CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される安全性の高い成分の一つです。
今までCBDについてのさまざまな研究が、世界各国で行われていてきました。多くの研究結果は、CBDを摂取することで数多くの健康・治療効果が期待できることを示しています。
今世界中の人たちが、生活の質を向上させたいとCBDを生活に取り入れています。中でも睡眠の質を良くしたり、過剰な不安を取り除いたりするためにCBDを利用している人がとても多いです。
今回取り上げるのは二日酔いに対するCBDの効果です。会社や大学などの飲み会でつい飲みすぎてしまい、次の日に大変な思いをしたという経験がある人も多いですよね。二日酔いの辛い症状を少しでもCBDで改善できたらいいなと思っている人もいるのではないでしょうか。
今回は、CBDで改善が期待できる二日酔いの症状や、二日酔い改善のためのCBDの使い方、CBDの二日酔いの予防効果の有無などについて解説していきます。
二日酔いはどうして起こるの?
そもそも二日酔いはなぜ起こるのでしょうか。アルコールを飲んでから排出されるまでの過程と、二日酔いを起こす原因物質について見ていきましょう。
アルコールを飲んでから排出されるまでの過程
アルコールを飲むと、体内に入ったアルコールは肝臓で代謝されます。まず、肝臓のアルコール脱水素酵素という酵素によってアルコールがアセトアルデヒドになり、その後アルデヒド脱水素酵素の働きで、アセテート(酢酸)に分解されます。
アセテートになったアルコールは血液の中に入って循環しながら、水と二酸化炭素になり、汗、尿、息から身体の外に排出されます。
二日酔いの原因物質とは?
二日酔いを起こす原因になるのは、アセトアルデヒドという物質です。アセトアルデヒドは、タバコの煙などにも含まれている物質で、身体に害をもたらします。
アルコールの代謝の過程で、アルデヒド脱水素酵素が十分に働き、アルデヒドをすぐにアセテートに分解できれば二日酔いは起こりません。
しかし、アルコールを飲みすぎて酵素のアルコール処理が追い付かなかったり、アルデヒド脱水素酵素がもともと少ない人がアルコールを飲んだりすると、血中のアルデヒドの濃度が高くなってしまいます。その結果アルデヒドの毒性があらわれ、吐き気や頭痛、倦怠感などが二日酔いの症状としてあらわれるのです。
CBDは二日酔いの症状を和らげる?CBDで改善が期待できる3つの症状とは?
CBDは、いくつかの二日酔いの症状を改善できる可能性があります。CBDで改善が期待できる二日酔いの症状を3つ解説します。
1.吐き気
CBDは、二日酔いの吐き気の症状を改善する作用が期待できます。
2011年の海外の研究では、CBDが吐き気や嘔吐を抑制する働きがあることが報告されました。
二日酔いの軽い吐き気ならCBDで改善できる可能性があります。
ただし、吐き気の症状が酷い場合や、長時間吐き気や嘔吐が続く場合は、急性アルコール中毒の疑いがあります。急性アルコール中毒は病院での処置が必要です。CBDでの症状改善を待たずにすぐに医師にかかってください。
炎症による倦怠感
CBDは、アルコールの大量摂取で引き起こされる倦怠感を軽減することが期待できます。
2010年の海外の研究では、アルコールを摂取した結果、上昇した炎症マーカーであるCRPが上昇したという結果が出ています。これは、アルコールを飲むと体内で炎症が起きるということを示しています。
二日酔いの倦怠感は、アルコールによる炎症が引き起こしているといわれています。倦怠感の症状を緩和するには、体内の炎症を取り除くことが必要です。
2020年の研究では、CBDには抗炎症作用が期待できることが報告されました。
CBDを摂取することで、アルコールが原因で起こった体内の炎症を鎮めることができ、結果的に倦怠感の軽減につながる可能性があります。
片頭痛
CBDで二日酔いの片頭痛の症状を改善できる可能性があります。
CBDが片頭痛に効果があるという科学的証拠はありませんが、アメリカの片頭痛財団(American Migraine Foundation)は、CBDオイルが片頭痛を改善する可能性があることを指摘しています。
また、CBDの抗炎症作用で頭痛による炎症を改善する効果も期待できます。
CBDだけでなく水分の摂取も忘れずに
CBDだけの効果では二日酔いの片頭痛や倦怠感の改善は難しいことがあるかもしれません。二日酔いが起こす炎症は、脱水症状が原因であらわれている可能性もあるからです。
アルコールを飲むとトイレに何度も行きたくなるという経験がある人もいますよね。これはアルコールには利尿作用があるために起こる現象です。アルコールを飲んでいると身体の中の水分がどんどん失われてしまいます。
身体の中の水分量が極度に下がると、炎症反応が起こります。この炎症反応が、二日酔いの片頭痛や倦怠感などとなり、身体にあらわれることがあります。
炎症をCBDで抑えることも有効かもしれませんが、炎症の原因となっている脱水症状を改善することもとても重要です。飲酒時や二日酔い時には、水分の摂取も忘れずに行いましょう。
CBDに二日酔い予防効果はある?二日酔いを改善するためのCBDの飲み方
CBDの二日酔いの予防効果や、二日酔いを改善するためのCBDの飲み方を探っていきます。
CBDに二日酔いの予防効果は報告されていない
飲み会の前に、二日酔いや悪酔いをしないために五苓散や黄連解毒湯などの漢方薬を飲んでおくという人がいます。
CBDを事前に摂取しておくことで、二日酔いを防げないのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
残念ながら、CBDに二日酔いの予防効果があることは証明されていません。
2019年の海外の研究では、CBDが不安の軽減作用や催眠作用があることが報告されています。
アルコールにも不安軽減や催眠作用があります。CBDを飲酒直前に摂取するとアルコールとの相乗効果が起こり、アルコールの作用が強まることが考えられます。
そのため、いつもより少ないアルコール量で満足し、結果的に二日酔いの予防につながることは考えられます。しかし、CBDには直接的な二日酔いの予防効果があるという報告はありませんし、アルコールの作用が増強したために、余計に酔いが回ってしまったということも考えられるため、二日酔いの予防目的でCBDを服用するのはおすすめしません。
二日酔いを改善するためにはいつCBDを摂取すればいい?
CBDは アルコールの不安軽減や催眠作用を強めたり、アルコールの作用を長引かせたりする可能性があります。
CBDとアルコールを一緒に摂取すると酔いが早く回り、鎮静や眠気、判断力の低下を想像以上にまねく恐れがあるため、CBDサプリメントを飲酒と同時、または飲酒直後に摂取することは避けてください。
CBDを二日酔いの症状改善の目的で摂取するのは、身体の中からアルコールの大部分が排出されるのを待ってからにしましょう。目安としては、二日酔いが始まったと感じた時です。通常、二日酔いを感じる頃には血中アルコール濃度は正常に戻っていますので、そのタイミングでCBDを摂取するといいでしょう。
CBDで二日酔いが悪化する可能性はある?
CBDは、人によってあらわれる作用の種類や、効果の強さが違います。
たとえばCBDの吐き気改善効果があらわれる前に、CBDの副作用としての吐き気が出てしまい、二日酔いが悪化してしまったと感じることもあるかもしれません。
吐き気を止めたいのに、余計に吐き気が起こってしまっては元も子もありません。
CBDで副作用が出る可能性は低いですが、万が一CBDの副作用が出たり、副作用ではなくてもCBDの効果が思うように出ない、悪化したと感じたりする場合は、CBDの摂取を中止してすぐに別の治療法を試してください。
CBDと二日酔いついてよくある質問
Q.CBDは二日酔い防止に効果がありますか?
CBDに二日酔いの予防効果があることは証明されていません。
CBDを摂取するとアルコールの作用が強まる可能性があるため、いつもより少ないアルコール量で満足し、結果的に二日酔いの予防につながることは考えられます。
しかし、CBDには直接的な二日酔いの予防効果があるという報告はありませんし、アルコールの作用が増強したために、余計に酔いが回ってしまったということも考えられるため、二日酔いの予防目的でCBDを服用するのはおすすめしません。
Q.CBDが二日酔いを悪化させることはありますか?
CBDは、人によってあらわれる作用の種類や、効果の強さが違います。
たとえばCBDの吐き気改善効果があらわれる前に、CBDの副作用としての吐き気が出てしまい、二日酔いが悪化してしまったと感じることもあるかもしれません。
CBDで副作用が出る可能性は低いですが、万が一CBDで二日酔いが悪化したと感じることがあれば、CBDの摂取を中止して別の治療法を試してください。
Q.CBDはどんなタイミングで摂取するといいですか?
CBDとアルコールを一緒に摂取すると酔いが早く回り、鎮静や眠気、判断力の低下を想像以上にまねく恐れがあるため、CBDサプリメントを飲酒と同時、または飲酒直後に摂取することは避けてください。
CBDを二日酔いの症状改善の目的で摂取するのは、身体の中からアルコールの大部分が排出されるのを待ってからにしましょう。目安としては、二日酔いが始まったと感じた時のタイミングでCBDを摂取するといいでしょう。