ヘンプオイルの効果とは?CBDオイルと何が違う?摂取方法も解説

ヘンプオイルやヘンプシードオイルといった名前の商品が販売されているのを見たことはないでしょうか。

ヘンプとは麻のことです。ヘンプオイルと聞くと麻の成分であるCBDを連想し、「ヘンプオイルとCBDオイルは同じものなのではないか」と思ってしまっている人も多いかもしれません。

ヘンプオイルとCBDオイルは別の物です。どちらも産業用ヘンプから抽出されたものですが、含まれている成分や使い方、期待される効果などが違います。

ヘンプオイルは、ヘンプの種(ヘンプシード)から抽出されたオイルです。

「ヘンプオイル」という名前の他に、「ヘンプシードオイル」、「麻の実油」という名前でも販売されていて、食用の油や、保湿化粧品の材料などとして使用されています。

「ヘンプオイルをずっとCBDオイルだと思って摂取していた」というようなことがないように、ヘンプオイルの効果についてやCBDオイルとの違いを知っておきましょう。

今回はヘンプオイルの効果、ヘンプオイルとCBDオイルの違い、ヘンプオイルとCBDオイルのどちらがおすすめなのかについて解説していきます。

目次

ヘンプオイルに期待される7つの効果

ヘンプオイルにはさまざまな栄養素が含まれています。中でも注目すべきなのは多価不飽和脂肪酸であるオメガ6とオメガ3とビタミンEなどの抗酸化物質です。多価不飽和脂肪酸や抗酸化物質を摂取することによってどのような効果が期待できるのでしょうか。

ヘンプオイルに期待される7つの効果について解説していきます。

1.心臓疾患の予防

ヘンプオイルを摂取すると、心臓病の予防効果が期待できます。

2002年のカナダの保健省による研究では、食事中の動物性の食品やパーム油などに含まれている飽和脂肪酸の一部を植物性の不飽和脂肪酸であるオメガ6に置き換えた実験が行われました。

その結果、オメガ6に置き換えたグループの人の総コレステロール値と悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロール値が有意に低下したことが報告されました。

ヘンプオイルには、オメガ6が含まれています。カナダで報告された研究結果から、ペンプオイルを摂取することでコレステロールが原因で起こる心臓疾患の予防に役立つことが考えられます。

また、オメガ6系の脂肪酸であるγリノレン酸は炎症を軽減する作用があるとされています。

2006年に行われた海外の研究では、γリノレン酸が抗炎症作用を持つことが示唆されました。

ヘンプオイルに入っているγリノレン酸の作用により、炎症が原因で発症するタイプの心臓疾患も予防することが期待できます。

ただし、今まで行われたいくつかの研究において、オメガ6を大量に摂取すると乳がんや前立腺がん、結腸がんなどのリスクが増える可能性があるという結果も実は出ています。

しかし、2020年の海外の研究などでは、オメガ6を摂取することによりがんへのリスクがごくわずかに増加する可能性はあるものの、心疾患に対するメリットを考えるとオメガ6を無理に避ける必要はないという専門家もいます。

ヘンプオイルの一日の摂取量の目安は10g(大さじ一杯弱)になっています。油の摂りすぎは便秘などさまざまな問題にもつながるため、適度に摂ることが大切です。

2.免疫力を高める

ヘンプオイルは免疫力をアップする効果が期待できます。

ヘンプオイルに含まれるオメガ6とオメガ3は、免疫力を高めるために必要な必須脂肪酸であるとされています。また、オメガ3は免疫系の遺伝子を活性化させる作用があるともいわれています。

3.ホルモンバランスを整える

ヘンプオイルは、ホルモンバランスを整える効果があるといわれています。

2008年の海外の研究では、ヘンプオイルに含まれているγリノレン酸がホルモンバランスを整え、月経痛などのPMS症状を改善する可能性があることが報告されました。

また、閉経期の女性のホルモンバランスを改善し、更年期障害の症状であるホットフラッシュやイライラ、憂鬱などの症状を軽くする効果があるともいわれています。

4.抗炎症効果

ヘンプオイルには炎症を抑える効果が期待できます。

2006年に行われた海外の研究において、γリノレン酸に抗炎症効果があることが示唆されました。

ヘンプオイルの抗炎症効果は、関節炎その他の炎症性の疾患の改善線維筋痛症の治療などに役立つのではないかと期待されています。

5.抗酸化作用によるアンチエイジング効果

ヘンプオイルには、ビタミンEなどの天然の抗酸化物質が豊富に含まれているため、身体の酸化を予防することによるアンチエイジング効果が期待できます。

特に紫外線によってダメージを受けたり、コラーゲンが減ったりした皮膚の老化防止には、ヘンプオイルのような抗酸化物質の摂取が重要だといわれています。

また、ヘンプオイルに含まれている不飽和脂肪酸には、肌のダメージを修復して若々しくふっくらした肌に導く作用があるとされています。

ヘンプオイルに含まれたさまざまな成分を摂取することで、老化を遅らせることが期待できます。

6.肌の保湿効果

ヘンプオイルには、保湿効果が期待できます。空気中の水分を吸収して閉じ込めることで肌の潤いを保つことができるといわれています。

年齢を重ねることで肌の保湿力は失われていきますし、乾燥肌は老化をさらに加速させます。

ヘンプオイルで肌を保湿できれば美肌を保つことに繋がるでしょう。

7.消化の改善効果

消化の改善とヘンプオイルについての具体的な研究はまだ行われていません。しかし、ヘンプオイルに含まれるオメガ3には、消化や潰瘍性大腸炎、クローン病などの消化管の炎症を軽減する効果があるといわれています。

また、2017年の海外の研究では、オメガ3が腸内フローラを調節し、善玉菌を増やしたことが報告されました。

これらの研究から、ヘンプオイルは消化機能を改善できる可能性があると考えることができます。

購入時に注意しよう!CBDオイルとヘンプオイルは別物!

CBDオイルとヘンプオイルは違うものです。しかし、CBDがヘンプから抽出している成分であることから、ヘンプオイルと聞くとCBDオイルのことなのではないかと思ってしまう人も少なくありません。

ヘンプオイルとCBDオイルは全く別のものだということを知ってください。そのうえで購入しようとしている商品がCBDオイルなのかヘンプオイルなのかを見分けるようにしましょう。

値段に注目

一般的にCBDオイルの値段はヘンプオイルよりも高く設定されています。価格が安すぎるなと感じたら、ヘンプオイルかもしれないと思ってみるとよいかもしれません。

しかし、中にはCBDオイルのように高価格で販売されているヘンプオイルもあります。そのため、価格が高いからというだけでそれがCBDオイルだと判断しないようにしましょう。

成分表示を確認

CBDオイルにはCBDが何ミリグラム、または何パーセント入っているのかがパッケージなどに記載されています。

CBDオイルを購入したいときには必ずCBDが入っていることを成分表示で確認してください。

商品によっては、CBDオイルのように見えてもCBDが入っていないヘンプオイルのこともありますし、逆に商品名はヘンプオイルなのに、ヘンプシードオイルとCBDの両方が混合されているCBDオイルもあります

商品の見た目や名前だけで選ばず、成分表示をしっかり見ることが大切です。

CBDオイルとヘンプオイルって何が違う?5つの違いを解説

CBDオイルとヘンプオイルは違うものですが、具体的にどのような違いがあるのか、5つの違いについて見ていきましょう。

1.商品としての形態が違う

ヘンプオイルとCBDオイルは、商品としての形態が全く違います

ヘンプオイルは、ヘンプの種(ヘンプシード)から抽出されたオイルです。それに対してCBDオイルはヘンプから抽出したCBDをオイルに溶かしたもののことをいいます。

2.含まれている成分が違う

ヘンプオイルとCBDオイルは含まれている成分が違います

ヘンプオイルにはCBDが全く含まれていない、もしくは含まれていたとしてもごくわずかです。そのため、ヘンプオイルには、CBDのようなエンドカンナビノイドシステム(ECS)※を活性化することで期待される健康・治療作用はありません。
※ECSとは、体内の環境を一定に保とうと調節する恒常機能のこと。細菌やストレス、不安、炎症、痛みなどにさらされても、回復し生きていけるのはECSが働いているからだと言われている

しかし、その代わりにヘンプオイルには以下のような健康に良いといわれるさまざまな栄養素が豊富に含まれています。

・オメガ6とオメガ3
・ビタミンE
・カロテン
・フィトステロール
・リン脂質
・カルシウム
・マグネシウム
・硫黄
・カリウム
・リン
・鉄
・亜鉛

一方、CBDオイルには商品によって濃度の違いはあるものの、もちろんCBDが主成分として含まれています。また、CBDを溶かすキャリアオイルとしてMCTオイルやココナッツオイルなども入っています。

中には、ヘンプシードオイルをキャリアオイルとして使っているCBDオイルもあります。

フルスペクトラムやブロードスペクトラムのCBDオイル製品には、CBDの他にCBD以外のカンナビノイドやテルペン、フラボノイドなどの化合物も含まれています。

3.効果の種類が違う

ヘンプオイルとCBDオイルは、期待できる効果の種類が違います

ヘンプオイルの効果は、ヘンプオイルに含まれるオメガ6やオメガ3、ビタミンEなどの栄養素の働きによるものです。

それに対して、CBDオイルの効果はCBDがECSを活性化することで身体の恒常性を高めた結果あらわれると考えられています。

CBDに期待される健康・治療効果は数多くあります。たとえば以下のような効果が期待できます。

・リラックス・不安軽減作用
・眠りの質を高める作用
・抗てんかん作用
・痛みや炎症の緩和作用
・自律神経を整える作用
・心臓疾患の予防効果
・アンチエイジング効果

ヘンプオイルと共通する効果も多いですが、眠りの質を高める効果や抗てんかん作用などCBDオイルだからこそ期待できる効果も目立ちます

4.医薬品との相互作用の有無

CBDオイルとヘンプオイルは医薬品との相互作用の有無に違いがあります。

CBDオイルは、ある特定の医薬品と一緒に摂取すると相互作用を起こす可能性があることが知られています。CBDとの相互作用で医薬品の効果が必要以上に強くなってしまったり、医薬品の分解を遅らせてしまったりするかもしれません。

そのため、今服用している医薬品がある人は、CBDを摂取する前に医師や薬剤師にその医薬品がCBDと相互作用が起こす医薬品なのかどうかを確かめてもらう必要があります。

一方でヘンプオイルは、医薬品との相互作用は報告されていません。医薬品を服用している人でも気軽に摂取できるのが特徴です。

5.摂取方法に違いがある

ヘンプオイルとCBDオイルは摂取方法に違いがあります。

ヘンプオイルは食用として使われるため、そのまま口に入れて飲むこともできますし、調理用の油と同じように使うこともできます。中には、ヘンプオイルでドレッシングを作って摂取するという人もいます。

CBDオイルもそのまま口に入れて飲むことができますが、CBDの吸収率を上げるため、舌の裏側にある太い血管から直接CBDを吸収する方法で摂取するのが一般的です。これを舌下摂取といいます。また、CBDオイルはヘンプオイルのように熱に強くないため、調理用の油としては使えません

ヘンプオイルとCBDオイルはどちらがおすすめ?

ヘンプオイルとCBDオイルのどちらを購入したらよいか迷ってしまう人もきっといますよね。一体どちらのオイルの方がおすすめなのでしょうか。

もし調理用に使いたいなどの目的がなく、生活の質の向上を目的として摂取するのであればCBDオイルをおすすめします。

CBDオイルにもヘンプオイルにも健康効果が期待されていますが、ヘンプオイルに期待されている効果は、CBDオイルにも期待できます。またCBDオイルだからこそ期待できるヘンプオイルにはない効果も数多くあることから、CBDオイルの方がお悩みの症状に効く可能性が高いかもしれません。

どちらか迷ったら、CBDオイルを選んでみてください。

まとめ

ヘンプオイルにはさまざまな栄養素が含まれており、心臓疾患の予防、免疫力の強化、ホルモンバランスの調整、抗炎症効果、アンチエイジング効果、肌の保湿効果、消化改善効果などが期待されています。

CBDオイルとヘンプオイルは全くの別物です。CBDオイルを購入する際は、成分表示や価格を確認しCBDが主成分として含まれていることを確認しましょう。

CBDオイルとヘンプオイルの違いは、主に5つあります。商品としての形態、含まれている成分、効果の種類、医薬品との相互作用の有無、摂取方法が違います。

ヘンプオイルとCBDオイルの購入に迷ったら、CBDオイルを選んでみてください。ヘンプオイルに期待されている効果は、CBDオイルにも期待できますし、CBDオイルだからこそ期待できる効果が数多くあるからです。

ヘンプオイルに関するよくある質問

Q.ヘンプオイルにはどのような効果がありますか?

ヘンプオイルには、オメガ3、オメガ6などさまざまな栄養素が含まれており、心臓疾患の予防免疫力の強化ホルモンバランスの調整抗炎症効果アンチエイジング効果肌の保湿効果消化改善効果などが期待されています。

Q.ヘンプオイルとCBDオイルは別物ですか?

ヘンプオイルとCBDオイルは別物です。ヘンプオイルにCBDは含まれていませんし、含まれていたとしてもごくわずかです。そのため、CBDのようなECSを活性化することであらわれる健康・治療効果は、ヘンプオイルには期待できません。

Q.ヘンプオイルはどうやって使えばいいですか?

ヘンプオイルは食用として使われるため、そのまま口に入れて飲むこともできますし、調理用の油と同じように使うこともできます。中には、ヘンプオイルでドレッシングを作って摂取するという人もいます。

またヘンプオイルの局所的な効果を期待して、ヘンプオイルを直接髪の毛や爪皮膚などに塗りこんだり、関節の痛みなどを和らげるためにマッサージオイルとして使ったりすることもできます。

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

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