筋トレ時にCBD使うメリットは?筋肉に効果的な摂取タイミングと注意点

筋トレ時にCBD使うメリットは

筋トレと言えば、まず初めにプロのアスリートが試合や競技のために行う筋トレを思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、今や筋トレは一般の人にとってもなじみ深いものです。

体力・健康維持をしたい人、うつ病や自律神経失調症の改善をしたい人、また、ダイエットをしたい人など目的は様々ですが、生活の一部として筋トレを取り入れている人が増えています。
そして、せっかく筋トレを行うのなら効果的に行いたいと思っている人も多いはずです。

今アスリートやフィットネス愛好家の間では「CBDを使用することで筋トレを効果的に行えるのではないか」ということが話題になっています。

CBDの効果は、筋トレをする全ての人に対してメリットをもたらすのでしょうか。
メリットがあるとするならばどのような効果が期待できるのでしょうか。

この記事では、CBDを筋トレと組み合わせた時のメリットや、CBDを使う際の注意点、筋トレを効果的にするためのおすすめの摂取方法などを説明していきます。

CBDの全般的な効果や副作用の内容については、こちらの記事をご覧ください。
CBDの効果や副作用とは?効果を感じない場合の対処法も紹介

目次

筋トレ時にCBDを摂取すると…メリットとなりうる3つの可能性

CBDと筋トレに関する人間においての大規模な研究が、まだあまり行われていないため、筋トレのためにCBDを摂取したほうがいいかどうか、今の時点でははっきりとしたことは言えません。

しかしいくつかの研究において、CBDを筋トレに使うことでメリットを得られる可能性があることが示唆されています。
CBDを筋トレに用いる3つのメリットと期待できる効果を、研究結果とともに紹介していきます。

1. 筋肉の痛みや炎症を緩和する

筋トレをする際に多くの人が悩む問題が、筋肉痛や怪我の問題です。
筋肉痛や怪我が起こってしまうと、筋トレを思うように続けられなくなってしまいかねませんし、痛みのせいで試合などに悪影響を及ぼす場合もあります。

CBDは筋肉の痛みや炎症を緩和する作用があると考えられています。

2020年に行われた海外の研究では、CBDに抗炎症作用があるかどうかが調べられました。
結果として、CBDには直接的な抗炎症作用と抗酸化作用があると結論付けられました。※1

炎症の軽減は痛みの緩和にもつながるので、この研究結果からCBDは、抗疼痛作用を持つ可能性も高いことも考えられます。

同じく2020年に行われた別の海外研究では、関節の疾患に対するCBDの効果が調査されました。
その結果、CBDには関節の疾患に対して抗炎症作用をもたらす可能性があることが分かり、関節の治療に役立つかもしれないことが示唆されました。※2

International Journal of Physical Education, Sports and Health に掲載されたCBDとDOMS(※)の海外研究では、筋トレ後にCBDを摂取したアスリートは、筋トレ後24、48、72、96時間後の筋肉痛が大幅に緩和したという結果になりました。※3

※DOMSとは遅延性筋肉痛のことで、不慣れな運動や激しい運動によって起こる運動後24~48時間以内にあらわれる筋肉の痛みのこと

CBDの抗炎症作用や抗疼痛作用の研究は、人間の筋肉で行われたものがまだ少ないため、CBDの効果を証明するためには今後より多くの人での研究が必要です。

しかし以上の研究結果を読み解くと、CBDが抗炎症・抗疼痛効果を持つ可能性は十分にあると考えられます。

CBDが炎症を軽減し、痛みや炎症から身体を守ることができれば、筋トレを継続しやすくしたり、試合への悪影響を極力少なくしたりするメリットが期待できます。

試合についてのメリットは、プロのアスリートなど、試合を控えているような人に限られるものかもしれませんが、筋トレを継続しやすくすることは、アスリートだけではなくダイエットや、健康のために筋トレをしている一般の人にとっても大きなメリットになります。
体力・健康維持やダイエットを成功させる一番のキーポイントは、筋トレを継続することに他ならないからです。

以上のことからCBDの抗炎症・疼痛効果は、筋トレをする全ての人に対してメリットをもたらすと言えるでしょう。

2. 睡眠の質を高めて筋肉の修復をする

CBDには睡眠の質を向上する作用があると言われています。
睡眠の質を上げることが、なぜ筋トレへのメリットになるのかと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

筋肉などがトレーニングなどにより損傷を受けた時に、身体の中で組織の修復が行われますが、その修復のほとんどが睡眠中に発生するという事実があります。※4
つまり、睡眠の質を良くすることで筋肉などの組織の修復がしやすくなるということです。

2017年に行われたCBDと睡眠に関する海外の研究で、CBDが睡眠障害の治療に役立つ可能性があることが示唆されました。※5

2019年にはCBDと睡眠、不安に関する海外研究が行われました。
その結果によると、CBDは、ストレスのもととなるコルチゾールというホルモンの値を下げる可能性を秘めていることが分かりました。
この結果は、CBDを摂取すると夜リラックスして眠りにつくことが期待できるということを示しています。※6

CBDで睡眠の質が良くなり、筋肉の修復をサポートすることができれば、アスリートも一般の人も筋トレをするうえで大きなメリットになるでしょう。

3. 不安やストレスを緩和する

先ほど、CBDはストレスのもととなるコルチゾールのレベルを下げることにより、睡眠時のリラックス効果が期待できることをお話ししました。※6

不安やストレスを軽減するCBDの効果は、睡眠時だけでなく筋トレ時や試合時にも役立ちます。

筋トレというものは、短期間続けるだけで結果が出るものではありません。
ある程度継続しないと効果を実感できないため、本当に結果が出るのだろうかと筋トレ中に不安になる人も実は多いです。
特に、うつ病自律神経失調症の治療の一つとして筋トレを行っている場合は、余計に不安が強くなることもあるでしょう。

一方、大事な試合を控えているアスリートなどの場合、その日に向かうにつれて不安が大きくなってしまうこともめずらしくありません。

CBDの抗不安・ストレス効果は、神経を落ち着かせ、精神的なコンディションを整えることにより、目標に向けて頑張ったり、自分の力を発揮したりできるきっかけを与えてくれるでしょう。

CBDに直接体力を強化させる作用はある?

CBDが筋トレに対してメリットをもたらしてくれる可能性があることは分かりましたが、筋トレにCBDを使うことで、直接体力を強化できるのか気になる人もいると思います。

CBDに体力強化作用はあるのでしょうか。

CBDに体力強化・改善作用があるという科学的証拠はまだありません
CBDと体力強化作用に対する研究がまだあまり行われていないのが現状で、十分なデータや結果が得られていないのが現状です。

このような状況なので、もしも体力を強化させることができると宣伝しているCBD製品が販売されていたら、まず疑ってみたほうが良いかもしれません。
そのような商品にはCBD以外に体力を強化させるような成分が含まれている可能性もあります。

CBD製品を購入する場合は、CBDの純度や、危険な不純物が含まれていないかどうかを確かめることも大切なことです。

CBDを筋トレのために使うときの2つの注意点

筋トレを効果的にする目的でCBD製品を購入する場合に、注意してほしいことが2つあるので紹介していきます。

1.高品質なCBDを購入すること

先ほど少しお話ししましたが、筋トレのためにCBD製品を購入する際には、危険な不純物が含まれていない製品を選ぶことが重要です。
CBDは安全性が高い物であることが証明されており、世界アンチドーピング機関の禁止物質リストにも記載されていません。

この事実だけを見ると、アスリートでも気軽にCBDを購入して摂取できると思ってしまいがちです。
しかし、CBD製品として販売されている物の中には、残念ながら悪質な商品も出回っているため、細心の注意が必要です。

たとえば、海外から直輸入されたCBD製品の中には、THCという物質が微量に含まれている商品もあります。
THCは、大麻取締法で禁止されている違法な物質ですが、世界ドーピング防止機構(WADA)によっても禁止されている物質です。

THCでなくても、CBD製品の中の他の不純物がドーピングに違反する可能性も考えられます。

ドーピングに違反した物質が万が一含まれているCBDを、試合や競技前に誤って摂取してしまうと、たとえその物質が危険なものでないとしても、出場する権利がなくなってしまうことにもなりかねません。
特にアスリートは純度の高い高品質なCBD製品を選ぶ必要があることを覚えておいてください。

もちろんアスリートでなくても、危険、もしくは違法な不純物が含まれていないかどうかをチェックすることは、健康や安全を守るために非常に大切なことです。

CBD製品を購入する際には、第三者機関による検査がきちんと行われているかどうか、信頼できるメーカーが販売しているかどうかをよく確認するようにしてください。

2.服用薬との相互作用を確認すること

CBDは医薬品との相互作用を起こすことがあります。
CBDには、CYP2D6 や CYP3A4 などと呼ばれる、肝臓の薬物の代謝に関与する酵素を阻害する作用があると言われています。

肝臓はこれらの酵素により、身体の中に入ってきた薬やアルコールを分解・解毒する働きをしていますが、この代謝酵素を阻害してしまうと、肝臓の薬の代謝・分解機能が弱まり、服用している薬の分解や排泄を遅らせてしまうことがあるのです。
その結果、薬の作用が必要以上に強く出てしまったり、解毒が十分にできなかったりする恐れがあります。

ある特定の薬とグレープフルーツジュースを一緒に摂取すると、医薬品の作用が過剰になってしまうので注意しなければならないという話を聞いたことはないでしょうか。

グレープフルーツジュースもCBDと同じように肝臓の代謝酵素を阻害する働きがあるので、薬を服用する上で注意が必要なものとなっています。

もし、現在医薬品を継続的に服用していたり、CBDと同時期に一時的にでも服用しなければいけない薬がある場合には、その医薬品がCBDと相互作用を起こす可能性があるかどうかを、摂取前に医師や薬剤師などの専門家に確認しておいてください。

筋肉の回復を効果的にするCBDの摂取タイミング

CBD製品を摂取すべきタイミングは、それぞれの製品の説明書やラベルに従うことが基本です。
しかし、なるべく早く筋肉痛などを回復させるためにおすすめの摂取方法があれば知りたいという人も多いのではないでしょうか。

CBDや激しい運動をしたあとに体のあちこちが痛む遅延性筋肉痛(DOMS)などの研究において、筋肉の回復を効果的にするために推奨されている摂取方法があるので紹介します。

研究において、CBDオイルやグミなど全身作用を目的として口から摂取するタイプの製品なら、筋トレ直後にプロテインシェイクと一緒に摂取し、必要に応じて半日後または一日後にもう一度摂取することを勧めています

CBDバームやクリーム、ローションなど皮膚に塗るタイプのCBD製品を使う場合は、筋トレ直後か、筋トレから帰ってきた後に、痛みを感じる患部に小さな円を描くようにマッサージをしながら塗ると良いとされていますので参考にしてみてください。

CBDと筋トレに関するよくある質問

Q.CBDを筋トレのために摂取するメリットは?

筋トレにCBDを用いるメリットは、3つ考えられます。

1.筋肉痛やケガなどによる痛みや炎症を抑える作用により、筋トレを継続しやすくしたり、万全の状態で試合に臨めたりすること
2.睡眠の質を向上させる作用により、筋肉などの組織の修復をしやすくすること
3.不安を軽減させる作用により、筋トレ中や試合などのストレス解消をサポートすること

CBDの人での研究はまだ少ないため、これらの作用が証明されているわけではありませんが、様々な研究が、CBDは筋トレに使うメリットがあることを示唆しています。

CBDは効果の出方が人それぞれ違うという特徴もあるので、自分に効果があるのかどうか一度試してみると良いかもしれませんね。

Q.CBDに体力を強化させる作用はあるの?

CBDに体力強化・改善作用があるという科学的証拠は残念ながらまだありません。
CBDと体力強化作用に対する研究がまだあまり行われていないのが現状です。

世界アンチドーピング機関の禁止物質リストにCBDがない点を見ると、CBDに体力強化作用はあまり期待しない方が良いかもしれません。

もしも、体力強化させることができると宣伝しているCBD製品が販売されていたら、CBD以外に体力強化させるような成分が含まれている可能性もあります。
いずれにせよ、CBD製品を購入する際は、品質の良い信頼できる商品なのかを必ず確認するようにしてください。

Q.筋肉をできるだけ早く回復させるためにはどのタイミングでCBDを摂取したらいい?

CBDや遅延性筋肉痛DOMSの研究では、CBDオイルやグミなど口から摂取するタイプの製品なら、筋トレ直後にプロテインシェイクと一緒に摂取し、必要に応じて半日後または一日後にもう一度摂取することを推奨しています。

CBDバームやクリーム、ローションなど皮膚に塗るタイプのCBD製品を使う場合は、筋トレ直後か、筋トレから帰ってきた後に、痛みを感じる部分に小さな円を描くようにマッサージをしながら塗ってみてください。
ちなみにCBD製品の中には足に塗布する用のフットクリームもあります。

【参考文献】
※1 Antioxidative and Anti-Inflammatory Properties of Cannabidiol
※2 Cannabidiol: A Brief Review of Its Therapeutic and Pharmacologic Efficacy in the Management of Joint Disease
※3 The influence cannabidiol on delayed onset of muscle soreness
※4 Physiology of Sleep
※5 Cannabis, Cannabinoids, and Sleep: a Review of the Literature
※6 Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series


この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

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