしまう場合には、吸入に慣れるまで待ってみるというのも一つの方法です。肺から吸うことでの咳き込みやのどの痛みは、慣れによって治まることがほとんどだからです。
データでは、36.9%の人が一週間以内に咳やのどの痛みの症状が現れますが、そのうちの75%の人は一か月以内に慣れて症状がなくなっています。
ただし、呼吸器系の疾患や、CBDリキッドに含まれている成分にアレルギーなどがある人は、吸い続けていると症状の悪化のリスクがあるため、吸入を中止することを考えるべきです。
しかし、そうでない限りは慣れるまで待って様子をみると良いでしょう。
CBDベイプの使用はおすすめしない
CBDベイプの問題は、吸うときにむせることだけではありません。実はCBDベイプ自体に身体に悪影響を与える危険性があります。そのため、NECARAではCBDベイプの使用はおすすめしていません。
CBDベイプの使用をおすすめしない3つの理由について解説します。
1.CBDが加熱・気化して吸引すると危険性がある
ロズウェル・パーク総合がんセンターが行った研究によると、加熱・気化したCBDを吸入すると、ニコチンをベイプするよりも肺を損傷するリスクが高いことが報告されています。
蒸気にしたCBDを吸入すると、局所病変の数と重症度の増加、炎症の増加、酸化ストレスの増加などが確認されたと同時に、ニコチンよりも多くの肺好中球を死滅させたことと、多くの人小気道上皮細胞にダメージを与えたことも報告されました。
バッファロー・ジェイコブス大学医生物医科学部医学部准教授であるビジェイ・アイヤー医学博士は、CBDを吸入すると肺と心臓に悪影響を与え、それが肺疾患や心疾患に発展する危険性があると指摘しています。また、CBDベイプが肺の内壁を刺激することで、血管を良好に保って血圧を下げている一酸化窒素の生成能力が損なわれ、その結果血圧が上昇するリスクもあります。
また、アイヤー博士はCBDベイプで損傷した肺組織が治っていくときにできる結合組織にも問題があると述べています。結合組織が蓄積すると空気の流れをシャットダウンしてしまう可能性があるのです。これをポップコーン肺(閉塞性細気管支炎)といいます。ポップコーン肺は一度なってしまうと治りません。呼吸がしにくくなり、咳や息切れ、ゼーゼーするなどの症状が悪化する進行性の病気です。
さらに、CBDベイプで吸入摂取をすると免疫機能が低下するという研究結果も出ています。CBDを経皮摂取や舌下摂取で摂取すると、免疫アップや健康をサポートする効果が期待できますが、CBDをベイプで吸引することで正反対の結果になる恐れがあります。
2.PG・VGを加熱・気化して吸引すると危険
CBDリキッドに含まれるプロピレングリコール(PG)や植物性グリセリン(VG)を加熱・気化して吸引すると健康を害する恐れがあります。
PGやVGは食べても安全な化合物ですが、高熱で熱せられるとカルボニルという毒性の高い発がん性物質に変化することが知られています。PGが発がん性があることは厚生労働省も認めています。
また、2010年の論文では、空気中に漂うPGを吸い込むと、喘息、湿疹、アレルギー症状を引き起こしたり、症状を悪化させたりすることが示唆されました。
CBDだけでなく、CBD製品に入っている他の成分を吸入することでも健康被害が高まるのです。
3.実際に健康被害や死亡事例が報告されている
CBD自体は安全性の高い成分であることが証明されていますが、CBDベイプ製品を吸うことで実際に健康被害や死亡事例が報告されています。
東京都の消費者生活センターには、CBDベイプを使用して舌に刺激を感じる、頭痛がする、気分が悪くなるなどの健康被害が何件も報告されています。また海外の報告では、2019年3月から2020年2月までに少なくとも68人がベイプを吸ったことが原因の肺損傷で死亡していると発表しています。
CBDベイプには、ビタミンEアセテートやプロピレングリコールなどの添加物が含まれている場合があります。これらの成分は加熱すると毒性化する性質があるため、死亡事故などを起こしやすいと考えられています。
アメリカで報告された死亡事故の中には、実際にビタミンEアセテートなどの毒性が原因で起きたものもあります。
海外の研究では、51人の電子タバコ製品使用関連による肺損傷の患者のうち48名にビタミンEアセテートが検出されたのに対し、健康な被験者からはビタミンEアセテートは検出されなかったという結果が出ました。ただし同じ研究では、ビタミンEアセテートだけが病気の原因になるわけではなく、ベイプ製品に含まれる他の物質が原因で健康を害する可能性も否定できないということも強調しています。
より健康になることを期待してCBDを摂取しているのに、そのCBDで健康が損なわれては意味がありません。多くの危険性があるCBDベイプの使用はなるべく避けることをおすすめします。
CBDむせるに関するよくある質問
Q.CBDを吸うときになぜ咳き込んでしまうのですか?
CBDを吸うときにむせてしまうのは、大きく分けて4つの原因が考えられます。
・CBDリキッドに含まれているカンナビノイドやテルペンなどの成分に咳を引き起こす作用がある
・プロピレングリコールや植物性グリセリンという物質がのどを乾燥させる
・ベイプで発生する煙の量の多さでむせてしまう
・もともと喘息やCOPDなど呼吸器系の疾患を抱えてる
これらが原因として考えられます。
Q.CBDを吸っても咳き込まない方法はありますか?
次のことを実践すると、CBDを吸入するときに咳き込むのを防ぐことにつながります。
・テルペンやCBD以外のカンナビノイドが含まれていないアイソレートのCBDリキッドを選ぶ
・プロピレングリコールや植物性グリセリン不使用の製品を選ぶ
・ゆっくり、短く吸うなど煙が大量に身体の中に入らないような工夫をしながら吸う
・吸入摂取に慣れる
ただし、CBDベイプは、それ自体に身体に悪影響を与える危険性があるため、CBDの吸入はおすすめしません。
Q.プロピレングリコールや植物性グリセリンが入っていない製品の方が身体に良いですか?
たしかにCBDベイプの防腐剤として入っているプロピレングリコール(PG)や植物性グリセリン(VG)は、肺に吸い込むことでアレルギーやのどの乾燥を招く原因になります。
また厚生労働省はプロピレングリコールの発がん性についても認めています。
しかし、CBDベイプに含まれる危険な化合物はPGやVGだけではありません。
気化したCBDやビタミンEアセテートなど他の含有化合物も、肺や心疾患、免疫低下、発がん性などを起こす危険性があると報告されています。海外ではCBDベイプによる死亡事故も起こっているので、極力CBDベイプは吸引しないようにしてください。