CBDやCBDオイルはパニック障害に効果はある?おすすめの製品も解説!

CBDは、さまざまな健康・治療作用が期待されている成分で、大麻草から抽出されます。
大麻草の成分と言っても、大麻草でよくイメージされる人をハイにさせる作用や中毒性はありません。
もちろん日本でも、所持や摂取をしても合法です。

CBDは、安全性の高い成分であることがすでに証明されているため、現在は世界中で多くの人々が、CBDの効果の恩恵を受けるためにCBDを毎日の生活に取り入れ始めています。

健康維持のためにCBDを摂取している人もいますし、てんかんなど、従来の医薬品での治療が難しい疾患に使用している人も少なくありません。
また、医薬品の副作用を心配し、医薬品の代わりにCBDを摂取しているという人も中にはいます。

その一方で、ストレス社会と言われる日本社会では、今パニック障害に苦しむ患者が増えています。

様々な健康効果が期待されているCBDですが、果たしてCBDはパニック発作に効果があるのでしょうか。

この記事では、パニック障害へのCBDの効果や、CBDをパニック障害に使うメリット・注意点、パニック障害におすすめのCBD製品などを説明していきます。

CBDの効果や副作用の内容については、こちらの記事もご覧ください。
→ CBDの効果や副作用とは?効果を感じない場合の対処法も紹介

目次

パニック障害とは?

パニック障害とは内臓には何も病気がないのに、呼吸困難や、動悸、めまいなどのパニック発作が何の前触れもなく突然あらわれる病気です。
パニック障害の原因は、まだ明らかになっていません。

パニック障害は、命の危険性がないのにもかかわらず、命が危ないというアラームを脳が発信してしまい起こると言われています。
そのため、患者は発作が起こるたびに「このまま死んでしまうのではないか」「自分がどうにかなってしまうのではないか」など、コントロールができないほどの大きな恐怖に襲われます。

また、パニック障害の患者はパニック発作の症状だけでなく、「またあの発作が起こったら怖い」という予期不安も同時に抱えています。

このようにパニック障害は、パニック発作と予期不安を繰り返すという特徴があります。

パニック発作は、特定の環境で起こることも多いです。
たとえば電車に乗るときにパニック発作になる人もいますし、嫌な人に会ったり、声を聴いたりするだけでパニック発作を引き起こす人もいます。

パニック障害の予期不安は、死の恐怖を感じるほどの大きな不安です。
当然患者は、もうあんな思いをしたくないと発作から逃れるための行動をとります。
その結果、電車に乗れない、外出できないなど普段の生活に支障が出てくることも多いです。
また、パニック障害の症状が長引くとうつ病になってしまうことも少なくありません。

医薬品を使った従来のパニック障害の治療

CBDのパニック障害への効果を理解するためには、従来のパニック障害の治療について知ることが必要です。
まずはパニック障害の一般的な治療法について見ていきましょう。

パニック障害の治療は、認知行動療法などのカウンセリングと、医薬品を使った薬物療法が主な治療法です。
どちらの療法もパニック障害の症状である、パニック発作と予期不安を緩和するために行われます。

薬物療法では、基本的にパニック発作と予期不安、それぞれの症状に対して薬が処方されることが多いです。

パニック発作が起こらないようにする医薬品について

パニック発作が起こらないようにする医薬品としてよく処方される薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬です。
SSRIは他の抗うつ薬よりも副作用が少ないというメリットがあり、多くのパニック障害の患者に使われています。

ではSSRIは、どのようにしてパニック発作が起こらないようにするのでしょうか。

パニック発作は、活動系の神経である交感神経が過剰に興奮し、リラックス系の神経である副交感神経の働きが弱まってしまった結果引き起こされると考えられています。
つまり、パニック発作が起こらないようにするには、交感神経を抑制し、副交感神経を活性化することが必要です。

SSRIは脳内のセロトニンの作用を高める働きがあります。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれる脳内ホルモンです。
セロトニンの働きが高まると、副交感神経を活性化し、交感神経の活性を抑えられることが分かっています。※1

SSRIはセロトニンの作用を高めることで、結果的に交感神経と副交感神経のバランスを整え、パニック発作を起こさないようにしているのです。

予期不安が起こらないようにする医薬品について

抗うつ剤であるSSRIでも、予期不安を抑えることができます。
しかし、抗うつ剤は効果があらわれるまでに時間がかかる薬です。
そのため、突発的な不安にすぐに対処したい時にSSRIを服用するのはあまり適切とは言えません。

突発的な不安が起こった時など、必要時に服用する薬としてよく処方されるのは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、即効性があります。
安定剤や睡眠導入剤などとしても知られる薬なので、知っている人も多いのではないでしょうか。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABAの作用を高めるように働きます。
GABAとは、興奮を抑えてストレスや不安を和らげる作用があるアミノ酸です。
リラックス効果があるお菓子としてGABA入りのチョコレートが売られているのを見たことがある人もいるかもしれません。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABAの作用を高めることで脳内をリラックスさせ、パニック障害の突発的な予期不安を抑える働きがあります。

CBDはパニック障害に効果はある?薬剤師が解説

結論から言うと、CBDはパニック障害に効果があると考えられています

2017年にCBDとパニック障害についての研究が海外で行われました。
その研究において、人間での研究と動物実験の結果から、CBDにはパニック障害を治療できる効果があると結論付けられました。※2

CBDのパニック障害への効果を証明するためには、より多くのパニック障害の患者での臨床試験をする必要があります。
しかし研究の結果から、従来のパニック障害の治療で効果がない患者に対しても、CBDで治療できる可能性が将来的にはあるのではないかと考えられています。

CBDがパニック障害に効果があるならば、どのようにパニック発作や予期不安に効くのでしょうか。
CBDの作用についての研究から考察した結果、2つの理由があると考えられます。

理由1. CBDは抗うつ薬SSRIと似た作用を持つ?

CBDにはパニック発作を抑制する抗うつ剤SSRIと同じような作用があると考えられます。

SSRIは脳内のセロトニンの作用を高める効果がありますが、CBDも同じような作用があることが示唆されています。
2020年のCBDと脳についての海外の研究では、CBDが脳内のセロトニン受容体に作用して、受容体を活性化することが分かりました。※3

※セロトニン受容体とは、セロトニンの刺激を受け、セロトニンの作用を伝達するたんぱく質のこと。セロトニン受容体を活性化することでセロトニンの作用が高まる。

SSRIはセロトニン受容体を直接刺激はしないので、CBDの作用と全く同じではありません。
しかし、どちらも結果的にセロトニンの作用を高めることで、交感神経と副交感神経のバランスを整え、パニック発作を抑える作用があると言えます。

理由2. CBDはベンゾジアゼピン系抗不安薬と似た作用を持つ?

CBDにはベンゾジアゼピン系抗不安薬と同じような作用があるとも考えられます。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬はGABAの作用を高めることで、身体をリラックスさせる作用がありますが、CBDも同じような作用があることが報告されています。

2017年のCBDとGABAについての海外の研究によると、CBDはGABA受容体を活性化する作用があることが分かりました。※4

このようにCBDは、抗うつ薬のような作用とベンゾジアゼピン系抗不安薬のような作用を持つことで、パニック発作と予期不安の両方を治療できると考えられるのです。

パニック障害の人におすすめのCBD製品

パニック障害の緩和にCBDを使う際には、どのような製品を使うのが一番良いのでしょうか。

この記事では、CBDオイルをおすすめします。
CBDオイルは効果を体感しやすいことと、効き始めが早いこと、また効果の時間も長めのことからパニック障害に使うのに最適な製品と言えます。

CBDオイルは通常、舌の下から吸収して摂取します。
舌下摂取されたCBDオイルは、摂取してから15分から1時間で効き始めます。
効果の持続時間は4〜8時間です。吸収率も良く、 13〜35%になっています。

ただし急な不安感を和らげるために、もっと早く効果を感じたいという場合は、CBDリキッドがおすすめです。

CBDリキッドは吸って肺に入れる吸入摂取という方法で摂取します。
吸入摂取は、効果の持続時間が30分〜1時間と短めですが、効果の出現時間が数秒〜10分と舌下摂取よりも早く効くため、急な不安感に対応しやすいと言えます。
また、吸収率も34〜56%と高いので、効果を感じやすいでしょう。

パニック障害にCBDを使う3つのメリット

パニック障害は通常医薬品を使って治療しますが、先ほど紹介した2017年の海外の研究では、CBDをSSRIやベンゾジアゼピン系抗不安薬の代わりとして治療に使えるかもしれないと結論付けられています。

CBDがパニック障害に効果があることが証明された場合、医薬品ではなくCBDを治療に使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

3つのメリットについて説明していきます。

1. CBDには強い胃腸障害がない

CBDには抗うつ薬によく見られる強い胃腸障害がないという大きなメリットがあります。

CBDは副作用があまりなく、安全性の高い成分であることが証明されているのです。※5

それに対してSSRIは、特に飲み始めに辛い胃腸障害になることも多く、「強い吐き気や下痢、腹痛で服用を続けられない」と、薬の効果が出る前に服用を止めてしまう患者もとても多いです。

CBDも副作用として、食欲が下がったり下痢になったりすることがあると報告されてはいます。
しかし、副作用が起こるのはまれで、高用量のCBDを摂取しない限りは心配ないと言われています。万が一副作用が起きたとしても、軽い症状で済むことがほとんどです。

医薬品による強い胃腸障害が起こると、普段の生活に支障が出るほど辛さを感じる人もいます。
一度強い胃腸障害が起きると、もう抗うつ薬は飲みたくないと拒否反応を示す患者もいます。
そのような副作用が起こらないCBDをSSRIの代わりに使えるとしたら、患者にとって大きなメリットになることは間違いありません。

2. CBDは依存性や離脱症状、耐性が起こらない

CBDは長期に渡って摂取しても、ベンゾジアゼピン系抗不安薬のような依存、離脱症状、耐性は起こりません

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、普段気軽に服用する人がいるほど身近な薬ですが、長期に服用すると依存、離脱症状、耐性などの大きな問題が起こることもあります。

依存とは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を飲まずにはいられなくなること。
離脱症状とは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を止めるときに急に止めると、不安症状が以前よりも強くなったり、何日も眠れなくなったり、動悸が続いたりすること。
耐性とは、今まで服用している用量では効果が出なくなり、用量を増やさなければいけなくなることを言います。

このような問題をできる限り防ぐためには、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を長期に渡って服用しないことや、必要時にだけ服用することが重要です。
また、もし長期に服用してしまった後に薬を中断するときには、離脱症状が起こらないように時間をかけて徐々に用量を減らしていかなければなりません。

CBDにはこのような問題が起こらないことがメリットの一つです。
長期に渡って摂取できますし、依存性も離脱症状もないため、中断したい場合でも徐々に用量を減らす必要はなく、止めたい時に止められます。

3. CBDは抗うつ薬と抗不安薬の両方の働きがある

CBDにはSSRIとベンゾジアゼピン系抗不安薬の両方の薬と同じような働きがあります

医薬品で治療する場合は、普段服用する薬はSSRI、不安時にはベンゾジアゼピン系抗不安薬と使い分けなければなりませんが、CBDをSSRIやベンゾジアゼピン系抗不安薬の代わりに使えるとすると、医薬品のように使い分けをする必要がなくなります。

複数服用していたものをシンプルにすることによって、薬の携帯のし忘れや、飲み忘れを防ぐことにもつながるでしょう。

CBDをパニック障害に使う際の注意点

CBDは、人によって効果の出方が違うという特徴があります。
同じ量を摂取しても、人によって効果がかなり出る人もいれば、何も変わらないという人もいます。
CBDがパニック障害に効果があると証明されたとしても、自分の症状に効果があるかどうかは正直なところ摂取してみなければ分かりません。

CBDはSSRIやベンゾジアゼピン系抗不安薬と同じような作用があると期待されていますが、医薬品と同じような作用があっても、同じ強さで効果が出るとは限らないというのも覚えておいてほしい点です。
症状の重さによってはCBDでは効果がないこともあり得ます。

このようなことを踏まえて、CBDをパニック障害の緩和に使う際には次のことについて必ず注意してください。

医薬品からCBDに代える前に、CBDが自分のパニック障害の症状に効くかどうか試してみること
CBDを試す際は、最初に主治医に相談し、主治医の了承をもらった上で、CBDを試すこと

試してみてCBDの効果があった場合には、服用している医薬品を中止したいと考える人が多いと思います。
しかし、そのようなときにも勝手に中止せず、主治医に必ず相談してください。

離脱症状を避けるため、主治医にアドバイスをもらいながら薬を少しずつ中止していくと良いでしょう。

CBDとパニック障害に関するよくある質問

Q.CBDはパニック障害に効果がありますか?

CBDは、パニック障害に効果があると期待されています。
理由はCBDに、パニック障害の治療薬として使われる抗うつ薬のSSRIや、ベンゾジアゼピン系抗不安薬と同じような作用があることが研究から分かっているからです。

Q.不安な時にCBDを試したいです。どのくらいで効きますか?

CBDは製品によって効果の発現時間が違います。
舌下摂取をするCBDオイルは15分から1時間、吸入摂取をするCBDリキッドは数秒から10分、CBDのカプセルや食品は、30分から2時間くらいすると効き始めると言われています。

急な不安感をすぐに和らげたい場合は、発現時間が短い製品を選ぶのがおすすめです。

Q.抗うつ薬の副作用が怖いのでCBDを試したいのですが、注意点はありますか?

CBDは人によって、また症状の重さによって、十分な効果を感じないこともあります。

CBDで効果があるか確かめるためにも、まずはCBDを試してみることが必要です。
万が一効果が感じられなかった場合には、薬物治療を含め、他の治療法についても考えておかなければなりません。
CBDを試す前に必ず、主治医にCBDを摂取したいことを伝え、相談してください

【参考資料】

※1 The mechanism of the sympathoinhibitory action of urapidil: role of 5-HT1A receptors.

※2 Evidences for the Anti-panic Actions of Cannabidiol

※3 Cannabidiol Acts at 5-HT1A Receptors in the Human Brain: Relevance for Treating Temporal Lobe Epilepsy 

※4 The direct actions of cannabidiol and 2-arachidonoyl glycerol at GABA A receptors

※5 An Update on Safety and Side Effects of Cannabidiol: A Review of Clinical Data and Relevant Animal Studies

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

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