CBDやCBDクリームは肩こりに効果的?おすすめの製品の選び方

CBDやCBDクリームは肩こりに効果的?

一日の中で長時間、パソコンやスマホを使うことが多い今、肩こりは現代病となっています。

肩こりは、肩の筋肉がこわばって痛みやだるさ、疲労感などを感じる症状のことです。
誰にでも肩こりの症状は起こり得ますし、マッサージなどをすればすぐに治ることも多いことから、肩こりを深刻に捉えている人はあまりいないのではないでしょうか。

しかし、肩こりは実は万病のもとになるもので、悪化すると深刻な事態を招きかねません。

症状が酷くなると頭痛や吐き気などを引き起こして、毎日の生活に支障をきたすこともあります。
さらに症状が悪化し、肩や首が凝り固まってしまうと、リラックスに必要な神経である副交感神経の働きを悪くします。
その結果、めまいや慢性疲労症候群、うつ症状などに発展してしまうこともあるのです。

様々な健康・治療効果が期待されているCBDは、現代病である肩こりを改善する作用はあるのでしょうか。

この記事では、CBDの肩こりへの効果やCBDを肩こりに使ったほうが良い理由、肩こりに使うCBD製品の選び方などを説明していきます。

CBDの効果や副作用の内容については、こちらの記事をご覧ください。
→ CBDの効果や副作用とは?効果を感じない場合の対処法も紹介

目次

CBDとは?

CBDとは、カンナビジオールと呼ばれる大麻草に含まれている成分の一つです。

大麻草から抽出される成分ではありますが、CBDには人をハイにする作用や中毒を起こす作用は一切なく、安全性の高い成分であることが証明されています。

ちなみに人をハイにする作用があり、大麻取締法によって規制されている大麻の成分はTHCという成分です。
THCとCBDは全く異なる成分ですので間違えないようにしてください。

CBDについて今世界中の人が注目しているのは、CBDの健康・治療効果です。

CBDを使って健康維持をしている人もいますし、医薬品の代わりにCBDで持病を治療している人もいます。
また、一般的な治療で改善しない病気の症状をCBDで軽減している人もいるなど、様々な人たちがCBDの効果の恩恵を受けています。

CBDは肩こりに効く?CBDの肩こりに対する2つの効果とは?

CBDは、肩こりの症状に効果があると考えられています。肩こりに対するCBDの2つの効果を見ていきましょう。

1.肩こりの痛みと炎症を緩和する作用

CBDは、肩こりの症状である痛みや炎症を軽減させる効果があると考えられています。

2012年にCBDと炎症・痛みに対する研究が海外で行われました。
この研究結果によると、CBDは、炎症を軽減する内因性アミノ酸(グリシン)に作用することにより、炎症を鎮める効果を持つ可能性があると報告されました。※1

また、CBDは神経系の損傷の痛みや慢性的な頭痛、首、背中の痛みを軽減するとともに、予防効果が期待できることも伝えられました。

2018年にはCBDとエンドカンナビノイドシステム(ECS)(※)について海外研究が行われました。
この研究結果において、CBDはECSを活性化することにより炎症を軽減させることができ、結果的に慢性的な痛みを緩和する効果が期待できると結論付けています。※2

※ECSとは、体内の環境を一定に保とうと調節する機能のこと。
細菌やストレス、炎症、痛みなどにさらされても、回復し生きていけるのはECSが働いているからと言われている。

以上の二つの研究結果から、CBDは肩の痛みや炎症を軽減することで、肩こりの辛い症状を和らげることができると考えられます。

2.副交感神経を活性化して肩こりを軽減する作用

CBDは、副交感神経を活性化することで肩こりの症状を軽減することが期待できます。
副交感神経と肩こりの関係性や、CBDの副交感神経への効果を説明していきます。

自律神経の乱れは肩こりの悪循環につながる?

肩こりは、無理な姿勢を続けることで起こることが知られていますが、ストレスや自律神経の乱れが肩こりに繋がっていることが非常に多いと言われています。

自律神経には活動時の神経と言われる交感神経と、リラックス時の神経と言われる副交感神経があります。
ストレスによって交感神経が優位になり、副交感神経の働きが弱まると、血液循環が悪くなって肩こりが起こります。

ストレスがかかる状態をそのままにしておくと、症状はさらに深刻になります。
肩こりの症状が続いたまま放っておくと、凝り固まった首の筋肉が副交感神経に負担をかけ、余計に副交感神経を働きにくくしてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

その結果、血液循環がさらに悪化して肩こりの症状も悪化します。
また、副交感神経が働きづらくなることによって、うつ症状やめまいなどの精神疾患も発症しやすくなります。

CBDは副交感神経を活性化する

CBDは、脳内のセロトニン受容体(※)やGABA受容体(※)に作用することにより副交感神経を活性化する作用があると考えられています。

※セロトニン受容体とは、幸福ホルモンと呼ばれているセロトニンの刺激を受けてセロトニン作用を伝達するたんぱく質のこと
※GABA受容体とは、神経や脳をリラックスさせる働きがあるGABAの刺激を受けて、GABA作用を伝達するたんぱく質のこと

2020年のCBDと脳についての海外の研究では、CBDが脳内の5-HT1Aというセロトニン受容体に作用し、活性化することが報告されました。※3

2017年のCBDとGABAについての海外の研究では、CBDがGABA受容体に作用し活性化することが示唆されました。※4

5-HT1Aというセロトニン受容体やGABA受容体は刺激されると、副交感神経を活性化する作用を示します。

つまり、CBDはセロトニン受容体やGABA受容体を刺激することで、間接的に副交感神経を活性化すると考えられるのです。

副交感神経を活性化することにより血液循環が良くなり、肩こりの症状が緩和することが期待できます。
また、肩こりによって起こるめまいやうつ症状などの精神疾患症状の軽減にも役立つと考えられるでしょう。

CBDを肩こりに使ったほうがいい理由とは?

一般的な肩こりの治療法と言えば、処方せんや市販で買うことができる抗炎症の湿布剤を肩に貼ったり、抗炎症の塗り薬を塗ったり、もしくはカイロプラクティックなどのマッサージや理学療法を受けたりすることが考えられます。

肩こりの症状が酷い場合には、ステロイドや麻酔などの注射剤を使ったりすることもあるでしょう。

これらの肩こりの治療とCBDとを比べた時、CBDを肩こりに用いることの利点は何が考えられるのでしょうか。

まず抗炎症剤やカイロプラクティックなどは、一時的な肩こりの症状の緩和しか期待できません。
それに対してCBDは、炎症を緩和する内因性のアミノ酸やECSを活性化することにより、慢性的な痛みや炎症に対して効果があるとされています。

理学療法は、慢性的な痛みに対して効果があるかもしれませんが、症状を緩和するまでには、数週間から数か月かかる場合も少なくありません。
また、ステロイドや麻酔の注射剤は、副作用が問題視されますし、何より治療中にかなりの痛みや苦痛を伴います。

CBDを肩こりに対して使用する利点は、

  • 慢性の痛みに効果があると考えられていること
  • 即効性の効果が期待できること
  • 摂取する時に痛みや苦痛を伴わないこと
  • 中毒性がなく副作用もほとんどないこと

などが挙げられるでしょう。

肩こり解消したい人におすすめな3つのCBD製品の選び方

肩こりにCBD製品を使う際のCBD製品の選び方について見ていきましょう。
製品を選ぶ際に注目すべき点は、3つあります。摂取方法、製法、商品の特徴です。

1.肩こりにおすすめの摂取方法とは?

CBD製品の摂取法には、全身作用のある経口摂取、舌下摂取、吸入摂取と、局所作用のある経皮摂取があります。
肩こりに対してはどのようなCBD製品を選べばよいのでしょうか。

全身作用のあるCBD製品も、もちろん肩こりを緩和する効果が期待できますが、単独でCBD製品を使うのなら、直接肩の炎症を起こしている部分に塗布できる経皮摂取のCBD製品をおすすめします。

油に溶けやすいCBDは、人間の皮膚や毛穴から吸収されやすいため、CBDを肩に塗布すると首や肩の筋肉に速やかに吸収され、こわばりや炎症、痛みなどを効果的に緩和することが期待できます。

2.肩こりにおすすめのCBD製品の製法とは?

CBDの製法には、フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートの3つの製法があります。

フルスペクトラムとは、CBDを抽出する際に、大麻草(ヘンプ)の化合物をすべて抽出して製造されたCBD製品のことです。
CBDだけでなく、THCや他のカンナビノイドも含まれていますし、テルペン、フラボノイドと呼ばれる500種類以上の成分も含まれています。

ちなみに、フルスペクトラムの製品にはTHCが検出される物の他に、THCが未検出レベルの大麻草から作られたTHCフリーのフルスペクトラムの製品もあります。
THCが検出されるCBD製品は、日本では違法ですが、THCフリーのフルスペクトラムの製品は日本でも合法で購入することができます。

ブロードスペクトラムとは、フルスペクトラムの製品からTHCだけを取り除いた製品のことを言います。

アイソレートとは、大麻草からCBDだけを抽出して作られたもので、CBDの純度が99%以上になっている製品のことです。

この中で肩こりにおすすめの製法は、ブロードスペクトラム、またはTHCフリーのフルスペクトラムの製品です。これらの製法で作られた製品には、数種類のカンナビノイドやテルペン、フラボノイドが含まれているため、アントラージュ効果(※)が期待できるからです。

※アントラージュ効果とは、CBDのようなカンナビノイドと、テルペンやフラボノイドといった他の複数の植物原料と合わせて摂取することで、本来のカンナビノイドの効き目がより高まる効果(相乗効果)のこと

アントラージュ効果によってCBD単独の効果を高めることができるため、肩こりに対する抗炎症・鎮痛効果が体感しやすくなることが考えられます。

3.肩こりにおすすめの商品の特徴とは?

先ほど、肩こりには経皮摂取がおすすめだとお伝えしました。
インターネットやドン・キホーテの店舗内では、様々な経皮摂取のCBD製品が販売されていますので、どの商品を選択すべきか迷ってしまうのではないでしょうか。

ご自身が使いやすそうなもので、症状に合いそうな製品を選ぶのが一番ですが、参考までにおすすめのタイプの製品を紹介します。

手を洗うなどの手間をかけたくないということでしたら、ロールオンのCBD製品がおすすめです。
このタイプの製品は、手が汚れないことや、持ち運びに便利なこと、いつでもどこでも気軽に使えることがメリットとなるでしょう。

中には、ひやっとした感覚を与えるメントールや痛みを麻痺させる作用のあるリドカインが入っている製品もあります。

広い範囲に痛みを感じている場合は、バームやクリームタイプのCBD製品がおすすめです。
手でマッサージするように塗っていくので浸透しやすく、即効性や持続性が高いのが良いところ。
また、ロールオンで起こりやすい液だれの心配もありません。

肩こりとCBDによくある質問

Q.CBDは肩こりに効きますか?

CBDは、炎症や痛みを抑える作用や、副交感神経を活性化することにより、血液循環を改善して肩こりの症状を緩和する作用があると考えられます。

また、副交感神経を活性化することは、肩こりによって崩れがちになっている自律神経の乱れの改善にもつながります。

Q.肩こりが酷いのですがどのようなCBD製品を選べばよいですか?

肩こりにおすすめのCBD製品は、肩に直接塗布できるタイプです。
直接塗布することによって集中的な効果が期待できます。

製法はブロードスペクトラム、またはTHCフリーのフルスペクトラムの製品を選ぶと、肩こりへのより高い効果が期待できるでしょう。

肩に塗布できる製品の種類は多数ありますが、ロールオンタイプかバームやクリームタイプの製品がおすすめです。
手軽に使いたい場合には、ロールオンタイプ、広範囲に使う場合や、即効性や持続性を求める場合には、バームやクリームタイプのCBD製品を使ってみてください。

Q.CBDを肩こりに使用するメリットは何ですか?

市販の薬やカイロプラクティックなどは、肩こりへの効果が一時的なのに対して、CBDは、慢性の痛みに効果があると考えられています。

理学療法で肩こりを解消するにはそれ相応の時間がかかりますが、CBDは即効性が期待できるということ、また、肩こりに使うステロイドや麻酔の注射のように、CBDは摂取するのに苦痛を伴わないということも利点として挙げられます。

【参考資料】
※1 Cannabinoids suppress inflammatory and neuropathic pain by targeting α3 glycine receptors
※2 Cannabinoid Receptors and the Endocannabinoid System: Signaling and Function in the Central Nervous System
※3 Cannabidiol Acts at 5-HT1A Receptors in the Human Brain: Relevance for Treating Temporal Lobe Epilepsy
※4  The direct actions of cannabidiol and 2-arachidonoyl glycerol at GABA A receptors

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

目次