CBDに危険性はあるの?有害性・健康へのリスク・副作用について解説

「CBDって危険な成分じゃないの?」
「CBD入りの商品って購入しても大丈夫?」
「興味があって試したいけど、依存性や副作用がないか心配」

あなたはこのような疑問や悩みを抱えていないでしょうか?
近年人気のCBDですが、大麻から抽出される成分ということで危険だと誤解されがちです。
また、依存性や副作用についても心配ですよね。

そこでこの記事では、CBDの危険性に焦点を当てて詳しく解説します。
本記事を読み進めることで、以下のような知識を得られます。

・CBDの危険性
・CBDの効果
・CBDの使用方法や注意点

CBDについて気になっている方は、ぜひご一読ください。

目次

CBDは有害・危険な成分?

CBDは違法成分ではない

CBDは大麻由来の成分ですが、CBDは日本、海外問わず合法です。

大麻には1,000種類以上の成分が含まれていますが、そのなかでも大麻取締法で規制されているのは、THC(テトラヒドロカンナビノール:Tetrahydrocannabinol)という成分です。

THCには精神作用があり、摂取すると多幸感や酩酊状態をもたらすため日本では違法麻薬に指定されています。

CBDとTHCは同じ大麻由来ではありますが異なる成分です。

現在日本で流通しているCBD製品はTHCや違法成分の有無など厚生労働省の検査を受けているため、合法の製品として販売されています。

CBDは安全性が高い!その3つの理由とは?

世界保健機関(WHO)は、CBDの安全性について以下のような報告をしています。

「CBDは非常に安全で、幅広い容量で忍容性が良好※である。公衆衛生上の問題も濫用の危険性もない」

※「忍容性が良好」:副作用がほとんどないかあっても非常に軽いということ

つまり、CBDの安全性は非常に高いものだといえます。具体的にCBDが安全性が高い理由について見ていきましょう。

1.ハイになるような効精神作用はない

CBDを摂取することで、いわゆる「ハイ」になることはありません

「ハイ」になるということは、精神活性作用があることを意味します。

大麻と聞いてイメージされがちな「ハイ」の状態を引き起こすのは、大麻の中の「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という成分で、CBDとは効果や安全性が異なります。

CBDには、精神を興奮させる作用ではなく、反対に気分を落ち着かせる効果があります

日中の使用で集中力が高まったり目がさめたりすることもありますが、CBDによって興奮するという報告は現段階ではされていません。

2.副作用はほとんどない

CBDの副作用としては、だるさや日中の強い眠気、めまい、下痢などが起こる可能性があります。

しかし、報告されている副作用はいずれの症状も軽度であることが知られています。また、CBDの副作用は、CBDの摂取を止めればすぐに回復するものがほとんどです。

万が一不快な副作用が起こった場合には、CBDの摂取を一旦中止してください。症状が日常生活に支障をきたしたり、摂取を中止しても症状が続いたりする場合はかかりつけの医師に相談してください。

適切に対応すれば、症状が深刻になる前に問題なく対処できます。

3.依存性はない

CBDには、THCのような依存性は報告されていません。

CBDは精神活性作用のあるTHCを含んでいないため、依存性がないと言われています。

実際に、CBDの潜在的な身体依存性(例えば、離脱症状や耐性)については、これまでのヒトでの臨床研究では報告されていないとの発表がなされています。※1 ※2

CBDの安全性や副作用については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
CBDに危険性はあるの?有害性・健康へのリスク・副作用について解説

そもそもCBDとは?CBDとTHCとの違いも解説

そもそもCBDとは何なのでしょうか?THCとの違いについても気になりますよね。
以下では、CBDとTHCとの違いについてや、CBDが近年注目されている理由についてのご紹介します。

CBDは大麻から抽出される成分

CBDは「カンナビジオール」の略で、大麻から抽出される成分のひとつです。
上述したように、精神へ与える作用や中毒性がないことで知られており、医療や健康、美容業界から注目を集める成分です。CBDは体内の「カンナビノイド受容体」と結合して体の不調を防ぐ働きをしています。

医療や健康面では、ストレスや痛みの緩和といった働きが期待されており、アメリカをはじめとする諸外国では医療用大麻の合法成分としても知られているほどです。

また、スキンケアなどの美容面でも効果が期待されており、ニキビなどの肌荒れに働きかける抗炎症作用や、抗酸化作用があります。

CBDの肌荒れに対する効果に関しては下記記事にて解説しています。合わせてご参照ください。

参考:CBDクリームやオイル肌荒れに効果的?美肌を目指す方のCBDの選び方

CBDとTHCとの違い

CBDとTHCは、どちらも大麻から抽出される成分のため混同してしまいがちですが、人体への作用も違法性も違う成分です。

CBDは、医療や健康面でのメリットが期待されている合法の成分です。
WHO(世界保健機関)もCBDの安全性を認めています。

一方で、THCには精神活性作用や中毒性があるため、日本では麻薬指定されており、使用や所持が違法です。

最近CBDが注目されている事実とその理由

⼤⿇由来の成分であるCBDが注目を浴びるようになったのは、2000 年以降と比較的最近です。
カンナビノイドの中でもその効果効能が注目され、医療面での活用が期待されています。

日本における認知度はまだそんなに高くありませんが、健康に気を使っている方や体調不良を感じている方からの人気が高まっています。
最近では、CBD入りのドリンクがコンビニで売られていたり、CBDが入ったグミやキャンディが手軽に購入できたりと、私たちの生活に身近な存在になってきています。

CBDの効果効能とは?

CBDの効果効能には、リラックス作用や鎮痛作用などが認められています。
以下では、CBDの効果効能について詳しくご紹介します。

鎮痛作用

CBDは、慢性痛や筋肉痛などによって起こる痛みや炎症を緩和します。
THCの使用が許されているカナダなどの国では、THCとCBDの両成分を組み合わせて痛みを軽減する薬が開発・利用されているほどです。

慢性的な関節痛や生理痛などといった痛みや炎症でお悩みの方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

吐き気を止める作用

嘔吐作用がある塩化リチウムを用いた動物実験では、CBDの吐き気を止める作用が認められています。
癌治療における副作用の吐き気に苦しむ方は多いので、CBDの吐き気を止める作用は大いに役立つと期待されています。

ただ日本では、まだがん治療に伴う吐き気の対処法としてCBDの使用は承認されていません。
しかし、既存の吐き気止めでは効果がない方に対する、CBDの活用が期待されています。

抗不安作用

CBDを摂取しても精神興奮作用はありませんが、リラックス効果や不安を軽減させる効果があります。

CBDは神経に作用し、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質に影響して自律神経を整えるためです。
このCBDのリラックス効果を期待して、睡眠の質を高める目的でCBDを摂取する方も多くいます。

長期間不安やストレスを抱えている場合、うつ病などの精神疾患につながる可能性があります。
CBDの摂取によって、その精神的な不安を解消できるのではないかと期待されています。

CBDが効果を発揮するメカニズム

リラックス効果や鎮痛作用といった上記で説明したようなCBDの効果は、体内にある「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」を通じて発揮されます。

エンドカンナビノイドシステムとは、心と健康のバランスをコントロールして病気を防ぎ、健康的に生きていくために必要なシステムです。
例えば、エンドカンナビノイドシステムは食欲や睡眠、代謝、免疫、感情、運動などの機能を調節します。

CBDなどのカンナビノイドは体内の「カンナビノイド受容体」と結合し、身体の不調を防ぐ働きをします。
人間が生活していく上では欠かすことのできない重要な役割を担っているシステムですが、研究によって、外部からの強いストレスや老化に伴って働きが弱まることがわかっています。

そこで植物(大麻)由来のカンナビノイドであるCBDを摂取することで、食欲や睡眠、免疫などの身体に必要なシステムの維持に役立つのです。

CBDの使用方法とは?リキッドで吸っても違法じゃない?

CBDの使用方法には、下記のように様々な種類があります。

・グミやドリンクなどでの経口摂取
・VAPEなどでの吸引
・オイルなどによる舌下投与
・オイルやクリームなどによる経皮吸収

この中で最もCBDの効果実感が早い方法は、CBDのリキッドをVAPE(電子タバコ)などで吸引する方法です。
「大麻から抽出された成分を電子タバコで吸うなんて怪しい」と思う方もいるかもしれませんが、CBD自体が合法なので全く問題ありません。

また、未成年が電子タバコでCBDを吸引しても問題ありません。
タバコと違って、CBDニコチンやタールを含んでいないため、未成年への規制対象にはならないからです。
しかし、未成年のCBDリキッドの使用に違法性はないにしても、メーカーからストップをかけられているのが実情であり、基本的には20歳からでないと購入できません。

CBDのリキッドについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
CBDリキッドの効果は?効果を感じない時の吸い方・おすすめの選び方も解説!

CBDの効果を2番目に早く実感できる方法は舌下投与(下の裏の血管から直接吸収させる)で、数分以内に効果を感じられます。

CBDの舌下摂取のやり方について以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
CBDやCBDオイルを舌下摂取する理由は?上手なやり方やコツも解説

頭痛や関節痛など、体の一部が痛むときには皮膚からCBDを取り入れる経皮吸収がおすすめです。
CBDオイルを肌に塗ったり、CBDバームやクリームなどを塗ったりして吸収させた場合は、比較的ゆっくり効果がでます。

経口摂取も比較的時間がかかりますが、CBDオイルを食べ物や飲み物に混ぜたり、CBDグミなどで摂取できるため日常的に続けやすい方法です。

CBD製品の摂取についての注意点とは?

以下では、CBD製品を摂取する際に気をつけたいポイントについてご紹介します。

過剰摂取に気をつける

CBDは安全性の高い成分ですが、摂取量に注意する必要があります。
2019年に行われたローラ・E・ユーイングによるマウスの研究では、CBDを過剰に摂取すると肝臓にダメージを与える可能性があることが報告されています。

しかし、CBDの肝毒性に対して、多くの専門家はまだそれほど心配するレベルではないと主張しています。
この実験はマウスにとどまっているため、生理学的に異なっているため人間で同じ結果が出るとは言えないためです。
また計算上、用法用量を守って使用すれば、肝臓へダメージを与える可能性は非常に低いのです。

また、なぜ肝機能が悪化するのかや、CBDが直接の影響を与えているか、他の薬剤との影響はあるのかなどは明らかになっていません。
そのため、元々肝臓の機能の異常を指摘されている方や、効果を感じないために摂取量を目安の何倍にも増量したい方などは注意が必要です。

しかし文献によると、CBDを最大1日1,500mg摂取しても身体に害を及ぼさないことが報告されています。
これは、10%濃度のCBDオイルのボトル10mlで換算すると1.5本に相当します。
一気に1.5本分のオイルを摂取することは考えにくいので、そこまで過度に心配する必要はありません。
最初はスポイト半分〜1本分摂取してみて、CBDの実感度合いによって摂取量を調節していくという方法を試すと良いでしょう。

薬との飲み合わせに注意する

CBDは、特定の薬と相互作用することで、薬の効果を増幅させたり副作用を高めたりする可能性があります。

CBDは肝臓内で薬剤の代謝・排泄に関わるシトクロム450(CYP450)と言う酵素を阻害して、他の薬剤の効果を高める作用があります。
そのため、場合によっては危険な副作用が増強される恐れがあるのです。

この酵素は現在病院などで処方されている多くの薬剤の代謝・排泄に関わっているため、内服薬がある方は医師に確認してからCBD製品を摂取するようにしてください
もちろん、CBDを摂取した際に異変を感じた場合は、直ちに使用を止めてください。

妊娠中や授乳中の人は避ける

妊婦の方や授乳中の方がCBDを使用する際にも注意が必要です。
CBDが乳幼児に与える影響については、まだ解明されていないのが現状です。
CBDやCBD使用オイルの使用を検討されている場合は、あらかじめ専門医やかかりつけ医にご相談ください。

妊娠・授乳中のCBD摂取については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
CBDやCBDオイルは妊娠中・授乳中に摂取してはダメ?胎児に与える影響

CBD製品を選ぶ時の3つの注意点とは?

以下では、CBD製品を選ぶ時の注意点を3つご紹介します。

1. 摂取のしやすいものを選ぶ

CBDオイルには独特な味や風味があることがあるので、自分が摂取しやすく、続けやすい商品を選ぶことが大切です。
CBDそのものに味や香りなどはないのですが、ヘンプオイルやMCTオイルなどのキャリアオイルによって独特な味や風味が出ます。

CBDのオイルの味に不安があって続けられるか心配な方は、味や匂いがないMCTオイルをキャリアオイルにしている製品を選ぶことをおすすめします。

2. 自分にあったCBDの含有量(濃度)のものを選ぶ

CBDを初めて摂取する場合は、どれくらいの濃度のCBD製品が自分に合っているかわからないですよね。
CBDの適切な摂取量には個人差がありますが、少し高めの濃度の製品から試してみることをおすすめします。
なぜなら、CBDの効果を感じにくい方が少ない量しか摂取しなかった場合、当然効果実感は少なくなり、継続が難しいためです。

CBDは、他のサプリメント同様に継続することが大切です。
そのため、CBDの摂取開始時に効果を感じずに摂取をやめてしまわないよう、濃い濃度のCBDオイルから試してみることをおすすめします。
試してみた後に、CBDの実感度合いによって摂取量を調整していくとよいでしょう。

3. 信頼できるメーカーかどうかを確認する

CBD製品を選ぶ際は、信頼できるメーカーから、THCが含まれていない(THCフリー)製品を買いましょう。
CBDは基本的に安全性の高い成分ですが、製造する国によって大麻の取り扱いに対する法律が違うためCBD製品に違法成分のTHCが含まれている場合があります。

THCが製品に含まれているかどうかについては、消費者自身も責任をもって調べる必要があります。
信頼できるメーカーのCBD製品を購入するためには、そのメーカーが第三者機関での成分分析を行っていることや口コミの評価などを確認してから購入することをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、CBDの危険性について詳しくご紹介しました。
CBDは大麻から抽出される成分のため、精神活性作用や違法性を心配する方も多いかと思います。
しかし、いわゆる「ハイ」になる成分は含まれていませんし、日本での使用も合法です。

またCBDには依存性もなく、副作用も非常に少ない成分です。
近年ではリラックス作用や鎮痛作用などの医療や健康面での効果が期待されており、ネット通販や路面店でもCBD製品の販売が目立つようになってきました。

CBDに関する研究がより進み、製品が多く流通するようになればCBD製品はもっと身近になるはずです。
現在の医療では難しい疾患へのCBDの効果も研究されているので、今後の成果に期待が高まります。

【参考文献】
※1 カンナビジオール(CBD)事前審査報告書
※2 WHO/ECDD 資料 2018 年 9 月 9 日 第 4 回学術集会

この記事を書いた人

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