CBN・CBG・CBDの違いは?作用・効果を徹底比較!どれを使うべき?

CBN・CBG・CBDの違いは?

大麻草の成分であるカンナビノイドといえば、CBDとTHCが有名ですね。

しかし、大麻草のカンナビノイドは他にも多く存在します。大麻草には約150種類のカンナビノイドが含まれていると言われており、それぞれが独自の構造や作用特徴を持っています。

CBDとTHC以外で最近よく知られるようになったカンナビノイドには、CBNやCBG、CBCなどが挙げられます。

この記事ではCBNとCBGに焦点を当て、CBDとの違いや似ている点などについて取り上げていきます。

目次

CBNとは?

CBN(カンナビノール)とは、大麻草の成分であるカンナビノイドの一つです。

CBNは、CBDやTHCのように大麻草にもともと含まれている成分ではなく、THCが熱や紫外線、酸素、温度などにさらされて分解した結果、生成されます。つまり、大麻草が古くなるにつれてTHCがCBNに変化していくのです。

大麻草から抽出できるCBNは1%未満ととても少ないため、CBNはレアカンナビノイド(希少カンナビノイド)とも呼ばれています。CBN製品を作るためには大量の大麻草が必要になるため、CBN製品の値段は高価になる傾向があります。

CBNが希少だということもあり、CBNの研究は、残念ながらあまり進んではいません。しかし、今まで行われた研究によると、CBNにはいくつかの健康・治療効果があることが期待できるとされています。最近では「CBNの効果を体感したい」と、CBNを摂取し始める人も増えています。

CBNについて以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

参考:CBNとは?違法・危険じゃないの?効果や使い方を紹介

CBGとは?

一方CBG(カンナビゲロール)も、大麻草の成分であるカンナビノイドの一つです。

CBGは、「カンナビノイドの母」とも呼ばれますが、その理由はCBGがCBDやTHC、CBCなど、大麻草に含まれている全てのカンナビノイドは、CBGが化学変化をして分解した結果、できるものだからです。つまり、CBGは、大麻草に含まれるカンナビノイドの基になっています。

CBGは、CBDやTHCなどに変化しなかったものだけ、大麻草に残ります。植物が成長すればするほどCBGのほとんどがCBDなどに変化してしまうため、抽出できるCBGは大麻草からとれる成分のうち1%未満と言われています。そのため、CBNと同じように、CBG製品の値段は高価なことが多いです。

CBGもCBNのように研究は、CBDに比べるとあまり進んではいません。しかし、最近になってCBGにも健康・治療効果があることが分かってきました。

CBGについて以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

参考:CBGとは?危険性はあるの?効果や作用・CBDとCBGの違いも解説!

CBDとは?

CBDもCBNと同じ大麻草の成分であるカンナビノイドの一つです。

CBDは大麻草にもともと含まれている成分であり、CBGやCBNと比べると多く抽出できます。

CBDには精神活性作用は全くありません。副作用も少なく、万が一起こっても軽い症状であることから、安全性が高い成分として有名です。

CBDに関する研究は、CBN・CBGに比べてはるかに多く行われています。それらの研究において、CBDには、多くの健康・治療効果が期待できることが分かってきました。そのため、世界中の多くの人がCBDの効果で健康維持をしたいと、CBDを日常的に摂取しています。

CBN・CBG・CBDは何が違う?3つの違いとは?

同じ大麻草のカンナビノイドであるCBNとCBG、CBDにはどのような違いがあるのでしょうか。
3つの違いについて解説します。

1.精神活性作用の有無

CBDには、THCのような人をハイにするなどの精神活性作用はないことは先ほど説明しました。

CBGは分解するとTHCになるため、精神活性作用があるのではないかと思われがちです。しかし実は、CBGにも精神活性作用はありません。

それに対してCBNは、わずかですが精神活性作用があります。THCが分解したものがCBNなので、弱い精神活性作用が残っていると考えると分かりやすいでしょう。

ただし、CBNの精神活性作用は非常に弱く、あるとしてもTHCの10%ほどしかありませんので、CBNを摂取してハイになることはまずありません。

2.身体への作用経路の違い

CBNは、脳内のCB1というカンナビノイド受容体(※)に直接作用することで、エンドカンナビノイドシステム(ECS)(※)を活性化し、健康・治療効果をあらわすと言われています。

※カンナビノイド受容体とは、カンナビノイドの作用のシグナルを受け取り、体内に伝える働きがあるたんぱく質のこと。CB1、CB2と呼ばれる2つのタイプがある。

※ECSとは、体内の環境を一定に保とうと調節する機能(ホメオスタシス(恒常性))のこと。細菌やストレス、炎症、痛みなどにさらされても、回復し生きていけるのはECSが働いているからと言われている。

CBGは、脳内のCB1だけでなく、CB2受容体にも直接作用し、ECSを活性化すると言われています。

それに対してCBDは、CBNと同じようにECSを活性化する作用はあるものの、カンナビノイド受容体に直接は作用せず、体内で作られるカンナビノイドの分解を防ぐことでECSを活性化すると考えられています。

CBNもCBGもCBDも、結果的な作用はECSの活性化と共通していますが、作用過程がそれぞれ異なっています。

3.効果の違い

今までのCBNの研究から、CBNには睡眠の補助、痛みの軽減、神経の保護、抗炎症、抗酸化、食欲増進効果が期待できることが分かっています。

CBGは、炎症性腸疾患、緑内障、結腸・直腸がん、ハンチントン病、膀胱機能障害の改善、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の抗菌作用、食欲増進効果などがあると考えられています。

CBDは、CBNやCBGに比べて多くの研究が行われているので、その分期待できる効果の種類も多いです。中にはCBNやCBGと同じような効果もあります。

しかし、食欲に対してや、嘔吐への作用は違いがみられます。また、睡眠補助効果へのCBNとCBDの強さに違いがあるという意見もあります。詳しく見ていきましょう。

食欲に対する効果の違い

2016年にCBGと食欲に関するラットの研究では、高用量のCBGに食欲を増進する効果があることが報告されました。※1

2012年に行われたCBNとCBDに関するラットの食欲の研究では、CBNがラットのエサの消費量を増やしたという結果と、CBDがラットのエサの消費量を減らしたという結果が出ました。※2

つまりCBGとCBNの作用がCBDとは真逆の結果になったということです。

この真逆の効果は、治療に活用する際に目的別に使い分けられる可能性があることを示しています。

たとえば、CBGやCBNの食欲増進効果は、がんやHIVの症状・治療により食欲が下がった患者に、CBDは過食症の患者やダイエットに有効なのではないかとも考えられています。

吐き気と嘔吐に対する効果の違い

2014年の海外の研究によると、CBDが、吐き気を抑制するのに対して、CBGは吐き気を起こさせる作用があるという結果が出ました。※3

吐き気の作用には、セロトニン受容体である5-HT1Aという受容体が関わっていますが、CBDは5-HT1A受容体を刺激するのに対して、CBGは5-HT1A受容体を抑制する働きがあると報告されています。

このように同じ植物から抽出されるカンナビノイドでも逆の作用があることが分かります。

睡眠に導く効果に関する見解の違い

CBNとCBDには、睡眠に導く効果があると言われていますが、中には、CBNの方がCBDよりも睡眠に導く作用が強いため、眠れない場合はCBNを選んだ方がいいという意見もあります。

このことが事実であれば、睡眠補助の作用の強さにおいてCBNとCBDに違いがあることになります。しかしこのことに関しては、はっきりとは分かっていないというのが実際のところです。

そもそもCBNの研究は、数多く行われていないため、CBGの睡眠効果がCBDよりも強いことを証明した研究はまだありません。

しかしCBNの睡眠効果を調べ、強い睡眠効果が得られたという研究結果はわずかですがあります。ですがその研究結果は、CBNのみの睡眠効果ではなく、CBNに混ざり込んでいるCBDやTHCの影響を受けている可能性も高いもの。CBNのみの効果だと確定することができないのです。

一方で、時間が経ち古くなった大麻を吸うと、強い脱力感を感じるという意見もあります。そのことから、THCがCBNに変化した結果、脱力感・睡眠効果が強くなったのではないかと考える人もいます。

たしかにTHCは時間が経つとCBNに分解されます。古くなった大麻にはCBNが多く含まれているため、CBNの効果で脱力感が強くなったと考えることはできそうです。

しかし、大麻草にはTHC以外にも多くの種類のカンナビノイドが含まれています。脱力感が強くなったのは、THC以外のカンナビノイドの効果である可能性も考えられるため、やはりCBNだけの効果だと確定することはできません。

少なくとも今の時点では、CBNとCBDの睡眠効果の強さに違いがあるとは断言できません。CBNの睡眠効果がCBDよりも強いことを証明するには、今後のさらなる研究が必要です。

CBNとCBDの共通点

CBN、CBGとCBDの異なる点が分かったところで、似ている点についても解説します。
 

1.ECSを活性化させる作用

先ほど説明したように、CBN、CBGとCBDには、作用の過程は違うものの、ECSを活性化する作用があるというところが一致しています。そのため、食欲に対する作用など違う点もありますが、3つのカンナビノイド作用は、似通っているところもあると考えられています。

2.キマる可能性の低さ

二つ目の共通点は、CBN、CBG、CBDも人をハイにさせず、安全性が高いという点です。

CBNには精神活性作用があることは説明しましたが、THCよりもかなり弱いため摂取してもハイにはならず安全性が高いと言われています。また副作用に関しても今のところ少ないと言われています。

CBG、CBDにはもともと精神活性作用はないため、摂取してもハイになることはありません。CBDは副作用も少なく、安全性が高いことが証明されています。CBGに関しても今のところ報告されているのは、軽い副作用です。

ただしCBG、CBNについては、研究がまだそれほど多くないため、副作用についても確定を断言できません。持病がある人などは、CBG、CBNを摂取することについて医師や薬剤師などの専門家に相談してから摂取した方が安心でしょう。

3.日本での合法性

三つ目の共通点は、CBN、CBGはCBDと同じく違法ではなく合法という点です。

CBNは、THCが分解することにより作られた成分であること。そして、CBGは、分解しTHCになる成分であることから、THCと同じように違法ではないかと勘違いしがちです。しかし日本においてCBNやCBGは違法薬物として登録されていません。つまり、CBNやCBGを所持・購入・摂取しても合法です。

CBNとCBGは、THCに関連する成分ではあります。ですが、精神活性作用が非常に弱かったり、なかったりすることなどから分かるように、CBN、CBGはTHCとは異なる化合物です。

CBN、CBG、CBDの違いに関するよくある質問

Q.CBNとCBG、CBDの作用には、どのような違いがありますか?

CBNとCBG、CBDの作用には、いくつかの違いがあります

CBNには、CBDやCBGにはない精神活性作用が多少あります。その他には、CBNやCBGには食欲を増進させる効果があるのに対し、CBDは逆に食欲を減らす効果があります。またCBGには吐き気を起こす作用があるのに対し、CBDには吐き気を止める作用があるなどの違いがあります。

3者にはそれぞれ異なる点もあるので、用途によって使いわける必要がありそうですね。

Q.CBNとCBDは同じくらいの値段で買えますか?

CBNやCBGは、レアカンナビノイドと呼ばれるくらい希少なもの。そのためCBN、CBGの製品はCBDよりも高めに設定されていることが多いです。

Q.睡眠に使いたいのですがCBDとCBNどちらがおすすめですか?

睡眠効果はCBNの方がCBDよりも強いのではないかという意見もありますが、研究などにより実際に証明されているわけではなく、実際はどちらが強いのかはまだ分からない状態です。

CBDやCBNは、人により効果の感じ方が違うという特徴もあるので、どちらが効果的か一度ご自身で確かめてみるのが一番良い方法かもしれません。安全性に関してはどちらも高いと言われているので、服用している医薬品などがなければ、気軽に試してみてください。

【参考資料】
※1 Cannabigerol is a novel, well-tolerated appetite stimulant in pre-satiated rats
※2 Cannabinol and cannabidiol exert opposing effects on rat feeding patterns
※3 Effect of Phytocannabinoids on Nausea and Vomiting

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