大麻草の成分であるカンナビノイドといえば、CBDとTHCが有名ですね。
しかし、大麻草のカンナビノイドは他にも多く存在します。
大麻草には約150種類のカンナビノイドが含まれていると言われており、それぞれが独自の構造や作用特徴を持っています。
CBDとTHC以外で最近よく知られるようになったカンナビノイドにCBNという成分があります。
CBNも日本で合法であり、リラックス効果が高いため仕事の休憩時や寝る前などにサプリメントとして活用する人が増えています。CBNを摂取してもハイになることはなく、依存性や離脱症状もないため、誰でも安心して使えるというメリットがあります
この記事ではCBNに焦点を当てるとともに、CBDとの違いや似ている点などについても取り上げていきます。
CBNの基本的な情報については、こちらの記事をご覧ください。
→CBNとは?違法・危険じゃないの?効果や使い方を紹介
CBNとは?
CBN(カンナビノール)とは、大麻草の成分であるカンナビノイドの一つです。
CBNは、CBDやTHCのように大麻草にもともと含まれている成分ではなく、THCが熱や紫外線、酸素、温度などにさらされて分解した結果、生成されます。
つまり、大麻草が古くなるにつれてTHCがCBNに変化していくのです。
大麻草から抽出できるCBNは1%未満と非常に少ないため、CBNはレアカンナビノイド(希少カンナビノイド)とも呼ばれています。
CBN製品を作るためには大量の大麻草が必要になるため、CBN製品の値段は高価になる傾向があると言われていますが、最近の大麻ブームに併せて現在では日本でも比較的リーズナブルな価格で手に入るCBN製品が登場しています。
CBNが希少だということもあり、CBNの研究は、残念ながらあまり進んではいません。
しかし、今まで行われた研究によると、CBNにはいくつかの健康・治療効果があることが期待できるとされています。
最近では「CBNの効果を体感したい」と、CBNを摂取し始める人も増えています。
CBNとCBDは何が違う?両者の違いとは?
同じ大麻草のカンナビノイドであるCBNとCBDにはどのような違いがあるのでしょうか。
両者の違いについて解説します。
1.精神活性作用の有無
CBDには、THCのような人をハイにするなどの精神活性作用はありません。
CBNはCBDと名前が似ているので同様に精神作用は無いと思うかもしれませんが、実はCBNにはわずかな精神活性作用があると言われています。
THCが分解したものがCBNなので、弱い精神活性作用が残っていると考えると分かりやすいでしょう。
ただし、CBNの精神活性作用は非常に弱く、あるとしてもTHCの10%ほどしかありません。
そのため、CBNを単体で摂取しても、気分が楽しくなったり意識が変容するなどのハイになることは基本的にありません。
2.身体への作用経路の違い
CBNは、脳内のCB1というカンナビノイド受容体に直接作用することで、エンドカンナビノイドシステム(ECS)を活性化し、健康・治療効果をあらわすと言われています。
CBNは脳内のCB1とCB2の両方に直接作用してECSを活性化します。しかし、CB1との結合性はTHCと比べると低く、CB2との親和性の方が高いことが特徴です。
それに対してCBDは、CBNと同じようにECSを活性化する作用はあるものの、カンナビノイド受容体に直接は作用せず、体内で作られるカンナビノイドの分解を防ぐことでECSを活性化すると考えられています。
CBNもCBDも、結果的な作用はECSの活性化と共通していますが、作用過程がそれぞれ異なっています。
3.効果の違い
今までのCBNの研究から、CBNには睡眠の補助、痛みの軽減、神経の保護、抗炎症、抗酸化、食欲増進効果が期待できることが分かっています。
CBDはCBNに比べて多くの研究が行われているので、その分期待できる効果の種類も多いです。
CBDの効果の中にはリラックス効果などのCBNと共通したものもありますが、食欲に対してや、嘔吐への作用は違いがみられます。
また、睡眠補助効果で見た場合でも、CBNとCBDには違いがあります。
詳しく見ていきましょう。
4.食欲に対する効果の違い
2012年に行われたCBNとCBDに関するラットの食欲の研究では、CBNがラットのエサの消費量を増やしたという結果と、CBDがラットのエサの消費量を減らしたという結果が出ました。
この結果は、治療に活用する際に目的別に使い分けられる可能性があることを示しています。
たとえば、CBNの食欲増進効果は、がんやHIVの症状・治療により食欲が下がった患者に処方するのが適切で、CBDは過食症の患者やダイエットに有効なのではないかとも考えられています。
5.睡眠に導く効果に関する見解の違い
CBNとCBDには睡眠に導く効果があると言われていますが、特にCBNは巷で「眠りのカンナビノイド」と呼ばれる程の睡眠導入効果があると言われており、そのため寝る前にはCBNを摂取するユーザーがいます。
このことが事実であれば、睡眠補助の作用の強さにおいてCBNとCBDに違いがあることになります。
しかし、CBNの睡眠効果に関しては同成分の研究がまだ少ないため科学的には未知の部分もありますが、CBNの睡眠効果を調べ、強い睡眠効果が得られたという研究結果はわずかですがあります。
ですがその研究結果は、CBNのみの睡眠効果ではなく、CBNに混ざり込んでいるCBDやTHCの影響を受けている可能性もあります。
CBNのみの効果だと確定することができないのです。
一方で、時間が経ち古くなった大麻を吸うと、強い脱力感を感じるという意見もあります。
そのことから、THCがCBNに変化した結果、脱力感・睡眠効果が強くなったのではないかと考える人もいます。
たしかにTHCは時間が経つとCBNに分解されます。
古くなった大麻にはCBNが多く含まれているため、CBNの効果で脱力感が強くなったと考えることはできそうです。
しかし、大麻草にはTHC以外にも多くの種類のカンナビノイドが含まれています。
脱力感が強くなったのは、THC以外のカンナビノイドの効果である可能性も考えられるため、やはりCBNだけの効果だと確定することはできません。
ですが、日本でも急速に増えつつあるCBNユーザーの多くがCBNのリラックス効果や睡眠導入効果について言及しています。
今後のさらなる研究によって、CBNの睡眠効果がCBDよりも高いことがより明らかになっていくと想定できます。
CBNとCBDの共通点
CBNとCBDの異なる点が分かったところで、似ている点についても解説します。
1.ECSを活性化させる作用
先ほど説明したように、CBNとCBDには、作用の過程は違うものの、ECSを活性化する作用があるというところが一致しています。
そのため、食欲に対する作用など違う点もありますが、両者のカンナビノイド作用は似通っているところもあると考えられています。
2.キマる可能性の低さ
二つ目の共通点は、CBNとCBDは人をハイにさせず、安全性が高いという点です。
CBNにはわずかな精神活性作用があることは説明しましたが、THCよりもかなり弱いため摂取してもハイにはならず安全性が高いと言われています。
またCBDとCBNには副作用が基本的にないか、出ても軽いもので済むと言われていますが、成分含有量が高濃度の製品や、一度に多量の成分を摂取すると全身がボーッとしたような感覚になったり、眠気が起きたりします。しかし、幻覚や心身への危険を伴う作用は基本的にありません。
とはいえ、眠くなると危険が伴うため、車の運転前に摂取するのは控えたほうがいいでしょう。また、支障がでるため仕事の休憩中などに多量に摂取するなどは控えたほうがいいです。
使用する量とタイミングを適切に守れば安全で健康維持にも役立ちますが、CBNについては、研究がまだそれほど多くないため、副作用についても確定を断言できません。
持病がある人などは、CBD、CBNを摂取することについて医師や薬剤師などの専門家に相談してから摂取した方が安心でしょう。
3.日本での合法性
三つ目の共通点は、CBNはCBDと同じく違法ではなく合法という点です。
CBNなど、わずかな精神活性作用があるというと違法ではないのかと思いますが、日本においてCBNもCBDも違法薬物として指定されていません。
つまり、CBNやCBDを所持・購入・摂取しても合法です。
CBDもCBNも共に大麻由来の成分で、特にCBNは精神活性成分であるTHCと関連する成分です。
ですが、精神活性作用が非常に弱かったり、特にCBDは少量だとほとんど体感を感じなかったりすることからも分かるように、CBD、CBNはTHCとは異なる化合物です。
CBNとCBDの違いに関するよくある質問
Q.CBNとCBDの作用には、どのような違いがありますか?
CBNとCBDの作用には、いくつかの違いがあります。
まず、精神活性作用の有無です。CBNは僅かな精神活性作用があると言われていますが、CBDには精神活性作用はありません。
また、身体への作用経路も違います。CBNは脳内のCB1とCB2の両方に直接作用してECSを活性化するのに対して、CBDは体内で作られるカンナビノイドの分解を防ぐことでECSを活性化すると考えられています。
そして、CBNは食欲増進効果がある一方、CBDには食欲を抑える効果があるなど、一部の効果効能にも違いがあります。
Q.CBNとCBDは同じくらいの値段で買えますか?
CBNはレアカンナビノイドと呼ばれるくらい希少なものですが、現在ではCBD市場の浸透によってCBN製品の価格も下がってきました。具体的には、CBNのVape用リキッドであれば1mlあたり3,000円程度からの価格で売られています。消費量は、リキッドであれば吸う量とタイミングにもよりますが、1mlであれば1本あたり1週間〜長ければ1ヶ月以上保つのでコスパは良いと言えます。
CBDはCBNより一般的なこともあって、製品にもよりますがCBNよりも若干安く、Amazonやドンキであれば1mlのリキッドが2000円以下で売られています。ですが、あまり値段が安いと製品に含まれている成分が古かったり、成分の質が低い場合もあるので、信頼できるメーカーの製品を買うのがおすすめです。
また、最近はCBN、CBD両方を含んだグミも売られており、60粒あたり6,500円程度〜と高額ですが、1日あたり2〜3粒程度食べるだけで健康増進などの効果が期待できます。1ボトル辺り1ヶ月以上保つと考えればコストパフォーマンスは良いと言えます。
Q.睡眠に使いたいのですがCBDとCBNどちらがおすすめですか?
睡眠効果はCBNの方がCBDよりも強いのではないかという意見もありますが、研究などにより実際に証明されているわけではなく、実際はどちらが強いのかはまだ分からない状態です。
ですが、上記でも述べましたがCBNは巷では眠りのカンナビノイドと呼ばれており、実際にCBNを摂取して眠りの質が上がったという声が多くあります。なので、睡眠導入のために使うのであればCBNがおすすめです。
もちろん、CBDやCBNは、人により効果の感じ方が違うという特徴もあるので、どちらが効果的か一度ご自身で確かめてみるのが一番良い方法かもしれません。
安全性に関してはどちらも高いと言われているので、服用している医薬品などがなければ、気軽に試してみてください。