CBG(カンナビゲロール)は、大麻草の安全な成分の一つです。
大麻草の安全な成分といえば、CGD(カンナビジオール)が有名ですよね。CBGは、CBDと名前が似ているので、同じものだと勘違いしてしまう人も多いですが、CBGとCBDは違うものです。
CBDを含む大麻草のすべてのカンナビノイドはCBGが基になっていて、大麻草の成長するにつれてCBGが化学変化をした結果できたものなんです。そのため、CBGは、Mother of Cannabinoids(すべてのカンナビノイドの母)と呼ばれています。
またCBGは、大麻草の成長過程で分解してしまい、抽出される量が少ないことからマイナーカンナビノイドとも呼ばれます。
希少なカンナビノイドであるCBGは、CBDに比べると研究があまり進んでいませんでした。しかし最近になり、CBGの効果についての研究が少しずつ行われ始めた結果、CBGが身体にメリットをもたらす成分であることがだんだん分かってきました。
今回は、CBGに期待されている効果や、CBGの副作用、CBGとCBDの違いについて解説していきます。
CBGはどのような健康・治療効果がある?
代表的な3つの効果
CBGは希少なカンナビノイドなため、研究があまり進んでいませんでした。しかし最近になって、CBGの医学的な効果についての研究が少しずつ行われるようになってきました。
2018年のCBGの作用に関する海外の研究によると、CBGはCB1、CB2と呼ばれるカンナビノイド受容体に作用して、エンドカンナビノイドシステム(ECS)を活性化することが報告されました。
CBGは、ECSを活性化し、身体の恒常性を保つことによって様々な医学的効果を身体にもたらすことが期待されます。
実際にCBGがどのような医学的効果をもたらす可能性があるのか、代表的な3つの効果について見ていきましょう。
1.抗炎症効果
CBGには、炎症を抑える効果があることが期待されています。
2011年の研究では、CBGなどのカンナビノイドが抗炎症効果をあらわすことが報告されています。
2013年には、腸の炎症とCBGについてのマウスの研究が海外で行われました。その研究の結果、CBGは炎症性腸疾患の症状を軽減するのではないかと結論付けられました。
腸の炎症は、腸内に存在する微生物を身体が攻撃しようとして、アレルギー反応を起こすことによって起こります。
この研究において、腸内のアレルギー反応による炎症がECSによって抑えられることが分かりました。
CBGは、ECSを活性化することによって炎症を抑え、腸内が正常に保たれるようにバランスをとっているのではないかと考えられます。
2.抗菌・抗真菌作用
CBGは、細菌による感染症の治療に効果がある可能性があります。
2008年に、カンナビノイドとメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)についての研究が行われました。その結果、CBGを含むカンナビノイドが、MRSAに対して強力な抗菌作用があることが報告されました。
MRSAは、メチシリンという強力な抗生物質を始め、他の多くの抗生物質が効かない細菌です。
健康な人が感染をしても自分の免疫力で解決できるため、大きな問題になりませんが、病気を患っていたり、高齢だったりして抵抗力のない人が感染すると、多くの抗生物質が効かないため、治療が難しく、重症化しやすくなります。病気の人が大勢いる病院や高齢者の介護施設などで、MRSAが発生すると院内感染が広がり、深刻な問題になることもめずらしくありません。
CBGなどのカンナビノイドは、MRSAに抗菌作用をあらわすことで、院内感染防止などに役立つことが期待されます。
3.神経保護作用
CBGには神経保護作用が期待され、ハンチントン病などの神経変性疾患に治療効果がある可能性があります。
ハンチントン病とは、脳の中の大脳基底核という部分の神経が変性していく遺伝性・進行性の疾患で、自分の意志に反して手足や顔面が動いたり、認知機能障害、うつや妄想などの精神症状が起こります。
2015年にハンチントン病とCBGについてのマウスでの研究が海外で行われました。
その研究によると、CBGが神経の変性の治療に有効である可能性があることが分かりました。CBGを単独で摂取したり、他の植物性のカンナビノイドと組み合わせることで、ハンチントン病などの神経が変性する疾患の治療ができるのではないかと考えられています。
その他期待される7つの効果
CBGには以下のような効果があることも期待されています。
1.骨形成促進
CBGは骨形成を促進する効果がある可能性があります。
2007年に行われた骨髄細胞とCB2受容体についての研究では、CBGを含むカンナビノイドがCB2受容体を介して骨の形成と吸収を調節する可能性があることが示唆されました。
2.腫瘍の抑制
CBGは、結腸・直腸がんの治療に役立つ可能性があります。
2014年にCBGと結腸・直腸がんのラットでの研究が海外で行われました。
結果的にCBGは、ラットのがん細胞や他の腫瘍の進行を抑え、増殖を抑制したことが報告されました。
この研究の専門家は、CBGが、結腸・直腸がんの治療だけでなく、予防においても効果があるのではないかと強調しています。
3.鎮痛作用
CBGには鎮痛作用があることが期待されています。
2008年の研究報告では、CBGがTHCよりも強力な鎮痛活性があることが報告されました。
4.膀胱機能障害への効果
CBGは、膀胱機能障害に効果がある可能性があります。
2015年に行われたCBGと膀胱機能障害についてのマウスの研究では、CBGが膀胱の収縮を刺激し、膀胱機能を改善することが示唆されました。
この研究は、CBGのほかCBDやCBCなど他のカンナビノイドでも行われましたが、CBGの効果が一番高かったとのことです。この結果からCBGが、膀胱機能障害の治療に最も有効であると結論付けられています。
5.不安の緩和
CBGには不安の緩和作用がある可能性があります。
2021年の大規模調査では、不安を抱えた患者の大多数がCBGによって症状が「非常に改善された」「かなり改善した」と報告しました。
6.乾癬などの皮膚治療
CBGは、乾癬などの皮膚治療に効果があることが期待されています。乾癬は、ケラチノサイトと呼ばれる表皮細胞の過剰な増殖を特徴とする炎症性の疾患です。
2006年の研究では、CBGを含むカンナビノイドがケラチノサイトの増殖を阻害し、乾癬の治療の重要な役割を果たすのではないかと結論付けています。
7.緑内障治療
CBGは緑内障の治療に有効である可能性があります。
2008年に行われたカンナビノイドと緑内障の研究によると、CBGなどのカンナビノイドが緑内障の治療に応用できるのではないかと報告されました。
緑内障は眼圧が上がる疾患ですが、数十年にわたる研究から、摂取法に関係なく、カンナビノイドが眼圧を下げる効果があることは証明されています。
CBGがどのように眼圧を下げるのかの詳細はまだ分かっていませんが、眼圧に関係する目の部分にカンナビノイド受容体が存在し、CBGがその受容体に作用することにより眼圧を下げているのではないかと考えられています。
CBGは安全?副作用はある?
CBGの安全性について見ていきましょう。
ハイになったりする?
CBGはすべてのカンナビノイドの母であるので、THCの前駆体※でもあります。
※前駆体とは、化学物質が生成する前の段階に位置する物質のこと
THCには陶酔作用や中毒性があり、日本では違法な成分です。そのため、CBGもTHCと同様に危険なのではないかと思う人もいるのではないでしょうか。
CBGはTHCとは全く別の成分です。CBGに陶酔作用や中毒性はありませんし、もちろん合法で使用できます。CBGを使用したからといってハイになったり、キマったりはしません。
副作用はある?
CBGには軽い副作用が報告されています。
2022年の海外の研究では、副作用として、喉の渇き、眠気、食欲増進、ドライアイが報告されています。
また、CBGには吐き気を起こす作用があるため、吐き気が副作用として起こることもあります。吐き気が起こった場合にはたっぷりの水分と、少量の食事を摂ることで症状を改善することができます。
CBGの副作用は、いずれも軽度なものであり、不快な症状が起こった場合にはCBGの量を減らしたり、摂取自体を中止すれば回復するでしょう。万が一症状が続く場合は、医師の診察を受けてください。
日本で違法?合法?
CBGは、CBDと同じように日本で合法的に使用できます。CBGはハイになったり、中毒になったりする作用がなく、安全性が高いとされているからです。
大麻草の成分で違法とされているのは、THCのみと覚えておきましょう。
CBGとCBDの3つの違い
CBGとCBDには似たような効果が多いですが、違いもあります。3つの違いを解説していきます。
1.作用のメカニズムが違う
CBGは身体の中のCB1やCB2という受容体に直接作用することで、ECS※を活性化し、効果をあらわします。
※ECSとは、体内の環境を一定に保とうと調節する機能(ホメオスタシス(恒常性))のこと。細菌やストレス、炎症、痛みなどにさらされても、回復し生きていけるのはECSが働いているからと言われている。
それに対して、CBDは、直接受容体に作用するのではなく、体内で作られるカンナビノイドの分解を防ぐことで間接的にECSを活性化して効果をあらわすということがわかっています。
どちらもECSを活性化して効果を発揮することは共通していますが、CBGは直接受容体に作用する分、CBDよりも作用が強力なのではないかという意見もあります。
2.吐き気に対する作用が違う
吐き気に対する作用は、CBDとCBGで真逆の結果になります。
2014年の海外の研究では、CBDが、セロトニン受容体である5-HT1Aという受容体を刺激するのに対して、CBGは5-HT1A受容体を抑制する働きがあるということが報告されました。
また、2011年の海外の研究では、CBGとCBDは5-HT1A受容体においてお互いに拮抗する可能性があることが報告されました。
5-HT1A受容体は、吐き気や嘔吐の作用に関わっていて、刺激すると吐き気や嘔吐は軽減し、抑制すると吐き気や嘔吐が起こりやすくなります。
CBDは吐き気を改善する作用があるのに対して、CBGは吐き気を起こす作用があるということがこれらの研究により示唆されました。
3.食欲に対する作用が違う
CBGとCBDは食欲に対する作用も真逆です。
2012年の海外の研究では、CBDがCBGを含む他のカンナビノイドと比べて食事の摂取量を大幅に減らす効果があることが示唆されました。
つまりCBGが食欲増進効果があるのに対して、CBDは食欲抑制効果が期待できるということです。
食欲に対する真逆の作用は、目的によって使い分けることができます。たとえば、ダイエットがしたければ食欲を減らすことが期待できるCBDの摂取が最適といえます。食欲不振を改善したいならw、CBGのような食欲増進効果のあるカンナビノイドの摂取が良いでしょう。
CBGとCBDの違いについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
→CBGとは?危険性はあるの?効果や作用・CBDとCBGの違いも解説!
CBGが含まれている商品の紹介
CBGが含まれている商品を3つ紹介します。
1.20%CBGオイル:Naturecan cbg
Naturecan cbgは、日本ではまだ数少ないCBGのオイルです。
10mLのオイルにはCBGが2,000mg、30mLのオイルには、CBGが6,000mg入っています。
NaturecanのCBGオイルはすべてTHCフリーです。また使われている材料は、第三者機関のテストを受けて認可されていますので、安心して使用することができます。
CBDを溶かすために使われているキャリアオイルもオーガニックのオイルを使うなど品質にとてもこだわっています。
2.CBGグミ:CannaTech CBD CBN CBG グミ
CannaTech CBD CBN CBG グミは、CBGが10mg、CBDが10mg、 CBNが10mg含まれているグミです。味の種類は青りんご・グレープ・パイナップルの3種類あり、摂取しやすくなっています。
また、第三者機関においてカンナビノイド成分分析を行い、THCフリーの旨を確認しているので、安心して摂取できます。また、品質も安定しています。
CannaTech CBD CBN CBG グミの大きな特徴は、特許製法でTHCを選択的に除去したCBDオイルを使用しているので、合法であるマイナーカンナビノイドや、テルペンがグミに豊富に残っていることです。そのため、相乗効果であるアントラージュ効果が期待でき、効果を体感しやすいでしょう。
3.CBDサプリ:endocaカプセルヘンプオイル
endocaカプセルヘンプオイル は、カプセルタイプのCBDサプリメントです。
endocaのカプセルヘンプオイルには、CBDの他に低濃度のCBG、CBC、CBNが含まれています。また、ミルセンやリモネンなどのテルペン類も含まれているため、相乗効果であるアントラージュ効果が期待できます。
カプセルヘンプオイルで使われているカプセルは、グルテンフリーのカプセルです。 ヴィーガンやベジタリアンでも食べられる100%植物成分でできたカプセルになっています。防腐剤、人工着色料、デンプン、砂糖、トウモロコシ、小麦、乳製品は使用されていません。
CBGの効果についてよくある質問
Q.CBGにはどんな効果がありますか?
CBGには、抗炎症効果、抗細菌・抗真菌、神経保護、骨の形成促進、腫瘍の進行・増殖抑制、鎮痛、膀胱機能障害改善、不安の緩和、乾癬などの皮膚の治療、緑内障改善、食欲不振改善などの効果があることが研究でわかってきてます。
Q.CBGとCBDは何が違うんですか?
CBGとCBDは、作用のメカニズムが違います。また、吐き気や食欲に対する効果が真逆です。CBGは、吐き気を起こす作用、食欲を増進させる作用があるのに対して、CBDは、吐き気を抑制し、食欲を減らす作用があるという研究結果があります。
Q.日本でCBGを使っても大丈夫ですか?
CBGは日本で合法的に使用できます。ハイになったり、中毒になったりする作用がなく、安全性が高いとされています。