大麻由来の成分であるCBDが近年、国内外で注目を集めています。
CBDとはカンナビジオール(Cannabidiol)の略称で、大麻から抽出される成分の一つです。
CBDはストレスの緩和や不眠障害の改善、抗炎症などの効果・効能があり、近年医療や美容などさまざまな分野で注目されています。
試してみたいと思いつつも「大麻のように依存性や中毒性があるのでは?」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
CBDの依存性以外の体への危険性については、こちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください。
→CBD・CBDオイル・CBDグミに体への危険性はあるの?
この記事では、CBDの依存性について詳しく解説します。
依存性や中毒性の有無に加え、副作用や過剰摂取、アレルギーについてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
CBDに依存性や中毒性はある?
日本においてCBDは合法ですが、継続して使用することによって依存性や中毒性の可能性はないのでしょうか?
ここでは、CBDの安全性について解説します。
CBDに依存性・中毒性はない
CBDには依存性や中毒性はなく、安全性に優れていることが報告されています。
2017年11月のWHO薬物依存専門家委員会の会議では、CBDは依存性・中毒性がある可能性や害はないと結論付けられました。
ただし、これはCBDが純粋な状態での場合です。
2017年3月の海外の研究では、純粋なCBDでは依存・中毒性に関わる作用は見られなかったのに対して、マリファナを使用するとTHCによる心拍数の増加や多幸感など、依存性に関わる作用が見られたことが報告されています。
THCはハイになる作用があり、依存性や中毒性につながるため、大麻取締法で規制されている成分です。
CBDは依存性も中毒性もないことが証明されているので、安心して摂取できます。
しかし、海外から直輸入したCBD製品などにはTHCが混入している可能性もあります。
THCが含まれたCBD製品を摂取してしまうと、依存性や中毒性があらわれるかもしれません。十分に注意しましょう。
CBDは途中でやめても離脱症状はない
CBDは依存性だけでなく、離脱症状もないことが分かっています。
離脱症状とは、アルコールやニコチン、麻薬など依存性のある薬物の使用を中止することによって起こる病的な症状です。
具体的には「使用したいと強く思う」「集中できない」「頭痛」などといった離脱症状を引き起こし、アルコールや薬物をやめることを困難にします。
THCには稀にカフェイン程度の離脱症状が見られることがありますが、CBDには離脱症状が認められません。
そのため、継続して使用している場合でも途中でやめることが可能です。
CBDに対する世界保健機構(WHO)の見解
WHOはCBDに関して、2017年に以下のような発表をしています。
「CBDの潜在的な身体依存効果(例えば、離脱症状や耐性)に関するコントロールされたヒト研究 では、報告されていない」
「ヒトの実験的研究からのエビデン スはCBDが乱用可能性と関連しないことを示している」
引用:WHO(世界保健機関)|カンナビジオール(CBD) 事前審査報告書
つまり、”CBDには依存症や乱用の可能性は認められない”ということが示されています。
CBDには依存性や離脱症状、乱用の可能性がないことが報告されているのです。
むしろCBDはアルコールやタバコなどの依存症を抑制できる?
CBDはそれ自身に依存性や中毒性がないだけでなく、ニコチンやアルコール、薬物の依存症を緩和させる作用があると言われています。
CBDは禁煙効果が期待される
CBDは禁煙効果が期待できると言われています。
2013年の海外の研究では、CBDを吸入したことで喫煙量が40%も減ったことが報告されました。
CBDの禁煙効果は、CBDによって不安やタバコへの衝動が抑えられたからだと考えることができます。
また、CBDを吸入することはタバコを喫煙しているのと同じような行為になります。
そのため、口寂しいなどの感覚が減ったことも、喫煙量が減った要因になっているかもしれません。
CBDはアルコール依存症の改善が期待される
CBDは、アルコール依存症を改善させる作用があることが期待されています。
2019年の海外の動物の研究では、CBDが動物の不安や衝動性を減少させ、アルコール摂取量を低下させることが示唆されました。
また、CBDはアルコールに関係がある脳損傷を軽減し、神経のダメージを防ぐことも報告されました。
2018年のラットの研究では、CBDがアルコール依存歴のあるラットの不安や衝動性を軽減したことから、CBDがアルコール依存症の再発を防ぐ可能性があると結論付けています。
アルコール依存症は、完全には治癒することのない難しい病気です。
飲酒を続ける限り病状は悪化していきます。
CBDが飲酒量を低下させ、アルコール依存症の再発を防いだり、アルコールによる脳損傷を軽減したりできれば、アルコール依存症患者の新たな治療としてCBDを活用できるかもしれません。
薬物の依存症も軽減させる可能性がある
CBDは、薬物依存症を軽減させる可能性があります。
2019年の海外の研究では、CBDがヘロインの薬物禁断症状のある患者の不安と薬物への欲求を大幅に減少させたことが報告されました。
不安と薬物への欲求は、薬物使用者を依存症に導く大きな要因です。
CBDが不安と欲求を軽減したという結果は、CBDが薬物依存患者の治療に役立つ可能性があることを示しています。
CBDに副作用はある?安全性は?
CBDの副作用や安全性についてはどうでしょうか?
CBDの副作用としては体質や体調によって眠気や疲労感、口の渇きなどが起こることがありますが、健康に影響を与えるような重篤なものはありません。
先ほどのWHOによる報告でも、CBDについて「CBDは良好な安全なプロフィールをもち、一般的に良好な忍容性(許容性)がある」と報告しています。
ここでの「良好な忍容性」とは副作用がほとんどないか、あっても非常に軽いという意味です。
また、2018年には世界ドーピング協会においてCBDはドーピング薬物規制対象から外され、世界中のアスリートがリラックス効果や痛みの緩和を目的にCBDを使用することが可能になりました。
これらのことからも、CBDは安全性に優れた成分であると言えるでしょう。
CBDの過剰摂取しても依存性はない?
CBDは、過剰摂取をしても依存性はありません。
2017年の海外の調査によると、一日1,500mgという高用量のCBDを摂取したとしても健康上の問題は起こらずに、安全性に問題がないと結論付けられました。
一般的なCBDオイルには300〜1,500mgのCBDが含まれています。
もしも一日1,500mg摂取するとなると、CBDオイルのボトルを一日に1〜5本摂取するということになります。
CBDオイルは通常スポイトで摂取します。
一日にボトルを飲み干してしまうような摂取の仕方はまず考えられないことから、1,500mgがいかに高用量かが分かるのではないでしょうか。
1,500mgのような高用量のCBDを摂取してもCBDへの依存性は認められません。
ただし、必要以上に摂取をすると、喉の渇きや下痢などの軽い副作用が起こる可能性を高めてしまうことにもつながります。CBDを摂取する際は、必ず自分に適切な量(効果が出る最少量)で摂取しましょう。
過剰摂取に関して詳しくはこちらをご覧ください。
CBD摂取時の注意点
CBDは安全性が認められていますが、正しく使用することがとても重要です。
CBDをより安全に使用するために注意したいポイントについて解説します。
妊娠・授乳中や持病がある方は医師に相談する
妊娠・授乳中や持病がある方は、CBDを使用する前に医師に確認しましょう。
CBDの安全性についてはさまざまな研究で確認されていますが、妊娠・授乳中のCBD摂取に関する研究はほとんどなく安全性が保障されていません。できれば妊娠・授乳中は使用を控えたほうが良いでしょう。
また、持病に関してもCBDの作用が病状に影響してしまう可能性があります。
医師の許可を得たとしても、CBDの使用によって体調に異常が生じた場合はすぐに中止してください。
薬を内服している方も医師に相談する
すでに薬を内服している場合は、CBDを使用しても問題ないか必ず医師や薬剤師に相談してください。
CBDは特定の薬剤と相互作用を持つことがあります。
もし内服薬とCBDに相互作用があった場合、副作用を過剰に引き起こしたり薬剤の効果を増幅させることがあり、健康に影響を及ぼす可能性があるのです。
CBDを初めて摂取する場合は使用後の運転を避ける
CBDを初めて摂取する場合や新しい製品を試す場合は、使用後の運転を避けましょう。
CBDの副作用である眠気が生じたり、リラックス作用が強く出て集中できなかったりする恐れがあるためです。
CBDによる作用には個人差があり、製品や摂取量によっても効果が異なる場合があります。
CBDの摂取によって自分の心身にどのような変化があるのか、またどのくらいの摂取量が自分にとって適量か、常に意識して観察しておきましょう。
即効性や強い効果がないことを理解しておく
CBDには即効性や強い効果がないことをまず理解しておいてください。
「大麻由来の成分」ということで強い作用があるとイメージされるかもしれませんが、CBDは漢方やサプリメントのように少しずつ効果が感じられるものです。
あくまでも日々の健康をサポートするものとして考えるといいでしょう。
CBD製品を購入する際に注意するポイント
CBD製品を安全に使用するためには、購入時にいくつか注意すべき点があります。
最も重要なのはCBD製品がTHCフリー(THCが含まれていない)かどうかです。
THCには依存性があるため、THCが混入していると身体に悪影響が出てしまうかもしれません。
また、THCは大麻取締法で規制されている違法成分です。
CBD製品を購入する際は、必ずTHCが含まれていないことを確認してください。
THCのトラブルを避けるため、CBD製品は大学や研究室などの第三機関で検査を行っている、大手の信頼できるメーカーから購入することをおすすめします。
このようなメーカーは安全性や品質に責任を持ってTHCフリーのCBD製品を取り扱っていることがほとんどです。
フリマアプリやSNSでの取引など個人が販売しているCBD製品や、海外からの個人輸入は要注意です。
CBD製品にTHCなどの違法成分が含まれていたり、粗悪な品質だったりする可能性があるためです。
リスクが高いということをよく理解しておいてください。
まとめ
CBDは大麻由来の成分ですが日本において合法であり、依存性や中毒性、離脱症状などもありません。
WHO(世界保健機関)でも安全性が認められています。
また、アルコールやニコチンなどによる依存症や離脱症状を軽減させる作用があることが分かっており、近年では禁煙や禁酒にCBDを取り入れる働きも進んでいます。
人体の健康に影響を及ぼす副作用もなく、実際に使ってみて合わないと感じたら、いつでも気軽にやめることが可能です。
CBDの効果はストレスの軽減やリラックス作用、睡眠障害の改善、肌の抗炎症作用など、健康から美容まで多岐にわたります。
CBDはきっとあなたの日々の健康をサポートしてくれるでしょう。
興味がある方はぜひ一度試してみることをおすすめします。