CBDとは?違法?THCとの違い・効果・副作用・摂取方法を解説

最近CBDという成分が話題になっています。あまり聞き慣れない名前のためCBDとは一体何なのか、何に良いのか、口に入れても危険ではないのかなどさまざまな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

CBDについての記事は、オンライン上にたくさんあります。しかし、たくさんあるがゆえに最初に何を読んだらよいのかが分かりにくいかもしれません。

今回は、CBDについて大まかに解説していきます。この記事を最後まで読めばCBDについて大体のことが分かるようになりますよ。

目次

CBDとは

CBD(カンナビジオール)とは、大麻草から抽出されるカンナビノイドという成分の中の一つです。

大麻草から抽出される成分と聞くと、「大麻」や「マリファナ」のイメージからCBDも危険なものなのではないかと心配する人もいるかもしれません。しかしCBDは、安全性が高いことがすでに確認されている成分であり、違法であるマリファナとは全く違います。

CBDには、大麻のようにハイになったり、陶酔したり、依存したりする作用は一切ありません。それどころか、健康や治療に役立つさまざまな効果が期待できるとされています。

今、世界中の人々がCBDの効果に注目しています。日々の生活の質を高めたり、病気の治療に役立てたりするため、CBDを日常の生活に取り入れている人が増えているのです。

CBDは合法?

CBDは合法です。

大麻取締法第一条には、「大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)、並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」と記載されています。

大麻由来のものであれば全て大麻取締法に引っかかると思っている人も多いですが、抽出する大麻草の部位によっては合法で所持や販売、使用ができます。また、大麻草の成熟した茎や種子には、マリファナのような精神作用を引き起こす成分は含まれていないため、安心して摂取できるということもあわせて覚えておきましょう。

たとえば漢方薬や七味唐辛子に含まれている麻の実(ヘンプシード)は、大麻草の果実(法律では種子と同じ)を使っているので合法です。同じようにCBDも大麻草の成熟した茎や種子から抽出されているため、合法で所持・販売ができ、ハイになったりすることを心配せず摂取することができます。

CBDの法律関係や安全性については、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
CBDってホントに合法?違法にならない?安全に買う4つの注意点

CBDとTHCの違い

THC(テトラヒドロカンナビノール)は、大麻草から抽出されるカンナビノイドの中の一つです。

このTHCこそが、多くの人が大麻草から連想するマリファナの成分です。CBDが合法で安全な成分であるのに対し、THCは大麻取締法で規制されている成分です。THCを摂取するとハイになったり、陶酔したり、中毒になったりします。

どちらも大麻草から抽出される成分ですが、抽出される部位、性質、構造、違法性などが全く違うため混同しないようにしましょう。

CBDとTHCの違いについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
THCとは?CBDとTHCの違いや違法性・作用についても解説

CBDに期待される効果とは

CBDに期待されている効果は、数えきれないほどあります。

そもそもCBDはエンドカンナビノイドシステム(ECS)を活性化することで力を発揮します。

ECSとは、体内の環境を一定に保とうと調節する機能のことです。細菌やストレス、自律神経のバランスの崩れ、炎症、痛みなどにさらされても、回復し生きていけるのはECSが働いているからといわれています。

CBDはECSを活性化することで、眠りの質を改善したり、リラックスしたり、自律神経を整えたり、筋肉の回復をサポートしたり、難治性のてんかんや認知症の症状を改善させたりするなどの多くの効果が期待できます。

またCBDは、ECSを活性化させることで病気を重症化させない、いわゆる「サビない身体」を作るためのサポートもできるといわれています。

CBDが、ウイルスにさらされたときに体内環境を一定に保とうとするECSの作用を強化することにより、新型コロナウイルスの発症予防にも役立つという研究結果もあります。大麻草のCBD以外のカンナビノイドでは感染を十分に防げなかった症例に対しても、CBDを高用量で使用することで新型コロナ感染の陽性率を優位に下げた結果となりました。

CBDは日常の生活の質を上げるだけではなく、医薬品では難しい治療や予防に役立つ可能性も大いに秘めています。今後の研究に更なる期待をしていきましょう。

CBDの効果については、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
CBDの効果や副作用とは?効果を感じない場合の対処法も紹介

CBDに副作用はある?

安全な医薬品にも副作用があるように、安全性が高いCBDにも軽度な副作用が報告されています。一般的なものとしては、下痢や体重の変化、食欲の変化、喉の渇きなどです。

ただし、副作用は全ての人に起こるわけではありません。もしも副作用が起こったとしてもCBDの副作用症状は軽度であることが知られています。副作用が起こった時点でCBDの摂取を中止すれば回復することがほとんどなので、過剰に心配しないようにしましょう

万が一CBDを中止しても症状が治まらなかったり、悪化したりする場合は、CBD以外に原因がある可能性もあるため医師の診察を受けるようにしてください。

CBDの副作用については、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひ本記事と併せてご覧ください。→CBDやCBDオイルの副作用は?ホントに有害性・危険性はないの?

CBD製品と4つの摂取方法

世の中では既にさまざまなCBD製品が販売されています。CBD製品の例とその摂取方法を紹介します。

1.舌下摂取

CBD製品の中で人気が高い物の一つは、CBDオイルです。CBDオイルは、舌下摂取という舌を持ち上げてCBDを滴下し、舌の裏側からCBDを吸収させる方法で摂取をします。

あまり慣れない摂取法ですが、舌下摂取にはメリットがいくつかあります。舌下摂取は、効果の発現時間が15分〜1時間と比較的短いところや、効果の持続時間が4〜8時間と長いところ、また、吸収率が13〜35%と高いところがメリットです。

CBD製品の中にCBDグミがありますが、CBDグミを舌の裏側に入れて少しずつ溶かして舌下摂取する人もいます。CBDグミは、お菓子のグミのように噛んで飲み込むこともできますが、舌下摂取をすることで吸収率を上げることができます。

舌下摂取のコツややり方については、こちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事と併せてご覧ください。
CBDやCBDオイルを舌下摂取する理由は?上手なやり方やコツも解説

2.経口摂取

CBDカプセルや錠剤、CBDグミ、チョコレート、ガム、CBD入りの飲み物の一般的な摂取方法が経口摂取です。

経口摂取は、食べ物や飲み物を摂取する時と同様に口の中に入れて飲み込むことで摂取する方法です。経口摂取のメリットは、摂取するコツなどがいらず気軽に摂取できることです。

しかし、経口摂取によって身体に入ったCBDは胃や腸、肝臓などで一部分解されてしまうため、吸収率が低くなってしまう(6〜20%)というデメリットもあります

3.経皮摂取

CBD製品には口の中に入れる製品だけでなく、肌から吸収させる製品も販売されています。CBD化粧品(スキンケアクリーム、クレンジング剤など)やCBDのバスボム、ボディオイル、シャンプーなどです。使い方は通常の製品と同じです。

これらの製品は、皮膚から吸収させる経皮摂取という方法で摂取します。経皮摂取の吸収率は13~50%です。効果の発現時間は2時間ほどです。

4.吸入摂取

CBDベイプやCBDリキッドと呼ばれる製品は、CBDを気体にして肺から直接吸入させる吸入摂取という方法で摂取します。

吸入摂取の最大のメリットは、吸収率が34〜56%と非常に高いことと、効果の発現時間が数秒から10分と短いことです。

ただし、吸入摂取には大きなデメリットもあります。加熱して気化したCBDを吸入することで肺を損傷したり、心臓や呼吸器の深刻な疾患を招いたりする恐れがあるなど、身体に悪影響を与える可能性があることです。そのためNECARAでは、CBDベイプをおすすめしてはおりません

また、吸入摂取は効果の持続時間が30分から1時間と短いことや、吸入にコツがいること、吸入する場所に気を使わなければいけないことなど、使い勝手におけるデメリットもあります。

CBDベイプについてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
CBDベイプや電子タバコの8つの効果!メリット・デメリットも紹介

CBD製品の3つの製法

CBD製品には3つの製法があります。CBD製品にはどのような製法で作られているのかが記載されていることが多いので、製法について知っておくと製品を選ぶ際に役立ちます。それぞれの製法の特徴を簡単に見ていきましょう。

フルスペクトラム

フルスペクトラムは、大麻草(ヘンプ)に含まれているすべての成分を抽出する製法のことをいいます。つまり、100種類以上のカンナビノイド(CBDを含む)、テルペンやフラボノイドと呼ばれる500種類以上の成分がフルスペクトラム製法で作られたCBD製品には含まれています

気をつけなければならないのは、フルスペクトラム製法で作った製品の中には大麻草のすべての成分が含まれているため、THCが含まれている製品も中にはあるということです。THCが含まれていると日本では違法になってしまいますし、中毒性や陶酔性など身体へ悪影響を与える可能性もあります。

日本でフルスペクトラム製品を購入する場合には、THCが入っていないか、または非検出レベルの大麻草で作られた「THCフリーのフルスペクトラム」を選びましょう。製品のラベルなどに「THCフリー」、「THC非検出」などの記載があるかをよくチェックしてください。

フルスペクトラムについてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
フルスペクトラムCBDは違法?意味・効果・他の製法との違いも解説!

ブロードスペクトラム

ブロードスペクトラムは、フルスペクトラムのCBD製品からTHCのみを取り除いて抽出する製法のことをいいます。

ブロードスペクトラム製法で作られたCBD製品は、THCが入っていないため安心して購入できることや、他のカンナビノイド、テルペン、フラボノイドが含まれていること、フルスペクトラムよりも安価に入手できることから非常に人気があります。

ブロードスペクトラムについてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
ブロードスペクトラムCBDとは?フルスペクトラム・アイソレートとの違い

アイソレート

アイソレートは、大麻草からCBDだけを抽出する製法のことです。CBD以外のカンナビノイド、フラボノイド、テルペンは入っておらず、CBDの純度は99%以上になっています。

アイソレートは、ブロードスペクトラムよりも安価なことが多いです。また、他の成分が入っていないため、麻独特のにおいも味もなく摂取しやすいというメリットがあります。

しかし、アイソレートはフルスペクトラムやブロードスペクトラムに比べてCBDの効果を体感しにくいかもしれません。それはなぜなのでしょうか。その理由を知るために、次の項目で「アントラージュ効果」について詳しく見ていきましょう。

アントラージュ効果って何?

アントラージュ効果を簡単にいうと、相乗効果のことです。

カンナビノイド、フラボノイド、テルペンのような複数の植物成分を一緒に摂取することで、成分が持つ本来の効果をお互いに高めることをアントラージュ効果といいます。

つまり、アイソレートのような製法で作られたCBDのみの製品を摂取するよりも、フルスペクトラムやブロードスペクトラムのようなCBD以外のカンナビノイド、フラボノイド、テルペンを含んだ製品を摂取した方が、CBDの効果を体感しやすくなるということです。また、他のカンナビノイドの効果、フラボノイドやテルペンの健康効果も併せて体感できるかもしれないというメリットもあります。

アイソレートのようにCBD純度が高い製品は、一見品質が高いように見え、効果も高いと思ってしまいがちです。しかしアントラージュ効果が期待できないため、効果が思うように体感できない可能性が実は高いのです。

アントラージュ効果ついては、こちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。→【医師監修】アントラージュ効果とは?CBDの作用をより高める方法を解説!

CBDの適切な摂取量はどのくらい?

CBDを摂取する時にどのくらい摂取したらよいのかと考えてしまう人も多いと思います。CBDの説明書には、医薬品のように一日何回、何mgで摂取してくださいとは書いていないからです。

CBDは、人によって適切な摂取量が違います。そのため、自分に合った摂取量を見つけることが大事です。

まずは、一日CBD10〜30mg(CBDオイルやグミなどの場合)ほどの少量から始めてみましょう。その用量で効果があれば、それが自分に合った用量ということになります。

効果が出なければ、CBDオイルであれば1滴ずつ、CBDグミであればちぎりながら調節して少しずつCBD量を増やしていきましょう

効果が出始めた用量が自分にぴったりのCBD用量です。

CBDオイルの滴数やグミなどからどのようにCBDのmg数を計算するかはこちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてくださいね。
【CBD初心者必見】自分にピッタリのCBD摂取量の計算方法を解説!

CBDを摂りすぎると危険?

「効果を体感できないときはCBDの用量を徐々に増やすというけれど、増やし過ぎた結果摂りすぎてしまわないか不安」という人もいるのではないでしょうか。

CBDは、普通に摂取していれば過剰摂取の心配はありません。

一般的に摂取するCBD量は多くても100mg以下ですが、海外の研究では、一日に1,500mgという高用量のCBDを摂取しても健康上の問題は起こらなかったことが報告されています。

もちろん、副作用をなるべく起こさないためにも必要最小限の用量でCBDを摂取することは大切です。しかし、多めに摂取しても健康上の問題はないとされているため、恐る恐る用量を増やす必要はありません。

CBDの過剰摂取については、こちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
【薬剤師執筆】CBDやCBDオイルの過剰摂取は危険?グミの食べ過ぎは?

CBDを摂取する時の注意点

CBDは安全性の高い成分とされていますが、摂取する時は注意点がいくつかあります。CBDを摂取する前に下記の注意点を読んで理解しておきましょう。

相互作用に注意

CBDは、一部の医薬品と相互作用を起こす可能性があります

CBDが肝臓の代謝を遅らせることによって医薬品の作用を増強させてしまったり、医薬品を解毒する身体の作用を弱めて、医薬品を身体の中に長時間のこらせてしまったりするかもしれません。

CBDが全ての医薬品と相互作用を起こすわけではありません。現在服用している薬がある方は、医師や薬剤師にその薬がCBDと相互作用を起こす可能性があるのかを聞いておきましょう

もし相互作用を起こす可能性のある医薬品を服用されている場合は、医薬品の服用を優先させてください。CBDを優先したいからと勝手に医薬品の服用を中断しないようにしてください。

CBDの相互作用については、こちらの記事でも詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご覧ください。→CBDやCBDオイル使用後の運転は危ない?最新研究をもとに注意点を解説

CBD商品の品質に注意

CBD製品には、海外から個人輸入されているものも多いです。品質が良い製品もたくさんありますが、残念ながら劣悪な品質のCBD製品が販売されていることもあります。

劣悪な品質のCBD製品の中には、日本では違法のTHCや、身体に害を及ぼす農薬や重金属が入っている可能性があります

ご自身の健康を守るため、CBD製品を購入する際には安全で安心できる製品なのかどうかをまず確かめるようにしましょう

品質が良い製品は、第三者機関の検査を受けて検査結果を公表していることが多いです。検査結果や証明書を見て危険な成分が含まれていないかを自分の目で確認してから購入するようにしてください。

まとめ

今回は、CBDについて説明してきました。CBDについてだいたいのことを理解することができたのではないでしょうか。それぞれの項目についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ他の記事もあわせて読んでみてください。

CBDついてよくある質問

Q.CBDは大麻と何が違うんですか?

CBD(カンナビジオール)は、大麻の成分の一つです。大麻には、100種類以上のカンナビノイド、500種類以上のフラボノイド・テルペンと呼ばれる成分が含まれていますが、CBDはそのうちのカンナビノイドの一つとして分類されています。

多くの人が大麻と聞いて想像するマリファナの成分は、THCです。THCも大麻のカンナビノイドの一つですが、CBDとは全く別の成分です。THCには違法性や中毒性、陶酔性などがありますが、CBDは合法で中毒性などは一切なく安全性が高い成分とされています。

Q.CBDにはどんな効果があるんですか?

CBDは、眠りの質を改善したり、リラックスしたり、自律神経を整えたり、筋肉の回復をサポートしたり、難治性のてんかんや認知症の症状を改善させたりなど、多くの効果が期待されています。

またCBDは、病気を重症化させない、いわゆる「サビない身体」を作るためのサポートもできるといわれています。新型コロナウイルスの発症予防にも役立つという研究結果もあります。

Q.CBDはどうやって使いますか?

CBDオイルやCBDグミなどは舌の裏側から吸収させる舌下摂取で摂取を行うことが一般的です。また、CBDの錠剤、カプセル、エディブルは口から飲んだり、食べたりして摂取する経口摂取で摂取します。

CBDが入っている化粧品や、バスボム、シャンプーは一般の製品と同じように使います。この場合CBDは、肌から直接吸収する経皮摂取という方法で摂取することになります。CBDベイプは、CBDを気化して肺から吸収させる吸入摂取で摂取します。

CBDの使い方は製品の種類によって違うので、購入した製品の説明書をよく読むことが大切です。

この記事を書いた人

安藤 恵美のアバター 安藤 恵美 薬剤師/臨床試験コーディネーター

星薬科大学薬学部を卒業後、薬剤師国家免許を取得。横浜市の大型総合病院の薬剤部で、調剤・服薬指導業務を学んだあと、薬剤師や臨床試験コーディネーターとして勤務しながら、医療機関のソフトウェア開発やグラフィックデザインなどにも携わる。
結婚を機にアメリカにわたり、CBDについて知る。その後CBDを実際に試しながらCBDについて学ぶ。

現在は医薬品、サプリメントについて等、ヘルスケアに特化した薬剤師ライターとして活躍。同時に医療コンサルタントとして、オンラインで健康相談も行っている他、Webデザイナー、グラフィックデザイナーとして、企業やコミュニティーからの仕事も行っている。

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