CBDは耐性がつく?効かなくなる2つの理由と6つの対処法を解説!

CBD(カンナビジオール)は、様々な健康・治療効果があると期待されている大麻草の成分です。

大麻草の成分と聞くと、人をハイにさせる作用があり、違法な成分なのではないかと不安になる人もいるかもしれません。しかし、CBDは所持や使用をしても合法で、人をハイにさせるような精神作用は一切ないことが分かっています。また、副作用があまりなく、安全性の高い成分であることも証明されています。

大麻草の成分で人をハイにさせる作用があるのは、THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分です。THCは、日本で所持や使用をすると大麻取締法違反になります。

CBDもTHCも同じ植物から抽出されるため混同されがちですが、性質も構造も全く違います。CBDは、安全性の高さや、期待される多くの効果が注目され、今世界中の人がCBDを生活に取り入れ始めています。

しかし中には、「最初はCBDが良く効いて体調が良くなったけれど、最近は変化がなくなってしまった」とCBDの効果について悩んでいる人もいます。そのようなことが起きると、CBDはずっと摂取していると耐性がついて効かなくなるのではないかと不安になってしまうのではないでしょうか。

この記事では、CBDに耐性がつくのかについて説明していきます。また、CBDが効かなくなってしまった理由やその対処法についても取り上げていきます。

CBDの効果持続時間や基本的な摂取方法については、こちらの記事もご覧ください。
CBDの効果が持続する時間は?摂取方法やタイミングによる違いも解説

目次

耐性とは?どうして起こるの?

耐性とは、医薬品やサプリメントを服用していると身体が慣れてきて、最初に体感した効果が弱まってしまうことを言います。

一般的に知られている耐性が起こる医薬品に、ベンゾジアゼピン系抗不安薬があります。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、睡眠薬や安定剤としてよく使われる薬です。もし服用したことがある方であれば、「最初は1錠で眠れていたのに、長期間使用した結果、2錠飲まないと眠れなくなってしまった」という経験もあるのではないでしょうか。

耐性は、ホメオスタシス(恒常性)と呼ばれる、体内の環境を一定に保とうと調節する機能によって起こります。

医薬品や食べ物などの身体にとっての異物が体内に入ってくると、身体はできるだけ異物の影響を受けないように、医薬品などの作用に鈍感になろうとします。その結果、以前と同じ用量では効かなくなるという耐性が付いた状態になるのです。

耐性が起こると、常用している医薬品やサプリメントの用量が、時間が経つにつれてどんどん増えてしまうという問題が起こります。果たしてCBDにも耐性が付くのでしょうか。

CBDは耐性が付いて効かなくなる?

CBDには耐性がつかないと考えられています。

2011年の海外の研究では、CBDに耐性がつかないことが報告されています。※1

また、WHOもCBDは耐性がつかないと報告しています。

今までの報告から考えると、CBDを長期に渡って摂取しても、耐性が原因で効果が弱くなってしまうことはないと言えます。

しかし、実際にはCBDを使っていたら効果をあまり感じなくなってしまったという声や、CBDを含む医療大麻を使っていたら耐性ができたという報告もあります。

耐性がつかないと言われているCBDの効果が弱まるとはどういうことなのでしょうか。

CBDが効きにくくなったかも…?可能性のある理由と6つの対処法

CBDに耐性がつかないと考えられている一方で、CBDを使っていて実際に効果が弱くなってしまったと感じている人もいるかもしれません。その理由と対処法について考えていきます。

CBDの効果を感じづらくなる2つの理由

CBDが効きにくくなってしまったと感じる理由は2つ考えられます。

1.CBDの効果に慣れてしまったから

CBDの効果が弱くなっていると感じている理由の一つは、CBDの効果に慣れたことが関係している可能性があります。

CBDの効果がなくなってしまったのではなく、効果が出ているのにもかかわらず、CBDの効果を感じづらくなってしまっている状態です。

体調が悪い時にCBDを摂取すると、CBDの健康効果を感じやすいです。そのため、体調がみるみる良くなっているように感じる人もいるでしょう。

しかしCBDを摂取し続けて、すでに体調が良くなっていると、身体がCBDの効果に慣れて体調の変化を感じにくくなります。

その結果、CBDの効果が弱まってしまったと感じることがあります。

2. 当初の目的が変わってしまったから

CBDを続けて摂取していると、気付かないうちにCBDを摂取する目的が当初の目的と変わっていることもあります。

たとえば当初は、ただ眠れるようになりたいという目的だったのが、体調が改善した結果、今は睡眠の質自体も良くしたいという目的に変わっているかもしれません。

目的が変われば適切な用量や、製品も変わってきます。当初の目的に合った製品や用量で摂取していると、今の目的に合わず、効果を感じなくなってしまうかもしれません。

CBDの効果を感じづらくなったときの6つの対処法

CBDの効果が弱まってしまったと感じる理由を踏まえて、6つの対処法を紹介していきます。CBDの効果を感じなくなってしまったと悩んでいる人は、ご自身の状態に合う対処法を試してみてください。

1. CBDの摂取を1週間くらいやめてみる

CBDの摂取を1週間ほどやめてみることで、また効果を感じられるかもしれません。

CBDの効果に慣れてしまう理由の一つは、CBDが身体に蓄積するという特徴を持っているからだと考えられます。身体の中にCBDがたまっている状態が続くことによって、CBDの効果に身体が慣れてしまうのです。

CBDの摂取を1週間ほどやめてみると、身体の中からCBDがなくなり「慣れ」が解消します。そのあと、CBDをまた摂取し始めると、感覚がリセットされて以前の様に効果を感じやすくなることがあります。

ただし、CBDをやめている一週間の間に、体調が思わしくなくなってしまったと感じることがあるかもしれません。これはCBDの効果を感じなくても、実は効いていたという証拠です。

そのような場合には、一週間たっていなくてもCBDをまた摂取し始めてください。CBDを摂取すれば体調は元に戻るでしょう。

2. CBDの濃度や摂取量を上げてみる

CBDの濃度や摂取量を上げてみると、効果をもう一度感じられるようになりやすいです。

もし今の目的効果が当初の目的と違っているなら、適切なCBDの用量も変わることがあります。CBDの濃度や摂取量を上げてみることで、今の状態に適切な量を見つけやすくなります。

たとえば、1日5滴CBDオイルを摂取しているとしたら、6〜7滴にして様子を見て下さい。1週間様子を見てそれでもまだ効果を感じなければ、8〜9滴にしてみると良いでしょう。

効果を感じ始めた時の用量が、今の目的に適切な用量ということになります。

3. 他のメーカーの商品に変えてみる

他のメーカーの商品に変えるだけでも、CBDの効果を体感しやすくなることがあります。

CBDの濃度が同じ商品でも、メーカーによって使っている大麻草が違うため、含まれているCBD以外の成分の配合が微妙に変わります。

配合されている成分が変われば、アントラージュ効果(※)の作用も違ってくるため、体感が変わる可能性があるのです。

※アントラージュ効果とは、CBDのようなカンナビノイドと、テルペンやフラボノイドといった他の複数の植物原料と合わせて摂取することで、本来のカンナビノイドの効き目がより高まる効果(相乗効果)のこと

また、製品を変えてみたということが脳を刺激し、改善効果を感じやすくすることも考えられます。製品のメーカーを変えることで、改善効果を再び感じることがあるので試してみてください。

4. 他の摂取方法も試してみる

他の摂取法を試して、吸収率を変えてみるという方法もあります。

CBDは同じ濃度の製品を摂取しても、摂取法によって、身体に吸収されるCBDの量が変わります。

たとえば、CBDグミを食べて摂取する場合には、吸収率は6〜20%ですが、グミを舌の下に置いて溶かして摂取すれば、吸収率は13〜35%に上がります。吸収率が上がることで効果が高まることが期待できます。

また、摂取法を変えることで新鮮さを感じ、改善効果を感じやすくなるかもしれません。ずっと同じ方法で摂取して効果がなくなったと感じている場合は、他の摂取法を試してみましょう

5. 複数のCBD商品を一緒に使ってみる

体感を感じやすくするために、複数のCBD商品を一緒に使ってみるというのもおすすめできます。

たとえば、眠る目的でCBDオイルを使っていて、これから睡眠の質も効率よく向上させたいという場合は、今まで使っていたCBDオイルに加えて、リラックス効果のあるCBDのバスボムも使ってみると良いかもしれません。

眠る前に身体をリラックスさせることによって睡眠の質が上がることが期待できます。

複数のCBD商品を使うことで、体感しづらくなっていた改善効果を再び感じることができるようになるのではないでしょうか。

6. CBDの保管方法を見直してみる

CBDオイルの保管方法を見直すというのもとても重要です。

CBDは空気に触れることや、日光や熱などで成分が分解してしまう可能性があります。成分が分解してしまうと、効果が減ったり、なくなってしまったりします。そのため、時間のたったCBD製品を使うと効果がなくなってしまったと感じるかもしれません。

有効成分を長持ちさせるためにも適切な方法で保管しましょう。適切な方法で保管すれば、1年ほどは品質を保つことができます。

CBD製品の適切な保管方法は、パッケージや説明書に書いてありますのでチェックしてみて下さい。

CBDとTHCの耐性の違い

THCは耐性がつく

CBDの多くの専門家は「CBDには耐性がつかない」と示唆しています。しかし、海外の報告ではCBDを含む医療大麻などを服用して耐性が起きてしまったという事例もあります。

CBDとTHCが20:1で含まれている抽出物(海外ではTHCが合法の国もあります)をてんかんの小児患者に使った結果、25%の患者が耐性を起こしたことが発表されました。※2

これは、CBDに耐性がついてしまったということなのでしょうか。

このてんかんの患者が、医療大麻に対してなぜ耐性を起こしてしまったかは明らかになっていません。しかし、使われた医療大麻にTHCが含まれていたことが耐性が起こった理由の一つかもしれません。

THCはCBDと違い、耐性を起こす成分であることが分かっています。THCを摂取し続けることで、身体がTHCの作用に鈍感になり、体感できるTHCの作用が弱まってしまうのです。

しかし、日本ではまだカンナビノイドの医薬品は利用できないため、海外で使用している場合の話なのでほとんどの方には当てはまらないでしょう。

CBDとTHCで耐性に違いが出る理由とは?

CBDとTHCは同じ大麻草から抽出される成分なのに、THCに耐性がついてCBDに耐性がつかないという差が出るのはなぜなのでしょうか。

それは、CBDとTHCの身体への作用機序が違うことが理由として考えられます。

CBDとTHCはそれぞれ効果は違うものの、どちらもECSに作用して効果があらわれる点では同じです。

ECSとは、CBDをはじめとするカンナビノイドを活用して、体内の環境を一定に保とうと調節するホメオスタシス(恒常性)に働きかける一連の流れのことを言います。

CBDがECSに働きかけることで、健康を維持したり、治療に役立ったりすることが期待されています。THCはECSに作用した結果、精神活性や鎮痛効果などの作用があると考えられています。

CBDとTHCの作用機序の違いは、ECSに作用する方法です。

THCは、CB1受容体(※)に結合することでECSに作用します。それに対して、CBDはCB1のようなカンナビノイド受容体に結合するのではなく、エンドカンナビノイド(※)が分解されるのを防ぐことでECSを活性化していると考えられています。

※CB1受容体とは、THCのような植物性のカンナビノイドや、体内で作られるエンドカンナビノイドが作用するたんぱく質のこと
※エンドカンナビノイドとは、体内で作られるカンナビノイドのことで、ECSを活性化する作用がある

耐性は、体内の受容体が医薬品や食品を異物だと認識することで起こります。CB1受容体に結合するTHCとは違い、CBDは直接CB1受容体に結合しません。そのため、身体がCBDを異物であると認識しづらく、耐性が起きないと言われています。

CBDの逆耐性現象とは?

CBDには耐性ではなく、「逆耐性現象」が起きることがあるということも示唆されています。

逆耐性現象とは、耐性とは真逆で、CBDの作用を体感するための用量が少なくなることを言います。つまり、CBDを使っているとより少ない用量で、以前と同じ効果を体感できるようになることがあるということです。

ちなみに多くのCBDの専門家は、CBDの逆耐性現象はCBDがカンナビノイド受容体に直接結合しないために起こると考えています。

CBDに起こる逆耐性現象からも、CBDが耐性を起こす可能性が低いということが分かるのではないでしょうか。

CBDと耐性についてよくある質問

Q.CBDは耐性がついて効果が薄れてしまうことはありますか?

CBDには耐性がつかないと言われています。長期に渡って摂取しても効果が薄れてしまうことはないと考えられるでしょう。

ただし、製品の中にTHCなどが含まれていると耐性がつくこともあります。CBD製品を選ぶ際には、製品の検査結果をよく見るなどして、高品質で信頼できる製品を選んでください。

Q.CBDが効かなくなってしまいましたが、なぜでしょうか?

CBDが効かないと感じてしまっている理由は、CBDを摂取する目的が変わってしまった可能性があります。もし今の目的がCBDを摂取し始めた当初の目的と少しでも変わってきているのなら、適切な用量や製品も変わっているかもしれません。

今の目的に合う製品や用量を見つけられると、再びCBDの効果を感じることができるようになります。

Q.睡眠薬に耐性がついてしまい、CBDに変えたいのですが問題ないでしょうか?

睡眠薬に耐性がついてしまったとすると、長期に渡って睡眠薬を服用していたということが考えられます。長期間服用していた睡眠薬を急に中断してしまうと、何日も眠れなくなったり、動悸がしたり、幻聴が聞こえたりする離脱症状が起こる可能性が高いです。

離脱症状を防ぐためには、服用している睡眠薬を少しずつ減らして中止していく必要がありますが、自己判断では減らさないようにしましょう。安全に薬を中止できるように、必ず主治医に相談してください。また、その時にCBDに切り替えたいということも伝えてください。

【参考資料】

※1 Safety and Side Effects of Cannabidiol, a Cannabis sativa Constituent
※2 Patients with epilepsy may develop tolerance to CBD-enriched oil

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

目次