【薬剤師執筆】CBDやCBDオイルの過剰摂取は危険?グミの食べ過ぎは?

CBDやCBDオイルの過剰摂取は危険?

CBDは様々な健康・治療効果が期待されている成分です。
最近、世界中の多くの人々がCBDの効果に注目し、健康を維持する目的や治療のためにCBDを摂取するようになりました。

CBDは副作用がほとんどなく、安全性の高さがすでに証明されているため、これから自分も健康維持のためにCBDを摂取し始めたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、CBDを始めるにあたって多くの人が悩んでしまうポイントがあります。CBDの摂取量についてです。

一般的なサプリメントや医薬品には、一日どのくらい服用すべきかや、服用しても良い最大用量などが説明書に書いてありますが、CBD製品の説明書には摂取用量については書いてありません。

そのため、摂取した量が過剰だったらどうしよう、適切な用量が分からない、過剰に摂取した場合に健康被害が起きるのではないかなど不安になる人もいます。

特に食べやすいCBDグミなどは、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるので、余計に不安になるのではないでしょうか。

今回は、CBDの過剰摂取について、どのくらいの用量まで摂取できるとされているのかや、過剰に摂取した場合に起こる症状、またCBDグミの食べ過ぎなどについて解説をしていきます。

CBDの危険性や、安全に使う方法については、こちらの記事もご覧ください。
→ CBDやCBDオイルに危険性はあるの?

目次

摂取しても良いCBDの量はどれくらい?

2017年のCBDの用量に関する海外の調査によると、一日1,500mgの高用量のCBDを摂取しても、健康上の問題が起こらず、安全性に問題ないことが報告されました。※1

1,500mgがどのくらいの高用量なのか、また安全な用量とはどのくらいなのかについて探っていきましょう。

CBD1,500mgとはどのくらい高用量なの?

例えば、一般的なCBDオイルには300〜1,500mgのCBDが含まれています。
つまり、CBDボトルを一日に1~5本分摂取しなければCBD1,500mgに到達しないということが分かります。

CBDの一日量は人によって違いますが、通常CBDオイルについているスポイトで、数滴から数十滴を摂取することが多いです。
一日にボトルを何本も空けてしまうのはあまり考えられないことから、CBD1,500mgがいかに高用量かが分かるのではないでしょうか。

ちなみにCBDグミで、グミ1個に25mgのCBDが含まれているとすると、1500mgのCBDを摂取するためには、グミを60個食べることになります。
コンビニに売っている普通のグミは1袋に15個くらい入っているので、それを4袋分食べるのと同じ量です。

気が付くとお菓子を一袋分食べていたという経験がある人は、CBDグミなら1,500mg食べてしまうこともあるかもしれないと思ったかもしれません。
しかし、やはり60個のグミというのは、かなり多いという印象です。

海外の文献では、それほどの高用量を摂取してもCBDは安全に摂取できるという結果になっています。

自分にとっての適切なCBD用量を見つける方法

1,500mgという高用量でも安全に摂取できるという研究結果は出ていますが、CBDを摂取する際にご自身にとっての適切なCBD用量を知ることはとても重要です。

CBDは人によって効果のあらわれ方が違います。
同じ容量を摂取しても、効果を体感できる人もいれば全く効果を感じない人もいるのです。

<自分にとっての適切なCBD用量の見つけ方>
初めてCBDオイルを摂取する際には、CBDを一日5〜15mgを目安に一週間ほど摂取してみましょう。

用量が不十分で、期待する効果があらわれない場合には、1滴ずつ増やしてどの用量で効果があらわれるかを見て下さい。
効果があらわれ始めた用量が、ご自身にとっての適量であり、安全な用量ということになります。

CBDを過剰摂取したら危ない?中毒にはならないの?

CBDを摂取し過ぎた場合、どのような症状が起きるのか対処法を含めて説明していきます。

CBDを過剰摂取すると副作用があらわれやすくなる可能性がある

ご自身の適量を超えてCBDを過剰に摂取すると、CBDに報告されている副作用が起こりやすくなることが考えられます。

CBDの副作用は、起こったとしても症状は軽いと知られていますが、起こり得る副作用として、口の渇き、下痢、食欲の変化、体重の変化などがあります。
CBDを過剰に摂取すると強い眠気が起こったり、一時的に血圧が低下し、めまいなどの症状があらわれたりすることも報告されています。

ただし、これらの副作用の症状は、CBDの摂取を中止することで回復することがほとんどです。
また口の渇きに関しては、CBDが唾液の成分を抑制することで起こりますが、CBD摂取の際に水分を摂ることで解決することができます。

CBDに中毒性はない

CBDを過剰に摂取することで中毒性が出てしまうのではないかと思う人も中にはいると思います。

CBDは、大麻草から抽出される成分のため、大麻草のイメージからCBDにも中毒性があるのではないかと勘違いしてしまっていることが予想されます。

CBDには中毒性もありませんし、大麻草で問題となるような人をハイにする作用も一切ありません。

CBDは安全性が高い成分であることがすでに証明されていますので、安心して摂取することができます。

ただし、海外の国の中には、人をハイにする作用をもつ大麻成分であるTHCが合法のところもあるため、海外から直輸入している製品の中にはCBDオイルの中にTHCが検出されるような劣悪な製品もあります。

そのような製品を過剰に摂取してしまうと、THCも過剰に摂取してしまうことが考えられ、安全性が保てなくなる可能性があります。

CBD製品を購入する際には、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにし、怪しい製品には手を出さないことが重要です。

CBD製品が第三者機関の検査を受けているか、検査結果を公表しているかも信頼するための基準となりますので参考にしてください。

CBDグミの食べ過ぎは糖分にも注意

ここまでCBDの過剰摂取について説明してきましたが、CBDグミを過剰に摂取してしまった場合には、CBDだけではなく糖分の過剰摂取についても考える必要があります。

いくらCBDには健康効果があると言われているとしても、糖分を取り過ぎてしまった結果、健康を崩してしまっては意味がなくなってしまいます。

特に糖尿病を患っている人や、糖尿病予備軍の人は気を付けてください。
CBD製品の中には砂糖が含まれていない製品も販売されているので、糖尿病がある方はそちらの製品の方がおすすめです。

CBDとグミ食べ過ぎに関するよくある質問

Q.いつもCBDグミを1個か2個食べていますが、今日は5個食べてしまいました。身体に悪影響はありますか?

CBDは1,500mg という高用量を摂取しても健康上の問題にはならないことが報告されていますので、5つ食べたとしても安全性に問題はないと考えられます。

ただし、1個か2個で効果を体感することができているなら、今後は多く食べ過ぎないようにした方が良いです。
ご自身の適切な用量を守ることで、副作用が起こる可能性を極力抑えることができ、より安心してCBDを摂取していただけます。

Q.グミを食べ過ぎて起こる副作用を予防することはできますか?

CBDの副作用は、口の渇きや下痢、体重・食欲の変化などが報告されていますが、口の渇きはCBDを摂取する時に水を補給することで予防することができます。
他の副作用に関しては、予防するよりも、万が一副作用が起こったらCBDを中止して様子を見るという対処法を覚えておく方が大事です。

CBDは通常量を摂取していれば副作用はほとんど起きません。
万が一過剰に摂取してしまった場合は、上記のような副作用や、血圧の低下、眠気の増強などが起こる可能性が上がることもあります。

しかし、重要なのは副作用を予防することではなく、CBDを過剰に摂取しないようにして副作用を極力起こさないようにすることと、万が一副作用が起きてしまった場合の対処法を知っておくことです。

Q.糖尿病があります。CBDグミを摂取する上での注意点を教えてください

CBD自体は安全性が高い成分のため、安心して摂取していただけますが、糖尿病をお持ちで、CBDグミなど糖分の入ったものを摂取する場合には、血糖値に注意してください。

食事療法などで一日に摂取できる糖分量が決まっている場合には、その糖分量の範囲内で摂取することや過剰に摂取しないようにすることが大事です。
CBD製品の中には糖分が入っていないものもあるのでそちらを選択するのもおすすめです。

また、CBDは糖尿病の薬である経口血糖降下薬と相互作用を起こす可能性があることが報告されています。

CBDが血糖降下薬の作用を必要以上に高めてしまうことも考えられますので、薬物治療をしていて血糖値を下げる医薬品を服用している場合には、主治医にCBDとの相互作用について確認し、CBDを摂取して良いかについて相談してください。

【参考資料】
※1 An Update on Safety and Side Effects of Cannabidiol: A Review of Clinical Data and Relevant Animal Studies

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

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