CBDは、その安全性の高さに加え、リラックス作用や眠気を起こす作用、炎症の緩和作用、痙攣の改善作用など、さまざまな健康・治療効果があることも期待されています。CBDを摂取することで、日々感じている不快な症状を緩和し、生活の質の向上ができると期待して、CBDオイルを試してみた人も多いのではないでしょうか。
ただ、CBDオイルは正しく使わないとその効果を体感しづらいものなんです。
今回は、CBDオイルの使い方について解説していきます。正しい使い方を知ることで、CBDの効果を体感しやすくなったり、より安全に摂取できるようになったりします。CBDオイルを使い始める前にぜひ一読ください。
CBDオイルの使い方
CBDオイルには3つの摂取方法があります。
舌下から摂取する
CBDオイルの摂取法の中で、一番おすすめの方法は、舌下からの摂取です。舌下からCBDオイルを摂取することで全身への効果が期待できます。
CBDオイルを舌下から摂取する時は、まず舌を上に持ち上げて下あご(舌の下)にCBDオイルを付属のスポイトで滴下します。このときスポイトの先が見えにくいため、スポイトの位置が分かりづらかったり、何滴滴下したか分かりにくかったりして、最初は摂取しにくいと感じるかもしれません。
スポイトの位置が分かりづらい場合は、慣れるまで鏡を使いながら摂取することをおすすめします。数回摂取していると鏡を使わなくてもスポイトの位置が感覚で分かるようになります。
何滴滴下したか分かりにくい場合は、スポイトのどの位置までCBDオイルを取り出せば、自分の一回分の用量になるのか覚えておきましょう。そうしておけば、いちいち滴数を数えながら摂取しなくても一回分の用量を一度に摂取することができます。
CBDオイルを滴下したら、舌の裏側をCBDオイルにつけるようにして1〜2分ほどキープします。そうすることで舌の裏側の太い血管からCBDオイルを吸収させることができます。
CBDオイルの吸収が終わったら、口の中に残ったCBDオイルは飲み込んでください。
口から飲み込む
CBDオイルを口から飲み込んで摂取する方法もあります。経口摂取も全身への効果が期待できます。
口の中にCBDオイルを必要分滴下して、飲み込む方法です。ただし経口摂取は、舌下摂取のように直接血管に吸収させているわけではないため、舌下摂取に比べて吸収率も低いですし、効果の発現時間も遅いです。
CBDオイルを効果的に摂取する場合は、やはり舌下摂取がおすすめです。
肌に塗る
肌や頭皮、筋肉などへ局所的な効果を期待する場合は、CBDオイルを直接肌に塗って使うことがあります。
肌に塗る摂取方法を経皮摂取といいます。経皮摂取の方法は、CBDオイルを効果を期待する皮膚の部位に塗るだけです。肌に塗られたCBDオイルは、皮膚の毛穴から吸収されます。
経皮摂取は舌下摂取や経口摂取と違い、CBDが全身の血液に入るわけではないため、全身への効果は期待できません。経皮摂取は、塗布した場所においてのみ効果が期待できます。足の痛みや肌のニキビなど、局所的な効果が必要な場合には経皮摂取がおすすめです。
CBDオイルは経口摂取よりも舌下摂取!舌下摂取をおすすめする2つの理由とは?
CBDオイルの摂取方法で舌下摂取がおすすめな理由は2つあります。
1.吸収率が高いから
舌下摂取と経口摂取を比べると、舌下摂取の方が吸収率が高いためおすすめです。
CBDオイルを経口摂取すると、CBDオイルは血管に入る前に肝臓を通過することになります。肝臓は、身体に入ってきた薬や毒を分解する臓器です。CBDオイルが肝臓を通ると、医薬品と同じように一部が分解されてしまうため、血管に入るCBDが減ってしまいます。
舌下摂取は、舌の裏側の太い血管から直接CBDオイルを吸収させることができます。つまり、肝臓を通過しなくてもCBDオイルが血管に入ることができるということです。そのため、舌下摂取は経口摂取に比べて吸収率が高いです。
舌下摂取の吸収率は13〜35%、経口摂取の吸収率は6〜20%です。
吸収率が高い方法で摂取すれば、効果を体感しやすくなります。経口摂取をしても効果を感じなかったのに、舌下摂取をしたら効果が体感できたという例もあります。
2.効果が早く出るから
舌下摂取と経口摂取を比べると、舌下摂取の方が効果の発現時間が早いためおすすめです。
CBDオイルを経口摂取すると、CBDオイルが食道、胃、小腸、肝臓などを通ってから血管に入ります。
舌の裏側の太い血管から直接CBDオイルを吸収することができる舌下摂取と比べると、経口摂取は血管に入るまでにかなり時間がかかることが分かりますよね。
CBDオイルや医薬品の効果は、血管に入ってからあらわれるものなので、経口摂取をすると効果があらわれるまでに時間がかかってしまうということになります。
舌下摂取の効果の発現時間は、15分〜1時間、経口摂取の場合は、30分〜2時間です。
効果の発現時間が早ければ早いほど、CBDオイルを摂取すべき時間の計算がしやすいですし、急に効果が必要な時にも対応しやすいです。そのため、経口摂取よりも舌下摂取の方が使いやすいといえます。
CBDオイルの摂取量
CBDオイルは医薬品とは違い、適切な用法用量が決まっているわけではありません。人によって、適切な用法用量が違うのです。
どのように自分にとっての適切な用量をみつけるのか、どのくらいまで用量を増やせるのかについて解説していきます。
自分にとっての適切な用量の見つけ方
まず一日のCBD摂取量の目安として次の表を参考にしてください。
体重 | CBD量 |
20~39kg | 9~15mg |
40~68kg | 12~18mg |
69~108kg | 18~27mg |
109kg以上 | 22.5~45mg |
ただし、上の表は目安です。CBDオイルは、同じ体重の人でもCBDの必要量が変わってくることがあるため、目安の量から自分にとっての適切な量を探していくことが必要です。
たとえば、CBDオイル3%を体重50kgの人が使い始める場合は、3%のCBDオイルを何滴滴下すればCBD量12〜18mgになるかを計算します。
3%のCBDオイル1滴にはCBDが約1.2mg含まれているので、一日10〜15滴から始めてみると良いという計算になります。
1日10〜15滴で試し、効果が体感できない場合は、1滴ずつ増やして様子を見ていきます。また、逆に効果が強いと感じた場合は、1滴ずつ減らしていきましょう。
効果が適度に感じられる量が、自分にとっての適切な用量です。
過剰摂取が心配?どのくらいまで量を増やせる?
自分にとっての適切な用量になるまで増やすといっても、「増やし過ぎて過剰摂取になるんじゃないの?」、「どのくらいまで量を増やせるの?」と心配になる人もいるのではないでしょうか。
海外の文献では、1日1,500mgのCBDを摂取しても、健康上は問題ないとされています。
1,500mgのCBDはいったいどのくらいの量なのでしょうか。たとえば、3%のCBDオイルが10mlのボトルで販売されていたとします。1本のボトルに入っているCBD量は、300mgなので、1,500mgのCBDを服用するとなると、一日に5本のボトルを飲み干すという計算になります。
CBDオイルのボトルを一日で飲み干すということはまず考えられないので、1,500mgのCBD量を超えて摂取することは現実的ではないですよね。スポイトで数滴増やす程度では、過剰摂取にはならないので、効果が体感できないときは安心して量を増やしてみるといいでしょう。
CBDオイルはいつ摂取すべき?
CBDオイルは、基本的には効果の発現を期待する時間帯の15分から1時間前に摂取してください。タイミングにもよりますが、できれば食後に摂取できると、副作用の予防にもつながります。
副作用を予防するためには食後摂取がおすすめ
CBDオイルは、安全性が高く、副作用が起こっても軽度なものということが知られています。軽度な副作用の中には、胃の不快感や下痢、吐き気などがあります。
空腹時にCBDオイルを摂取すると、これらの副作用が起こる確率が高くなります。特に胃腸が弱い人は副作用が起こりやすいため、食後の摂取がおすすめです。
ただし、睡眠の質を上げるためにCBDオイルを服用したい場合や、不安の軽減などのために頓服で摂取したい場合は、わざわざ食後に合わせて摂取する必要はありません。効果を期待する時間帯の15分から1時間前が摂取のベストタイミングといえます。
CBDオイルは食後摂取で吸収率が上がる?
CBDは脂質と一緒に摂取すると吸収率が上がるので、食後に摂取すべきという意見もあります。CBDオイルは、食後に摂取した方が吸収率が良くなるのでしょうか。
たしかに2019年の海外の研究では、CBDカプセルを高脂肪食と一緒に摂取すると、最高血中濃度が14倍、吸収率が4倍も上がったことが報告されています。
この結果を見ると、CBDオイルは食後に摂取した方が良いのではないかと思いますよね。しかし、この研究では、CBDオイルではなくCBDカプセルが使われていることに注目してください。
CBDオイルは、もともとキャリアオイルというMCTオイルやココナッツオイルにCBDが溶かされた状態で作られています。そのため、食事の脂質と一緒に摂取しなくても、キャリアオイルがCBDの吸収率を上げてくれると考えられるのです。
CBDカプセルなどオイルに溶かされていない製品の場合は、食後の摂取をおすすめしますが、CBDオイルの場合は、食後でも空腹時でもCBDの吸収率はさほど変わらないといえるでしょう。
CBDオイルを使うにあたっての注意点
持病などがあり、今既に服用している医薬品がある人がCBDオイルを使うときは注意が必要です。
CBDには肝臓の代謝酵素を阻害する作用があると言われています。肝臓の代謝酵素は、医薬品などを代謝し、身体の外に出すためのものです。
CBDで肝臓の代謝酵素が阻害されてしまうと、服用している医薬品の代謝が遅れ、医薬品が必要以上に長く身体の中に留まることになります。その結果、医薬品の作用が強く出過ぎたり、今まであらわれなかった副作用が出たりして、身体に害をおよぼしてしまうことになりかねないのです。
今服用している薬がある人は、CBDオイルを摂取し始める前に、医師や薬剤師にCBDオイルと服用している医薬品が相互作用を起こさないかどうかよく確認しておいてください。
多くの保険薬局は今、「かかりつけ薬剤師制度」を設けています。かかりつけ薬剤師制度に登録しておくと、病院で処方されている薬だけでなく、ドラッグストアで購入した薬やサプリメントなどの相互作用も薬剤師が管理してくれます。医師には聞きにくい質問もできますし、CBDについても相談しやすくなるのでおすすめです。
もし、CBDオイルと相互作用を起こす医薬品を服用している場合は、医薬品の服用を優先してください。医薬品の服用を止めたい場合は必ず医師に相談しましょう。
CBDオイルの使い方についてよくある質問
Q.CBDオイルはどうやって使えばいいですか?
全身への効果を期待する場合は、舌下からの摂取がおすすめです。
CBDオイルを舌下から摂取する時は、まず舌を上に持ち上げて下あご(舌の下)にCBDオイルを付属のスポイトで滴下します。CBDオイルを滴下したら、舌の裏側をCBDオイルにつけるようにして1~2分ほどキープします。CBDオイルを舌から吸収し終わったら、口の中に残ったCBDオイルは飲み込んでください。
ニキビの改善や足の痛みの軽減など、局所的な効果を期待する場合は、経皮摂取がおすすめです。経皮摂取の方法は、CBDオイルを効果を期待する皮膚の部位に塗るだけです。肌に塗られたCBDオイルは、皮膚の毛穴から吸収されます。
Q.CBDオイルは1日にどれくらい摂取すればいいですか?
CBDオイルは医薬品とは違い、適切な用法用量が決まっているわけではありません。たとえば体重40〜68kgの人の場合は、CBD量として1日12〜18mgを目安に摂取してみて下さい。
効果が体感できない場合は、1滴ずつ増やして様子を見ていきます。また、逆に効果が強いと感じた場合は、1滴ずつ減らしていきましょう。
効果が適度に感じられた量が、自分にとっての適切な用量ということになります。
Q.CBDオイルを摂取しすぎてしまいました。摂り過ぎるとどうなりますか?
海外の文献では、1日1,500mgのCBDを摂取しても、健康上は問題ないとされています。
たとえば、3%のCBDオイルが10mlのボトルで販売されていたとすると、1本のボトルに入っているCBD量は、300mgです。1,500mgのCBDを服用するとなると、一日に5本のボトルを飲み干すという計算になります。
CBDオイルのボトルを一日で飲み干すということはまず考えられないので、1,500mgのCBD量を超えて摂取することは現実的ではないと思ってください。スポイトで増やした程度では摂取し過ぎにはならないため、過剰に心配する必要はありません。