今、さまざまな健康・治療効果があるということでCBDが注目されています。
CBDの効果の恩恵を受けるため、自分自身もCBDを日常に取り入れてみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
CBDは安全性が高い成分のため、気軽に始めやすいです。
しかし、中にはCBD製品の値段に戸惑ってしまう人も実際にいます。
CBD製品の値段を見て、「思っていたよりも高い」、「ただのグミなのにこんなにするの?」、「高すぎて続けられるのか心配」など思ったことがある人もいるでしょう。
今回は、CBD製品が高価になる理由や、CBD製品への出費を抑えるコツなどについて説明していきます。
CBDとは?
CBD(カンナビジオール)とは、さまざまな健康・治療効果があると世界中の人々から注目されている成分です。
CBDは大麻草から抽出されますが、人をハイにさせるような精神活性作用はなく、所持や摂取をしても違法になりません。CBDは、安全性が高い成分であることがすでに証明されており、副作用もほとんどないことが知られています。
ちなみに、大麻草で連想される人をハイにさせる作用を持つ大麻草の成分は、THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分です。
THCを所持したり使用したりすることは、日本では大麻取締法違反になります。
海外の一部の地域では、THCが合法のところもあります。
しかし、日本で販売されるCBD製品は、THCを取り除いて作られた製品か、もしくはTHCが未検出レベルの大麻草から作られたTHCフリーの製品でなければいけません。
CBD製品が高価になる6つの理由
CBDが販売されているサイトを見ると、たとえばCBDオイルの小さなボトル1本が1万円前後で売られていたり、120個入りのCBDグミが1万5千円前後で売られていたりします。
決して安くはないですよね。
なぜCBD製品は高価なのかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
CBD製品が高価になる6つの理由を探っていきましょう。
理由1. 大麻草の栽培・収穫・環境にお金がかかるから
CBD製品が高価になる理由の一つは、大麻草の栽培や収穫、環境などに多額のお金がかかるからです。
大麻草の栽培
CBDを抽出する大麻草の栽培は海外で行われますが、とてもお金と手間がかかる作業です。
たとえば、THCを多く含む大麻草を栽培してしまうと、基準違反になります。
そのため、THC量が基準から外れた大麻草が育った場合は、その大麻草を全て処分しなければいけません。
せっかく栽培した植物を処分することは、農家の大きな損失になってしまいます。
つまり大きな損失を出す前に、大麻草を手作業や検査で監視し、THCの量が基準値を超えない大麻草を栽培しなければならないのです。
このように大麻草の栽培には検査費を含め、多くの人件費がかかります。
大麻草の収穫
大麻草の収穫にもかなりのお金が必要です。
大麻草の収穫は、コンバインという農業機械を使うと効率的に行うことができます。
しかし、大麻草を栽培をし始めた農家などはコンバインを所有していないことがほとんどです。
コンバインはリースを活用して借りられますが、大麻草などの新しい作物に使用するときはリース料が信じられないほど高くなってしまうこともあります。
そのため、大麻草を栽培している農家は、手作業で大麻草を収穫しているところも多いです。
収穫を手作業で行うとなると、時間も人件費もそれだけかかるということになります。
大麻草の環境
大麻草の農家は、広い土地が必要になることがあります。大麻草を乾燥させるために、ある程度のスペースが必要になるからです。
広い土地を確保するためには、もちろんお金がかかります。
CBD製品が高価なのは、土地や人件費にかかる多額の費用が理由の一つになっていることが分かるでしょう。
理由2.原料の輸入にお金がかかるから
大麻取締法の「大麻取扱者免許制度」により、日本で大麻草の栽培ができるのは許可を得た一部の農家に限られています。※1
日本で栽培している大麻草はCBDを抽出するためではなく、神社のしめ縄のような他の用途のために栽培されています。
日本では、CBDの原料を生産することができず、日本で取り扱っているCBD原料はすべて海外からの輸入品です。
また、CBD原料や製品を日本に輸入する際は、CBD原料に違法物質であるTHCが入っていないことの証明などが必要で、厚生労働省のガイドラインにより、
・成分の分析書
・生産をしている場面の写真
・輸入されるCBD製品が大麻草の茎や種子から生産されていること生産者がサインをして証明している書類
をそろえなければなりません。
CBD製品が高いのは、日本の規制が厳しく、多くの書類の作成料や検査費、それに加えて海外からCBD原料を輸入する輸送料などがかかっているからでもあるのです。
理由3.CBDの抽出・精製にお金がかかるから
CBDの抽出と精製にお金がかかることもCBD製品が高くなる理由の一つです。
CBDの抽出
CBDの抽出は単純ではありません。CBDは、高度な機能を備えた高価な機械を使って抽出されます。
一般的に、CBDはエタノールやイソプロピルアルコールを使ったアルコール抽出法や、CO2を活用した二酸化炭素抽出法などという方法で抽出されます。
アルコール抽出法は安価に行えるためCBD製品の価格も安くなりますが、大麻草の繊維などの不純物も同時に溶解され製品へ残留してしまう可能性があります。
安全性や効率性が良い二酸化炭素抽出法が、CBD抽出では最も使われています。
二酸化炭素抽出法は、大麻草から多くの成分を抽出することができ、高品質な製品を作り出すことができることがメリットです。
しかし、二酸化炭素抽出法はデメリットとして、非常にコストがかかることでも知られています。
CBDを抽出するだけでも、機械や抽出過程に多くの費用がかかるのです。
CBDの精製
日本で販売できるCBD製品は、THCフリーの製品です。
THCを含まない製品を作るために、CBD製品のメーカーは、抽出したCBDをさらに精製する必要があります。
安全な製品を販売するための精製という過程によって、コストがかかってしまいます。
理由4.製品の開発・品質管理・適正な製造基準にお金がかかるから
大麻草を栽培・収穫し、CBDを抽出・精製しても、CBD製品が出来上がるわけではありません。
製品の開発や品質管理、製造基準を守るのにも多額のお金が必要です。
信頼できるCBDのメーカーは、自社製品の研究開発に多くの時間と労力を費やしています。
そのうえで、適正製造基準を守り、厳しい品質管理の検査を実施・クリアすることで、安全性が高く、信頼できるCBD製品を顧客に販売しています。
製品開発には、高い知識と経験を備えた人材が欠かせません。
また、適正基準や品質管理をクリアするには高価な機器や、第三者機関に依頼するための検査費用も必要です。
このような一流の人材と機器などにかかるコストは相当なものになります。
しかし、このようなコストを省いて安価な製品を作ろうとすると、品質の高さや信頼性、安全性は大きく損なわれてしまいます。
信頼できるメーカーは、CBDの製品の信頼や安全性を守るため、多額の費用をCBD製品に投資しているのです。
理由5.CBD製品を販売できる場所が限られているから
CBDが高価になるのは、CBDを販売できる場所が限られているというのも理由の一つです。
日本では、CBD製品を販売しているのは、インターネット上の店舗か、ドン・キホーテの店頭で、大手のドラッグストアやデパートではCBD製品をほとんど扱っていません。
大手のドラッグストアやデパートが販売する製品は、流通や配送などのコストを削減できるため、販売する製品の価格を下げることができます。
CBD製品の今の販売状況では、流通・配送のコスト削減が難しいため、結果的にCBD製品の価格が下げられないまま販売されています。
理由6.CBD製品を買いたい人が多いから
CBD製品が高価な理由の一つに、経済学的な理由も考えられます。
需要と供給の関係です。経済学では、需要が供給を上回ると価格が上がると言われています。
今、CBDの健康・治療効果が世界中で注目されている状況なので、「需要」、つまりCBDを買いたいという人が多い状態にあります。
CBD製品市場に関する調査によると、2021年の国内のCBDの市場規模は、前年比の185.9%の185億円4,100万円でした。
2022年はさらに高く、前年比139.9%の259億3,600万円になる見込みです。
また、2025年には829億円を突破するのではないかと予測されています。
CBDの市場規模を見ても、多くの人がCBDを購入し、需要が高まっていることが分かるのではないでしょうか。
それに比べて「供給」、つまり生産されるCBD製品の数は、需要の上昇に追い付いていません。
CBD製品を生産するには時間や手間がかかるため、需要が急上昇している分だけ、生産数を増やせないことが考えられます。
ただし、今後CBD製品の価格が下がることも期待できます。
広大な土地を持つ中国は、将来的にCBDビジネスを世界に広げる可能性が高いです。
すると世界のCBD市場で、CBD1kgあたりの価格が下がってくるでしょう。
また、アメリカの農業法案の見直しで大麻草が合法化されたことにより、大麻草を栽培する農家が全米で増えています。
この事実も将来的にCBD製品の価格が下がることにつながると思われます。
なぜ製品によってCBDの値段が変わるのか?
インターネットでCBD製品を調べると、製品により値段が大きく違うことに気付きます。
CBD1mgにつきどのくらいの値段で販売されているのかを見てみましょう。
楽天市場(2022年現在)で調べると、CBD1mgにつき1.75〜15円の範囲でCBD製品が販売されています。
なぜ製品によってこんなにもCBDの値段が変わるのでしょうか。
製法の違いで値段が変わる
CBD製品は、製法によって値段が変わります。
CBD製品の製法には、大麻草から抽出される成分がすべて入ったフルスペクトラム、フルスペクトラムの製品からTHCを除いて作られたブロードスぺクトラム、CBDのみで作られたアイソレートがあります。
一般的にはフルスペクトラムの製品が一番高く、次いでブロードスペクトラム、アイソレートの順に安くなる傾向があります。
濃度の違いで値段が変わる
CBD製品は、濃度の違いによって値段が変わります。
同じメーカーのCBDオイルは、一般的に濃度が濃い方が商品としての価格は高くなります。
高濃度ということは商品あたりに含まれているCBDの量が多くなるので、商品としては高価格になります。
ただ、CBDの1mg単位でみると高濃度の方が安くなります。
高濃度だと少量でも効果の実感を得られるので、CBDを日常的に使う方は高濃度の方がお得です。
メーカーの裁量で値段が変わる
製品による値段の違いは、結局のところメーカー側の裁量が影響していることが多いです。
製法や濃度の違いによっても値段は変わってきますが、CBD製品の価格に一番影響しているのはメーカーの裁量です。
メーカー側がCBD1mgの値段を高く設定すれば、その分CBD製品は高くなるということです。
ブランド力のある比較的有名なメーカーであれば、価格を多少上げても消費者は買ってくれます。
これはiPhoneとAndroidスマートフォンの価格が異なるのと同じですね。
CBD製品は本当に高価?1日や1ヶ月にかかる金額はどれくらい?
CBD製品は1万円を超える製品が多いなど、一見高価に見えるため、「CBD摂取を毎日続けることはできないのではないか」と心配になる人もいます。
CBD製品の値段は、実際にCBD摂取を毎日続けられないほど高価なのでしょうか。実際に計算してみましょう。
■CBDオイルの値段の計算例
たとえば、「CBD2,000mg、10ml」と表示されているCBDオイルが12,000円で販売されている場合、どのくらいの期間使えるのかを考えてみます。
CBDの摂取量は個人によって違うので、このCBDオイルをどのくらいで使い切るのかは、実際は人によりますが、一日CBD40mgを摂取している人の場合を考えると、2,000mg÷40mg/日=50日という計算から、約1か月半使えるという計算になります。
一か月分の出費を計算すると、7,200円程度になるでしょう。
■CBDグミの値段の計算例
CBDグミでも計算して見ましょう。
「CBDグミ、120粒、一粒にCBD30mg」で 16,000円の製品を考えていきます。
一日にCBDを30mg摂取する人の場合、120日摂取できるので、約4か月持つことが分かります。
つまり、1か月分は4,000円です。
もちろん人によって価値観は違いますし、摂取量によっても使い切る期間は前後しますので、これらの値段が安いと言い切ることはできません。
しかし、1か月分のコストを知ることで、「意外とリーズナブル」だと思ったり、「この値段で健康効果が得られるのなら払ってもいい」と感じたりする人もいるのではないでしょうか。
CBD製品を購入する際はぜひ自分の摂取量をもとに、どのくらい持つのかや、1か月分のコストを計算してみてください。
CBD製品への出費を抑える2つのコツ
CBDは基本的に毎日続けるものです。
だからこそ、できるだけCBD製品への出費を抑えたいというのが本音ではないでしょうか。
CBD製品への出費を抑えるコツを紹介します。参考にしてみてください。
1. 濃度が高い製品を購入する
同じメーカーの製品でも、濃度が高い製品を購入すると出費を抑えられる可能性が高いです。
たとえば、CBDオイルの同じメーカーで「CBD1,000mg」と「CBD2,000mg」の2つのラインナップがあることがあります。
CBDは2倍の量が入っていますが、ここに2倍の差がある場合はほとんどありません。
一日に摂取するCBDの量が同じにするとしても、高濃度の商品の方が安くなります。
毎日積み重なればかなりの節約になるでしょう。
摂取したい製品が見つかったら、高濃度の製品の1か月分のコストも合わせて計算してみて下さい。
高濃度の製品の方がかなりお得に買えることが多いですよ。
2. CBD製品をできるだけ長持ちさせる
CBD製品を長持ちさせるのも、出費を抑える方法です。
CBD製品を長持ちさせるのにおすすめの方法は次の2つです。
効果の出る最少用量で摂取する
CBDの摂取量を効果の出る最少用量にすると無駄な摂取がなくなり、製品を長く使うことができます。
効果が出る最少用量で摂取することは製品を長持ちさせることにつながると同時に、副作用のリスクを最小限に抑える、自分にとっての最適な用量で摂取することでもあります。
CBD製品を少量から始めて、徐々に摂取量を増やしていってみてください。
効果を体感し始めた用量が、自分にとっての最適な用量であり、CBD製品を長持ちさせる用量です。
脂肪分と一緒に摂取する
脂肪分を含む食事と一緒にCBDを摂取することで、毎日のCBD摂取量を減らせる場合があります。
CBDは油分に溶けるため、脂肪分によってCBDが身体に吸収しやすくなるからです。
吸収されるCBD量が増えれば、CBDの摂取量を減らしても同じ効果が得られます。
すでにココナッツオイルやオリーブオイルなどのキャリアオイルに溶けているCBDオイル製品を、油分と一緒に摂取しても、吸収率はあまり変わらないかもしれませんが、CBDグミやCBDカプセルなどは、油分と一緒に摂取すると吸収率がアップする可能性があります。
摂取量を減らす工夫をすることによっても、CBD製品にかかる費用を抑えられるので参考にしてください。
安すぎるCBD製品に注意!ぼったくりの可能性も
他のCBD製品の価格に比べて、かなり安い製品がネットで販売されていることがあります。
安いからついつい購入したくなってしまうかもしれませんが、注意が必要です。
CBD製品の中には、THCや農薬、重金属などの危険な物質が含まれている製品や、ラベルに記載されたCBD量が入っていない製品など、劣悪な製品も出回っているからです。
劣悪な製品を販売しているメーカーは、先ほど説明したようなCBDの精製過程や品質管理、適正な製造基準を守るためにコストをかけていない可能性があります。
そのため、信頼できるメーカーの製品よりもかなり安くCBD製品を売ることができてしまいます。
もしくは、ラベルの表示よりもCBD自体があまり入っていない製品を取り扱っているかもしれません。
その場合には、CBDの抽出にかかるコストもかかっていないため、当然製品の価格は安くなります。
容量や濃度がほとんど同じような別メーカーの製品でも、10,000円と5,000円と価格差があったらどうでしょうか?
多くの人は他のメーカーと比べて5,000円も安いと思ってしまうかもしれません。
しかし、そのような安い商品に飛びつく前に、きちんとCBDが配合されているかどうかや、第三者機関の検査を受けている安全な製品かを必ず確認することが必要です。
また、効果がないだけでなく農薬などの危険な物質が含まれている製品だとしたら、1円さえも払いたくないはずです。
自分の身体を守るためにも、CBD製品の値段だけでなく、検査結果や品質などもよく見てCBD製品を購入するようにしてください。
CBDが高いことについてよくある質問
Q.CBDの値段は今後安くなる可能性がありますか?
CBD原料の製造や輸入、商品の製造にコストがかかっていますが、今後CBDの生産量が増えたりさまざまなメーカーが参入したりすることで、CBD製品の価格が下がるかもしれません。
また日本では大麻取締法によって大麻草の茎か種子から抽出したCBDのみが合法となっています。
今後、法改正によって葉や花などからも抽出できるようになると、日本に輸入できるCBD原料が増えることで、価格が下がっていく可能性も考えられます。
Q.CBDオイルを少しでも安く買う方法はありますか?
高い濃度の製品を購入すると、CBDオイルの1日あたりの費用を下げることにつながります。
CBDオイルは濃度が高いほど、CBDの価格が下がる傾向があるからです。
ただし、CBDオイルの濃度が変えると1滴に含まれるCBDの量が増えるので、それに合わせて摂取量を変えるようにしましょう。
新しい濃度と、自分の適切なCBDの摂取量から、毎日摂取するオイルの量を計算し直すことが必要です。
今までと同じように摂取しないように注意してくださいね。
Q.安いCBD製品を買っても効果は変わりませんか?
効果は、実際に摂取するCBDの量や、製品に含まれている他のカンナビノイドなどの影響によって左右されます。
安い商品の場合はCBDの量が少ないことなどがあるので、しっかりとCBDが含まれているかをチェックしましょう。
また、安いCBD製品の中には、検査や精製を十分に行っておらず、THCなどの危険な成分が含まれている製品もありますし、ラベルに表示されたCBD量が含まれていない製品もあります。
そのような劣悪な製品を使うと、身体に害を及ぼす危険性もあります。
CBD製品を購入する際は、値段だけでなく、公表されている検査結果や品質などをよく調べてから購入するようにしてください。
【参考文献】